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日本再生⑩ 日中連携戦略  [平和外交]

 前回は、アジアの安全保障の現状とアジア連合の在り方を検討した。今回は、アジアの大国である中国を、多国間連携であるアジア連合にどのように引き込むかを考えてみよう。

 

1.アジア連合に向けた日中連携戦略の考え方

 

(1)向こう三軒両隣の精神を取り戻そう

「遠い親戚より近くの他人」は真理。近いゆえに紛争の種が多く、友好には、何倍も努力が必要だが、努力の甲斐はある。民族の欠点をあげつらっても、得るものはない。

中国にも強権的な人ばかりではなく、多様な、優れた人材が多い。味方を敵に変えるのは愚の骨頂である。ヘイトスピーチはやめて、違いを認め、尊重し合うための対話をすべきである。

 

(2)嫌中という小児病を克服しよう

学者や言論人にも、嫌中派は多い。対日敵対工作があったという多くの報道は、プロパガンダである。たとえ工作があったとしてもそれには原因がある。冷静に原因を取り除く対応が必要である。

下に見ていた中国が、強大になり、蔑視と羨望の感情に揺れる気持ちはわかるが、克服する大人の対応が望まれる。人を変えるには、まず、自分が変わることだ。

 

(3)日中経済連携は戦争を防ぐ

 安全保障にとっては、抑止と安心供与が車の両輪である。抑止力(軍備強化)偏重は金食い虫で、非効率である。経済連携は安心供与の優れた手段で、互いに儲けながら戦争を防ぐことができる。

戦争ばかりしていた隣国同士の独仏が1952年の欧州石炭鉄鋼共同体加入を契機に友好関係を築いたのが好例である。利益を分かち合う心さえあれば、ウィンウィンの関係、すなわち戦略的互恵関係を構築できると思う。

 

2.アジア連合のための対中国のアプローチ

アジア連合の交渉において、難物は中国である。中国と交渉開始の合意ができれば、8割がた、スタートアップは完了である。日本は、中国を仮想敵とせず、交渉の本気度を態度で伝えるべきである。  

いま、中国崩壊論や崩壊待望論がにぎやかである。しかし、「社会主義現代化強国」を目指すという中国は、帝国主義的ではあるが、世界を相手に取引をし、需要を創造する力がある。

 

財政均衡論に縛られた、下手な民主主義国家よりも、野性的、戦略的で、米中覇権戦争もうまくやり過ごすに違いない。

 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が年内妥結を目指して交渉中である。参加国がアジア連合対象国とほぼ同じであり、中国も前向きである。日本は、早期妥結に向け指導力を発揮してもらいたい。

 

3.アジア連合に向けた日中連携の段取り

 

(1)安倍首相は南京慰霊訪問しよう

南京虐殺30万人説は信じないが、慰霊訪問すれば、安倍首相と日本への見方ががらりと変わる。

 

(2)中国の「一帯一路」構想に参加を表明する

日米で進める「自由で開かれたインド太平洋」に「一帯一路」を統合する、大きい絵を描こう。

 

(3)AIIB加入とADBとの連携強化を表明する

AIIB中国主導のアジアインフラ投資銀行、ADBは日米主導のアジア開発銀行

 

(4)東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への関与を強める

 

(5)アジア地域連合(共同体)のキックオフを中国に向かって宣言する

 

4.まとめ(筆者コメント)

 

①中国崩壊論が良く聞かれる。中国崩壊待望論というべきかもしれないが、品性が透けて見える。ここは、向こう三軒両隣の精神で、おせっかいを焼くべきではないか。虎穴に入って、大きな虎児を調教するくらいの気概を持とう。

 

②新冷戦の勃発で、中国は日本に秋波を送っている。今がアジアを一つにするチャンスである。間違っても、米日対中露が敵対する、一触即発の大冷戦の構図を作ってはいけない。地球が壊れる。

 

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日本再生⑨ 安全保障とアジア連合 [平和外交]

 前回まで、日本社会・経済のあるべき姿について述べてきた。ここからは、日本の政治・外交の将来像を考えて見よう。戦後74年、対米従属を続け、いわゆる「永続敗戦」状態の日本を、自主独立の国に変えるには、強力な政治・外交力が必要である。

 

1.アジアの安全保障環境の現状

安倍政権は中国を仮想敵国とみなした抑止政策に熱心である。日米同盟強化一辺倒の外交で、アジアの安全保障の緊張を逆に高めている。

一方、中国は南シナ海に軍事施設を作り、ミサイルを配備するなど、海洋進出を強化している。

中国は、日米同盟を仮想敵と定め、自国を防衛するため、最前線を前に構築したつもりであろう。東アジアは軍拡競争の場になりつつあると言わざるを得ない。

 

2.地域連合創設による安心供与の外交

 安全保障は抑止と安心供与が車の両輪である。人は、向こう三軒両隣と仲良くして、居心地の良い地域環境を作ることが生活の知恵というものである。遠隔地の知人に縋りつかないと安心できないような生活設計は間違っている。

日本は近隣諸国の懐に飛び込んで、地域のことは地域で解決するための、地域連合(共同体)の創設という大きな目標に向かって外交力を結集すべきである。

 

3.アジア連合の構成国

アジア連合の構成国は、日、中、韓、北朝鮮、東南アジア、南アジア、ロシア、中央アジア、オセアニアとするべきである。ロシアは中国に向き合う際の、緩衝、バランス・オブ・パワーとして役立つと思う。日本は、中ロという二大荒馬を御する気概を持ちたいものだ。

南アジアに含まれるインドは、将来中国に並ぶ大国になり、アジアの牽引役になると期待される。

 

4.アジア連合が目指すもの

日本は、対米従属から脱却し、アジアに正面から向き合う新機軸の外交を進めたい。その第一歩は、アジア連合の推進である。人権などの価値観で異なる国があっても、取り込んでいくべきで、排除していては何も始まらない。

アジア連合の真の目的と、目指すものは何かを下表で確認してみよう。

 

目的

内容

経済成長

貿易の自由化を通じて、地域の競争力を向上し、豊かさを実現する。21世紀はアジアの時代である。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の締結を主導して、アジア連合の基礎を築こう。

安全保障

隣国同士が敵対視せず、相互に国益を尊重し、戦略的互恵関係を結べば、戦争のない地域が実現できる。平和を担保するため、アジア連合軍を創設して、透明性のある協働の実力組織を作ろう。

人権尊重

人間は、自己本位で残虐な面を持っている。アジアに人権尊重を根付かせるために、専門の機関を創ろう。チベットやウイグルの人権問題の緩和に役立つ。信教の自由もテーマになる。

環境・防災

地球温暖化もあって、環境・防災の協働は喫緊の課題である。

 

5.まとめ(筆者コメント)

 

①地理的に近い国々は紛争の種を多く抱えているだけに、協同して互恵関係を作る意味は大きい。地域連合(共同体)の成否は、過去の「恨み」の誠実な処理と、「未来志向」の取り組み方にかかっている。

 

②トランプ米大統領の就任は、世界の政治経済システムの変革にとってチャンスである。日本は、心ある国々の指導者と手を組んで、国連改革や地域連合の構築を推進したい。

 

 

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日本再生⑧ 日本社会・経済の将来像 [平和外交]

前回までの考察を踏まえて、日本社会・経済の問題ごとに対策と将来像を考えて見よう。

 

1.日本社会・経済の将来像

 

問題

現状

対策

目標(将来像)

不安心理

経済衰退、年金不安

政府の借金一千兆円

発想の転換。政府の借金=国民の貯蓄

認識を改めよう

「国民が安心して自分らしく生きられる社会」

経済成長

日本20年間ゼロ成長

中国8倍、米2

30年間の失政を反省、積極財政で5%成長2%物価上昇経済へ

20年後、GDP2倍に。

積極投資で日本の供給力(国力)強化。

社会保障

2016年度の社会保障給付費は116.9兆円(うち公費負担は47.7兆円)(注1

社会保障費の財源は経済成長によるパイの増大で。低所得者にベイシックインカム

「100年安心福祉国家」のブランドを確立し、

国民を豊かにする日本へ

巨額借金

PB黒字化目標未達。

現在、負債対GDP比は237

PB黒字化は国民の富を収奪すること。負債対GDP比に目標を移行

負債対GDP比、30年後150%程度に。心配無用

巨額借金次世代負担。

公共投資

緊縮財政で、予算を削減してきた。

経済衰退の元凶

災害対策、国土強靭化、インフラ整備を積極的にする

巨大化する災害から人命を守る。企業の設備投資を誘引する

技術投資

技術投資の削減で、技術後進国に。

基礎、先端技術投資拡大。大学研究費補助増

技術立国の復活。

ノーベル賞受賞者増加

人材投資

人材開発・育成の投資が全く不十分

官民ともに、大胆な人材投資

人材こそ日本の資源。

生産力、供給力拡大可

少子化

貧困化により、結婚できない、子どもを持たない若者が増加

賃上げをためらう企業にノルマを課す。

最低賃金を1500円に

手厚い子育て支援とともに、若者の将来不安を払拭し、出生率増へ

高齢化

高齢化率27.7%(2017年)

健康寿命を延ばし、希望すれば働ける環境

高齢者は厄介者ではなく、福祉需要のお客様。

人口減少

2030年の人口は1.06億人と推定。2千万人減少。

少子化対策や、経済成長戦略が成功すれば、減少幅は抑えられる。

人口減少≠経済衰退。

人口減少は逆に人を育て、人を活かす好機。

移民停止

4月の改正入管法施行で、5年間に34.5万人の移民受け入

働き盛りで定職のない人や高齢者に働く場を用意。

人手不足は、投資による一人当たりの生産性向上で解決すべきもの。

デフレとインフレ

緊縮派は、デフレの最中にインフレの心配をしすぎている。

デフレ期には、積極財政出動、減税。インフレ期には財政圧縮、増税。

失政で日本だけが長期ゼロ成長であった。正しい政策で平和福祉大国へ

(注1 社会保障給付費116.9兆円の内訳:年金54.4、医療38.4、その他の福祉24.1.

 

2.まとめ(筆者の意見)

 

①子供が何人ほしいかのアンケートで、0人8%、1人14%、2人55%・・という回答があった。実質賃金低下で、子どもを持ちたくても持てない実態の改善が必要。東京一極集中も少子化の一因である。

 

②現行の年金賦課方式で、2040年には高齢者一人を現役1.5人で支えるという説がある。これは日本経済衰退論に基づく誤った説である。3%成長を前提に、公費負担力強化や人口増加策で改善可。

 

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日本再生⑦ 日本社会の再生② 人材開発投資 [平和外交]

 前回に引き続き、少子高齢化で成熟したとされる日本社会を「100年安心福祉国家」に作り替える方途を考えてみよう。

 

1.少子化対策

①若者が結婚できる社会を取り戻そう

日本の企業は、450兆もの内部留保を蓄えているにもかかわらず、 弱い立場の労働者の賃金を意識的、無意識的に抑制してきた。図は、ピーク時から20%も下がってしまった日本の実質賃金の惨状である。

少子化の原因の一つは、貧困化により結婚できない若者が増えているからである。

若者世代の実質賃金を上げるには、企業の労働分配率を高める必要がある。そこで、「労働分配率公表制度」を採用し、毎年、企業名を新聞に発表し、業種別にも比較できるようにして、是正を促すのが良いと思う。

 

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②最低賃金を大胆に、全国一律1500円に引き上げよう

 中小サービス業などの経営が苦しくなるが、AIなどの活用による生産性向上で乗り越えよう。また、サービスの価値に見合う値上げを受け入れるよう、消費者に訴えるキャンペーンが有効である。

 

③手厚い子育て支援を実行しよう

調査によると、現在待機児童は7894人もいるという。20年度末待機児童ゼロの政府目標は達成できそうもない。保育の無償化が10月から実施されるのは朗報であるが、この際、待機児童を出さないよう保育施設の拡充が真っ先に必要である。

また、保育士の待遇は月10万円も低いと言われている。保育士不足を解消するため、思い切った待遇改善が必須である。

 

2.移民受け入れ政策の見直し

 4月から経団連の要望に沿って改正入管法が施行された。「特定技能」の新設で、向こう5年間に34.5万人の外国人労働者を受け入れるという。現在の在留外国人と合わせると、移民300万人時代がすぐそこである。

 移民は低賃金労働の温床であり、実質賃金を押し下げ国民を貧困化させる元凶である。人手不足は、投資による一人当たりの生産性向上で解決すべきもの。日本には、働き盛りで定職のない人が500万人(うち100万人はひきこもり)というデータがある。移民はやめて、こういう人たちを労働市場に迎え入れ、気持ちよく働いてもらう施策が望まれる。

 

3.東京一極集中の是正と「地方」と「人」の創生

 東京一極集中の問題点は、自然災害に弱い、出生率が低下、地価・物価高騰・生活環境の悪化になり、地方の過疎化は、生活環境の悪化、雇用環境の悪化、限界集落化につながる。

地方創生策としては、地方のことは「地方」に権限付与、政府機能の地方移転、企業の工場などの移転、大学の地方分散などがある。緊縮政策にとらわれず、大胆な投資で、「人」を活かそう。

 

4.まとめ(筆者の意見)

 

①保育の無償化は良いが、案の定、待機児童が出そう。無償の対象から外れる家庭の不平等感を救済せよ。

 

②北欧の福祉国家、スエーデンは、移民に依存して犯罪大国になった。日本はスエーデンの轍を踏まず、投資と生産性向上で、人口減少に立ち向かい、東の平和福祉大国になろう。

 

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日本再生⑥ 日本社会の再生① 財源問題 [平和外交]

 前回は、行き過ぎたグローバリズムと構造改革路線を転換し、緊縮政策を克服して、日本経済を再生する方策を検討した。今回は、少子高齢化で成熟したとされる日本社会を「100年安心福祉国家」に作り替える方途を考えてみよう。


1.「100年安心福祉国家」の財源確保


 前回述べた、デフレ期の反緊縮政策による経済再生策を再確認したうえで、「100年安心福祉国家」のための財源問題を考えてみよう。


①抜け穴をふさいで、大企業の法人税10.5兆円増


 日本の名目法人税率は23.4%であるが、「研究開発費減税」や「外国子会社配当金の益金不参入」などの巨大な抜け穴があって、大企業の実効税率は12.5%(2017年度)となっている。これを是正すれば10兆円程度の財源が生まれる(下表の法人税収増参照)。


年度

経常利益

実効税率

法人税額

23.4%の税額

税収増

2015

80.9兆円

13.3 %

10.8兆円

18.9兆円

8.1兆円

2017

96.3

12.5

12.0

22.5

10.5


②国際的な法人税引き下げ競争の防止


税逃れを狙って海外に逃げる企業がある一方、逆に企業誘致の狙いもあって、世界的に法人税引き下げ競争が起きている。そのため、各国とも財政悪化に苦しんでいるのが現状である。


国連に問題提起して、法人税の下限を規制するなど、地球規模の問題解決をはかる必要がある。


③租税回避の防止(タックスヘイブン対策)


租税回避をたくらむブラック企業や富裕層が、軽課税国に資産や事業を移す動きが絶えない。最近もパナマ文書が漏洩して、租税回避や、資金洗浄の不正摘発が続いている。


日本ではタックスヘイブン対策税制として、外国子会社合算税制があるが、もう一段徹底する必要がある。


前項と同様、国際的な規制の仕組みが必要で、日本が主導し、消費者や地域社会の利害を代弁するPKO /NGOに呼び掛けて、ブラック企業に対するボイコット運動を展開するのも有効である。


④ディジタル課税の採用


GAFAをはじめとする多国籍IT企業は、低課税国に利益を移す税逃れの手法で暴利をむさぼっている。最近、フランスがこれらのIT企業に「ディジタル課税」を課すと決め、米国との間で論争が生じている。


根本的には、多国籍企業に対する徴税権を国連に付与し、徴税額を寄与度に応じて各国に分配する制度の採用が望ましい。それには、国連の機能強化が必要である。


筆者が提案している世界には、この徴税権を上手に組み込むことができると思う。


⑤反・緊縮の「長期投資計画」によるの税収増


 前回の当ブログで述べた、10年間、年15.2兆円、20年間で総額219兆円の投資計画を、大胆に実行すれば、経済成長5%、物価上昇2%の成長経済を実現し、20年後、GDPは一千兆円に届く。また、下表で20年間の税収累計は1658兆円で、緊縮継続の場合に比べて、累計540兆円の税収増になる。


年度(20年間)

2019

2024

2029

2034

2039

備考

実質GDP(兆円)

554.8

553.5

567.9

582.7

594.3

IMF推計の日本のGDP

3%成長の実質GDP

554.8

643.0

746.0

864.0

1002.0

投資増から筆者推計

3%成長の税収見込

59.9

69.0

81.0

93.0

108.0

GDP10.8%を適用  


2.日本社会再生のための人材開発投資(詳細後述)


3.まとめ(筆者の意見)


「老後資金2000万円不足」問題にしても、緊縮政策という大間違いを是正せずに、衰退した日本を前提に、国会で揚げ足取りの議論をするのは壮大な無駄である。


②税逃れのための企業の海外移転防止策を前提に、将来、法人税の税率を現行の23.2%から、累進課税に漸次移行することで、もっと大きな税収増も可能。

 

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日本再生⑤ 日本経済再生の処方箋 [平和外交]

 「日本再生」のカギは経済成長である。少子高齢化社会では経済成長は望めないと説く学者や政財界人が多いが、経済を知らないと告白しているようなものである。

今回は、新自由主義に基づくグローバリズムと構造改革路線を転換し、緊縮政策を克服して、日本経済を再生する方策を考えてみよう。

 

1.緊縮政策を脱して長期投資計画を発表しよう

 政府は、2020年から10年間、年15.2兆円、20年間で総額219兆円の投資計画を発表しよう。そして、物価2%上昇、GDP実質5%成長を実現しよう。

政府が緊縮政策の呪縛を脱して、長期にわたる投資態度を鮮明にすると、民間企業は安心して、自社の設備投資、技術開発投資、人材開発投資を実施できる。これによって、日本は完全にデフレを脱却し、企業は一人当たりの生産性向上を実現して、経済成長体質を取り戻すことができると思う。

 

表は、政府の年間投資額、投資継続年数投資案件の内容(提案)である。藤井聡著「令和日本再生計画」を参考に筆者が作成した。

 

投資額

年数

投資案件(幅の長さは継続年数)

5兆円

15

巨大災害対策

 

20

インフラ整備(改修含む)

10

資源・エネルギー調達

 

 

 

 

 

 

10

食料自給率向上

10

安全保障

.

10

SOCIETY5.0(物流基盤整備)

.

10

技術立国復活

.

10

観光産業基盤(港湾含む)

.

20

交通網整備(都市と地方、地方と地方)

         

 注)投資乗数(ケインズ理論):1単位の投資が何単位の所得を生み出すかを示す倍数のこと。投資先によって異なるが、2倍、3倍は期待できると思う。

 

2.反・グローバリズムの動きを加速しよう

 自由貿易は必要ではあるが、移民の増加などのグローバル化の行き過ぎで、国民の間に分断が生じ、「米国第一」のトランプ大統領出現、英国EU離脱、フランスの黄色いベスト運動などの反・グローバリズムの動きが起きている。

 

日本では、「令和ピボット」のような運動が始まった。経世済民の精神を放棄し、緊縮財政と「小さな政府」に固執し、日本を長期低迷に導いた現政権に対し、「反・緊縮」、「反・グローバリズム」、「反・構造改革」へと政策の転換(ピボット)を促す国民運動である。政治を動かす力を倍加しよう。

 

3.日本を売り渡す、構造改革に反対し、日本を取り戻そう

 行き過ぎたグローバリズムは、国民の命を守るべき「国民国家」の働きを損なってしまうものである。現に、移民法、種子法、水道法、IR推進法、漁業法など、安倍政権は、ろくな審議もせずに法改正を行った。米国などからの圧力に屈したとはいえ、国際金融資本に日本を売り払ったに等しい。

法改正の内容をもう一度見直して、過当競争を回避し、適正な賃金を払い、適正な価格で取引できる、経済環境を取り戻そう。

 

4.まとめ(筆者の意見)

 

①グローバリズムの対極は国民国家主義である。ゆるやかな規制(保護)と連帯による、横のナショナリズムが機能する国民国家が、平和で住み良い国家である思う。

 

②行き過ぎたグローバリズムは良くないが、インターナショナリズム(国際主義)は大事である。国際主議の尊重が、アジア地域連合から世界共同体につながってゆくと思う。かつての「国際連盟脱退」などという、ドツボに嵌る、悪夢の孤立状況を作ってはいけない。


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日本再生④ 構造改革路線の罪 [平和外交]

 「日本再生」のカギは経済成長である。少子高齢化社会では経済成長は望めないと説く学者や政財界人が多いが、経済を知らないと告白しているようなものである。今回は、新自由主義に基づくグローバリズムと構造改革路線により、日本経済がいかに蝕まれてきたかを論じてみよう。

 

1.グローバリズムの三態様(緊縮財政規制緩和自由貿易

経済のグローバリズムは、「モノ」「サービス」「ヒト」「カネ」が国境を越えて自由に移動の自由すること。政府による産業保護、経済活動の規制が非効率の源泉であり、正義に反するとして、「小さい政府」・「規制緩和」、さらには「国境の廃止」を指向する。

「小さい政府」は緊縮財政と親和性が高く、所得の中間層を減少させ、貧困層の大量発生につながっている。

 

規制緩和」は産業保護をはぎ取って、競争を促進し、国際金融資本に門戸を開放し、自由貿易を促進することになる。

これが過当競争を生み、国内産業を疲弊させ、勝者と敗者の経済格差を拡大させる。最後の勝者は国際金融資本だけという事態を招く。現に、アメリカなどの帝国主義国家が、軍産複合体や多国籍企業を操って、世界の富を吸い上げる戦略を実行している。

 

2.グローバリズムの長短

下記の通り、グローバリズムにはメリットがあるが、それ以上にデメリットが容認できないほど大きくなっている。

 

メリット

自由貿易、国際分業による生産コスト低下、生産性の向上、

技術や文化の発展

デメリット

産業の空洞化、企業の海外移転、

雇用の喪失(日本は生産年齢人口減で、幸い人手不足)、

所得格差拡大、国民の分断、文化の衝突(地方衰退、伝統の消滅)

 

3.日本の新自由主義と構造改革の経緯

新自由主義は、競争志向の市場原理主義に基づいた、グローバルな資本主義経済体制で、小さな政府を指向する。米のレーガン大統領が採用したレーガノミックスが始まりで、日本では中曽根康弘、小泉純一郎が追随した。

 小泉純一郎元首相が「構造改革」の名のもとに、「小さな政府」、「官から民へ」、「中央から地方へ」などのキャッチフレーズを唱え、既得権の排除や規制緩和により、道路公団や郵政の民営化を断行し、経済再生を目指したが、結果は惨憺たるものになっている。

 

「構造改革」の弊害として、国民生活の格差拡大、行き過ぎた市場・競争原理による拝金主義の台頭、社会保障での弱者切り捨てなどが起きた。今、「構造改革」への批判が高まり、見直しの動きが出ている。

 

4.日本経済再生の処方箋(詳細後述)

 

5.まとめ(筆者の意見)

2017年に世界で新たに生み出された富の82%を世界の最も豊かな1%の人が手にした。一方、世界の貧しい半分の37億人が手にした富は1%未満。(オックスファム報告書)

ゴーン元会長みたいに、欲望を制御できない人間ばかりだ。

 

②安倍首相は国会で「富裕層の税金を上げるなんて馬鹿げた政策だ」と発言。何たることか。

 

③年金2000万円問題で、安倍首相「金融庁は大バカ者だ」、麻生財務相「報告書は受け取らない」。

都合の悪いことは、なかったことにし、「民は知らしむべからず」か。

 

④トランプ大統領は、片務的だとして、「日米同盟破棄」に言及。

 幸いなるかな。日本は自立し、「アジアは一つ」を実現する絶好のチャンス到来だ。

 

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日本再生③ 緊縮財政政策の罪 [平和外交]

 「日本再生」のカギは経済成長である。少子高齢化社会では経済成長は望めないと説く学者や政財界人が多いが、経済を知らないと告白しているようなものである。日本経済衰退の現状とその原因を探ってみよう。

 

1.デフレ対策を誤って、衰退した日本

 

図は名目GDPの推移である。1996年~2015年までの20年間、米国は2.5倍、中国は10倍以上になったが、日本はマイナス成長である。もしも日本が米国並みの成長を遂げていれば、現在の名目GDPは、円換算で1000兆円を優に超え、社会保障の財源問題などは生じなかった。

名目GDPの推移.png 

 

20年間何をしてきたのか?橋本内閣以降、デフレにもかかわらず、財政再建一辺倒。リーマンショックや消費税増税でマイナス成長になると、小出しの財政出動を繰り返してきた。

 デフレ時に、正しく積極財政を採用していれば、GDPで中国に抜かれず、世界2位を維持できたはず。まさに失われた20年である。

 

2.緊縮財政政策の罪

 

図は、OECD加盟33か国における、年平均財政支出伸び率と、年平均GDP成長率の相関図である。財政支出伸び率とGDP成長率はほぼ比例しており、相関関係は非常に高い。

 日本の「緊縮財政・ゼロ成長」が大変に痛々しい。原因は、少子高齢化ではなく、政府の緊縮財政政策と構造改革路線の誤りである。

GDP成長率と財政支出伸び率の相関.png

 

3.日本経済再生と構造改革路線の罪(次回詳述)


4.まとめ(筆者提案)

 

①黒田日銀総裁に代表されるリフレ派は、金融をじゃぶじゃぶにすれば、金利が低下し、経済が活性化して、物価が上昇すると主張するが、間違いである。積極財政政策との併用が必須だった。

 

②日本の人口減少は年0.15%程度。人口がもっと大きく減少している国が、ジョージアなど十数か国あるが、経済は成長している。ゼロ成長を人口減少の精にはできない。

  

③日本は生産年齢人口が減少して、確かに人手不足である。人手不足は世界的に稀で、実はチャンスである。政府の投資が先導し、民間の投資が追従する、一人当たり生産性向上で解決するのが良策。

 

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日本再生② 財政破綻論のウソ [平和外交]

「日本再生」のカギは経済成長である。少子高齢化社会では経済成長は望めないと説く学者や政財界人が多いが、経済を知らないと告白しているようなものである。日本再生論を、まず、経済財政政策から始めよう。

 

1.「国の借金1000億円」はウソ

 国の長期債務残高は、2017年度末で893兆円。地方自治体のそれを含めると1087兆円となっている。国の借金が1000兆円になるのは時間の問題だが、脅威をあおるのは間違っている。

下表のように、貸借対照表でみると資産と負債を相殺して、純負債は492兆円となり見え方が変わってくる。政府と、子会社である日銀を連結した統合政府で見れば、なおさらである。

 

 2017年度末 国の貸借対照表(要約版)

資産の部

金額(兆円)

負債の部

金額(兆円)

資産合計

1001

負債合計

1493

純負債

492

(うち公債)

(893)

資産+純負債の合計

1493

負債合計

1493

 

2.「日本の財政は破綻する」はウソ

「自国通貨建て国債を発行できる政府は破綻しない」は、今や常識になっている(下表参照)。MMT理論(現代貨幣理論)が主張するように、日本は、財政累積赤字を気にせず、積極的に財政出動してよいということである。

 

財政破綻論の間違った理屈

正しい常識

景気が良くなると金利が上昇し、利息で借金が膨らみ、返済できなくなって破綻する。

景気が良くなり金利が上昇することは悪くない。GDPも税収も増える。

国債の利息が増えても、資産から得られる利息もあり、影響は軽微。

借金をして需要を増やすと、供給が追い付かず、ハイパーインフレになる。

敗戦で焦土となり、軽度のインフレが起きたことがあるが、デフレ下の日本ではハイパーインフレの心配はない。

 

3.デフレを放置する害悪

 財政政策の目的は、デフレを脱却して、経済を健全化することである。だから、デフレ下で、財政の健全化を志向するのは、悪である。デフ対策とインフレ対策は真逆なのである。

 財政収支-民間収支+(輸出-輸入)=0 という等式がある。簡単のため、貿易収支を除外すると、財政赤字=民間貯蓄の黒字と言い換えることができる。

 反・緊縮政策で、積極的に財政出動すると、その財政赤字分だけ、民間の貯蓄(所得)が増加し、経済成長につながる。間違った緊縮政策で、長期にわたる経済の低迷をもたらした政府の責任は重い。

 

4.日本経済を成長軌道に乗せる処方箋 (次回詳述)

 

5.まとめ(筆者提案)

 

①財務省は、財政赤字を嫌い、PB黒字化に固執している。黒字化に努力する役人が出世する風土があるようだ。財政法4条(赤字国債を認めない)の規定に縛られているせいではないか。法改正が必要。

 

②消費税増税はやめるべきだ。2014年の8%増税時と同様、デフレが深刻になる。安易な軽減税率採用などの対策では救えないと思う。

 

③アベノミクスは異次元金融緩和で、円安、株高をもたらしたのは良いが、弊害も多く金融政策だけでは手詰まりである。積極的な財政政策が待たれる。

 

2~3%の物価上昇(適度なインフレ)、3~5%の経済成長を5年続ければ、日本は復活する。

 

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日本再生① 政治・経済・社会の再生総論 [平和外交]

 世界共同体と、世界政府や地域連合の在り方を、17回にわたって述べてきた。今回は、日本国内に目を転じて「日本再生」の戦略を考えてみよう。下図は、前回掲示した「未来の明り連関図」の一部。

 

日本再生連関図.jpg

 

 

1.日本経済の再生 (詳細は後述)

 政府と財務省の誤った経済財政政策のおかげで、日本は失われた30年とも言われる長期低迷に陥っている。正しい政策で緊縮財政の呪縛を脱していれば、日本のGDPは今の3倍になっていたはずである。

 デフレ期の緊縮財政は毒薬である。改元を契機に、デフレ脱却のための正しい政策を実行し、実質GDP3%程度の成長を達成して、国力を増強し、国民を豊かにしたい。

そうすれば、国際社会においてリーダーシップを発揮できる外交力を手にできる。

 

2.日本政治の再生 (詳細は後述)

 戦後74年、対米従属を続け、いわゆる「永続敗戦」状態の日本を、自主独立の国に変えるには、強力な政治・外交力が必要である。

 また、行政の透明化や、国民の知る権利をどう守るかも重要課題である。

 

3.日本社会の再生 (詳細は後述)

 少子高齢化、災害対策、エネルギー改革など、日本社会の明るい将来を考えてみよう。

 

コラム1 反・緊縮を唱える個人と団体 (敬称略)

 財務省のプロパガンダを見破り、反・緊縮政策を唱える、主な個人と団体を紹介しよう。

 

1.「令和ピボット」(政策集団) 発起人:三橋貴明、藤井聡、堤未果 

 経世済民の精神を放棄し、緊縮財政と「小さな政府」に固執し、日本を長期低迷に導いた現政権に対し、「反・緊縮」、「反・グローバリズム」、「反・構造改革」へと政策の転換(ピボット)を促す国民運動。

 20196月現在、呼びかけ人、20人、賛同者、17,800

2.「新」経世済民新聞」 所長:三橋貴明

3.「日本の未来を考える勉強会」 代表:衆議院議員・安藤裕 

4.「れいわ新選組」(新党) 代表:参議員議員、山本太郎

反緊縮、積極財政出動(インフレ率が2%になるまで)、消費税減税などを掲げて新党結成。

5.政治家:西田昌司、安藤裕、他

6.言論人:藤井聡、三橋貴明、中野剛志、青木泰樹、佐藤健志、他

 

コラム2 MMT理論(現代貨幣理論)

今年1月、米民主党議員・オカシオコルテス氏がMMT理論への支持を表明し、全米で論争が巻き起こった。ポイントは、「自国通貨建て国債を発行できる政府は破綻しない」、だから日本は、財政累積赤字を気にせず、積極的に財政出動してよいということである。

コラム1の人々は、MMTが出る前から反・緊縮、積極財政を唱えるいた。MMTは彼らには勇気を与えたが、財務省と御用学者には大変な試練を与えている。何十年も信じて採用したPB黒字化目標と緊縮財政政策が、全くの誤りで、30年間のゼロ成長の責任を問われているのだから。

 

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世界共同体⑰ 総まとめ(未来の明かり) [平和外交]

 世界共同体の創設にあたって、世界政府や地域連合の在り方を述べてきた。前回は、総まとめとして、現在の世界が抱えている問題の闇の部分を取り上げた。今回は、世界共同体の明るい未来図を描いてみよう。下図「 未来の明り 連関図 」参照

 

1.世界政府の在り方

 地域紛争の多発と難民流出などによる現世の闇を終わらせるのは、世界政府をおいてほかにはない。米一極支配や米中二極支配から、世界政府の一極支配に転換すべきである。

世界政府は多国間協調主義の理念を基礎にしている。特殊多数決などを用いた、透明で、正義に適った意思決定の仕組みが必須。官僚機構の腐敗防止も重要な課題である。

 

2.格差・分断社会の是正

 ()グローバリズムの政策を取り入れて、過度なグローバリズムの弊害を取り除こう。そうすれば、格差を縮小し、分断を協調に変えることができると思う。

 

3.新冷戦の解決

 新冷戦の争点は、中国による先端技術等の知的財産権の剽窃、補助金等の不公平貿易慣行などとなっている。解決策としては、①先端技術について、地球規模の取引市場の創設、②次世代通信の世界統一規格の設定などが考えられる。

 

4.核兵器等の軍備縮小

 核保有国の核兵器の半分を、世界政府に有償で移管しよう。世界政府が大きな核の傘の提供者として定着してきたら、核軍縮を、少しずつ計画的に実行する土壌ができると思う。

 ミサイルや宇宙兵器については、世界政府直轄の管理委員会を作って、削減策を講じよう。

 

5.フェイク・プロパガンダの統制

 フェイクやプロパガンダの害を制御するため、適切な管理組織を設置して対処しよう。

 

6.日本再生戦略

 日本は、生産性向上と先端技術開発のための投資が全く不足している。財政破綻論は財務省の嘘なので、第四次産業革命を目指して積極財政に転換しよう。消費税は5%に戻そう。

 

未来の明り連関図.jpg

 

 

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世界共同体⑯ 総まとめ(現世の闇) [平和外交]

 世界共同体の創設にあたって、世界政府や地域連合の在り方を述べてきた。今回は、総まとめとして、現在の世界が抱えている問題の闇の部分を取り上げてみよう。世界政府のあるべき姿が見えてくるのではないだろうか。下図「 現世の闇 連関図 」参照

 

1.地域紛争の多発と難民流出

核兵器等の発達で、大国同士の戦争はできない時代だが、代理戦争などの地域紛争は後を絶たない。これらが、難民流出の原因となって、今、「現世の闇」を生み出している。

 難民高等弁務官事務所の発表によると、難民の累計は6800万人を超えて増え続けており、しかも半数が子供だという。

 

2.大国の横暴による貧困層の増大と社会の分断

 冷戦終結後、米一極支配が続き、ネオコン主導のグローバリズムが世界を席巻し、まさに、「今だけ、カネだけ、自分だけ」の世界になっている。また、石油利権や機軸通貨ドル防衛をめぐって様々な策謀が行われ、社会の分断を生み出している。トランプ大統領の思い付きツイッター外交も世界の不安定要因となっている。

 

3.新冷戦とブロック経済化の恐れ

 「社会主義現代化強国」を目指す中国の大国化に危機感を持った米国が、不公正貿易や技術覇権をめぐって貿易戦争を仕掛けている。まさに新冷戦の勃発である。中国主導の「一帯一路」に参加する国々と、米国に追随する国々の間で、ブロック経済化が進み、90年前の世界大不況の再来となる恐れがある。

 

4.軍拡競争と悪魔の兵器

 小型核兵器、極超音速ミサイル、宇宙兵器などの開発競争が活発で、地球の破滅が危惧される。

 

5.フェイク・プロパガンダ

 通信技術の進歩があだになり、悪宣伝、盗聴、謀略など、悪事の歯止めが効かなくなっている。

 

6.衰退する日本

 政府と財務省の誤った経済財政政策のおかげで、日本は失われた30年とも言われる長期低迷に陥っている。正しい政策で緊縮財政の呪縛を脱していれば、日本のGDPは今の3倍になっていたはずである。折角の日本の潜在能力が活かされていないのは残念である。

 

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世界共同体⑮ まとめ(軍事の課題) [平和外交]

 世界共同体の創設にあたって、世界政府や地域連合の在り方を述べてきた。今回は、世界政府の実力組織である地球防衛軍(仮称)や地域連合軍の役割について、まとめをしてみよう。

 

1. 地域連合軍の役割

アジア、米州、欧州の各地域に地域連合軍を置き、地域の防衛を担うほか、地球防衛軍に一定数の精鋭を派遣する。地域防衛の具体的な役割は下記の通りである。

 

(1)国や地域の紛争の調停、予防

 地域連合に所属する国や地域において、発生し、あるいは発生しそうな紛争の調停、停戦協定の斡旋、停戦協定順守状況の監視、NGOの保護などを行う。

(2)難民予防

 難民発生原因の除去、難民流出阻止、難民申請手続きの監視、NGOの保護などを行う。

難民高等弁務官事務所の発表によると、難民の累計は6800万人を超えて増え続けており、しかも半数が子供だという。費用は善意の寄付に頼っているのが現状で、今後、十分な予算措置が必要である。

(3)内政不干渉

 地域連合に所属する国は国民国家である。国民国家は、国民が、「人として自分らしく生きる」権利を保障する機関として存在意義がある。このような国民国家に、上から内政干渉してはならない。

 

2.地球防衛軍の役割

世界共同体の軍事に関しては、現在の国連軍を改編して地球防衛軍と改名し、世界の紛争を鎮める役割を担う。防衛を目的とする警察のような軍隊だから、少数精鋭で、少ない軍事費で済み、部族やISによる紛争を未然に防止して、世界の平和を保持する。

 

(1)地域連合軍の役割の補完

各地域の連合軍の役割を補完し、地域連合をまたがる紛争については調停、予防の任に当たる。

(2)核軍縮の推進

 国連に、「核安全保障機構」(仮称)を創設し、核保有国を機構に取り込んで、核の一元管理を図ろう。核の傘の上に、大きな核の傘を被せることで、地球規模の核抑止、戦争抑止の体制ができると思う。

世界政府が、核兵器による安全保障の推進者、管理人、執行者となって、核保有国の核兵器の査察、監視を実行することになる。この大きな核の傘が機能するようになれば、核兵器の全面的な廃絶が視野に入ってくると思う。危険な魔物を退治するには、斬新なアイデアが必要である。

(3)中距離核ミサイル全廃条約(INF)の再交渉

 最近米国が、ロシアの条約違反と中国の戦力保持を理由に、離脱を宣言した。米国は、離脱を考える前に、中国など関係国を広げて、条約の継続を協議するべきである。

(4)サイバー、宇宙空間に関わる兵器の統制

宇宙兵器開発競争が激化しているが、宇宙戦争は決して見たくない。世界政府を作って、早急に宇宙兵器禁止条約をまとめよう。

(5)フェイク・プロパガンダの統制

 フェイクニュースは、「国民の知る権利」を害し、誤った方向に導く元凶。ITを活用して根絶しよう。

 

3.まとめ(筆者提案)

 

①核先制不使用に賛成する核保有国を増やす運動をしよう。核軍縮、核廃絶への近道である。中国は賛成している。また、機能不全に陥っている国連の活性化策を考えよう。

 

②非核兵器地帯条約の締約国は現在、6地域、116か国である。非核兵器地帯の面積を増加する国際的な運動を展開しよう。

 

核兵器禁止条約に日本は棄権したが、核拡大抑止力は幻想である。世界唯一の被爆国として、核兵器の非人道性を最も知る国として、条約を率先推進しよう。

 

④核廃絶の取り組みに消極的な保有国に対し、不買運動含む市民運動を展開しよう。

 

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世界共同体⑭ まとめ(経済の課題) [平和外交]

  世界共同体の創設にあたって、アジア連合各国の経済連携が重要である。当ブログの、世界共同体・経済連携①~⑥で述べた内容をまとめて見よう。

 


1.日米同盟の見直しを表明する


日本は、過去70年間、何回かあった日米同盟見直しのチャンスを逃してきた。安倍政権は、日米同盟に縋りついているが、同盟が完全に機能する保証はない。


この辺で、戦略を練り、勇気を振り絞って、日米同盟見直しの働きかけをすべきである。近隣諸国の、日本を見る目ががらりと変わる。日本が生まれ変わる契機になると思う。


ただし、アメリカと敵対するのではない。困難に直面する米中関係の仲立ちをすると宣言し、アジアにより強くコミットする日本を認めさせるのである。


2.日中経済連携戦略の考え方


(1)向こう三軒両隣の精神を取り戻そう


「遠い親戚より近くの他人」は真理。近いゆえに紛争の種が多く、友好には、何倍も努力が必要だが、努力の甲斐はある。民族の欠点をあげつらっても、得るものはない。


中国にも強権的な人ばかりではなく、多様な、優れた人材が多い。味方を敵に変えるのは愚の骨頂である。ヘイトスピーチはやめて、違いを認め、尊重し合うための対話をすべきである。


(2)嫌中という小児病を克服しよう


学者や言論人にも、嫌中派は多い。下に見ていた中国が、強大になり、蔑視と羨望の感情に揺れる気持ちはわかるが、克服する大人の対応が望まれる。人を変えるには、まず、自分が変わることだ。


(3)日中経済連携は戦争を防ぐ


 安全保障にとっては、抑止と安心供与が車の両輪である。抑止力(軍備強化)偏重は金食い虫で、非効率である。経済連携は安心供与の優れた手段で、互いに儲けながら戦争を防ぐことができる。


利益を分かち合う心さえあれば、ウィンウィンの関係、すなわち戦略的互恵関係を構築できると思う。


3.日中経済連携の具体策


(1)安倍首相は南京慰霊訪問しよう。南京虐殺30万人説は信じないが、慰霊訪問すれば、安倍首相と日本への見方ががらりと変わる。


(2)中国主導の「一帯一路」構想と、AIIB中国主導のアジアインフラ投資銀行)に参加を表明する。


(3)日米が主導する「自由で開かれたインド太平洋」戦略は、中国をけん制する意図が込められている。この際、この戦略と中国主導の「一帯一路」を統合するという、大きい絵を描こう。


(4)東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への関与を強め、締結に向かってリーダーシップを発揮しよう。


(5)アジア地域連合(共同体)のキックオフを中国に向かって宣言する。


 ここまでくれば、アジア地域連合(共同体)の創設は、半ば達成である。


5.まとめ(筆者コメント)


①中国崩壊論が良く聞かれる。中国崩壊待望論というべきかもしれないが、品性が透けて見える。ここは、向こう三軒両隣の精神で、おせっかいを焼くべきではないか。虎穴に入って、大きな虎児を調教するくらいの気概を持とう。


②新冷戦の勃発で、中国は日本に秋波を送っている。今がアジアを一つにするチャンスである。間違っても、米日対中露が敵対する、一触即発の大冷戦の構図を作ってはいけない。


③「中国はすぐに崩壊する」、「日本は属国にされてしまう」、「政治体制が異なる国同士は交われない」、などの小児病的な俗論がはびこっているが、全くナンセンスである。


④日本は一人当たり労働生産性が先進国の中で最低であり、労働生産性向上が日本浮揚の鍵である。間違った緊縮財政政策をやめ、国土強靭化、人材開発、技術開発などの投資を大胆にやれば、日本は、年5%程度、経済成長できる力がある。経済力は外交力に欠かせない。


 

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世界共同体⑬ まとめ(政治の課題) [平和外交]

1.世界共同体の理念と構成

 

(1)世界共同体の理念

政治の究極の目的は、「人が自分らしく生きる」ためのお膳立てである。ところが現実は、敵を探してバランス・オブ・パワーで凌ごうとする強権政治が、いま氾濫していて、それが軍拡競争を招き、世界平和にとって脅威となっている。世界共同体は、そのような脅威を乗り越えて、共存共栄の精神で平和を創造する、国際協調の枠組みである。

 

(2)世界共同体の求心力

世界共同体創設の動機となるものは、自由貿易の推進、地域連合(地域共同体)の平和共存、各国国民の人権擁護、核兵器廃絶、地球環境保全である。 

 

(3)世界共同体の構成

国連に、世界政府機能を付加して、恒久的な世界平和を実現する仕組みを作ろう。国連行政府は世界政府、国連行政委員長は世界政府の大統領である。

現在の安全保障理事会は平和創造理事会と改名し、地球防衛軍ともに、世界平和を担う機関とする。



2.世界政府の在り方

アジア、EU、米州などの地域連合の上に、これらを管理するための、世界政府機能を創設する。世界政府、世界行政府、世界政府議会などに必要な諸機能を新しくデザインしよう。国連組織のうち、使えるものは組み込んで利用するという発想が必要である。

世界憲法は重要で、国連憲章をなぞるだけでは不十分である。世界政府に必要な機能を新しく想定し、それをもとに草案を作ろう。お手本はたくさんある。

ジャック・アタリ氏が提案する世界共同体構想は良いが、安保理の拒否権を温存する案には賛成しかねる。EUが採用する「特殊多数決方式」を意思決定に取り入れるなどの工夫が必要である。

 

3.アジア連合(アジア共同体)構築の条件

 

(1)歴史修正主義の清算

安倍首相は、過去に、「侵略の定義は定まっていない」、「植民地で良いこともした」などの発言があった。地球俯瞰外交を自慢するが、衣の下に鎧を隠すような態度では、東アジアでは、外交をさせてもらえない。安倍首相にとって、歴史清算の象徴的な行動は、南京慰霊訪問である。南京を弔問するだけで、中国はもちろん、アジアの人々の態度がガラッと変わると思う。

 

(2)近隣外交の改善

 米中貿易戦争の影響もあって、最近は、日中雪解けムードの気配が感じられるようになった。この機に乗じて、下記施策を実行し、一気に、アジア共同体構築のキックオフに持ち込もう。

●中国の「一帯一路」構想に参加表明 

AIIBアジアインフラ投資銀行)加入の表明

 

ここまで信頼醸成ができてくれば、日本の憲法九条2項(戦力不保持、交戦権否認)を削除する憲法改正の条件が整う。九条1項(戦争放棄)さえ堅持すれば、国民からも、アジア各国からも、九条2項削除の賛同は得られると思う。

 

(3)アメリカの説得

アメリカに敵対するのではない。日本の、東アジアの平和構築に向けた行動に対し、アメリカに見守ってくれるよう要請するのである。アメリカの、心ある要人への根回しが必須である。

 

4.まとめ(筆者コメント)

 

①中国を仮想敵とせず、共同体に本気で取り組めば、歴史認識や靖国問題などは、霧消すると思う。

 

②謝罪談話は、村山、河野、小泉、安倍など何回も繰り返されている。日本は、アメリカに従属し、アジアで、自ら「よそ者」に身をやつしているせいだ。別の道がある。

 

③日米同盟は敵を作り出している。軍事同盟強化は、仮想敵の軍備を強化させ、敵対関係を増強する悪循環に陥るもので、賢明な選択とは言えない。

 

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世界共同体⑫ 地球防衛軍と地域連合軍 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。

前回まで、世界共同体の創設にあたって、世界政府や地域連合の在り方を述べてきた。今回は、世界政府の実力組織である地球防衛軍(仮称)について考えてみよう。

図は、世界共同体の概念図の一部である。

 

地域連合軍

米州連合軍

アジア連合軍

欧州連合軍

(NATO改組)

 

    ↑

     ↑

     ↑

地球防衛軍

国連軍を改組し、

アメリカ軍を中核として、各地域連合軍から精鋭が参加

 

1.地球防衛軍

世界共同体の軍事に関しては、現在の国連軍を改編して地球防衛軍と改名し、世界の紛争を鎮める役割を担う。

防衛を目的とする警察のような軍隊だから、少数精鋭で、少ない軍事費で済み、部族やISによる紛争を未然に防止して、世界の平和を保持する。

 

2.地域連合軍

アジア、米州、欧州の各地域に地域連合軍を置き、地域の防衛を担うほか、地球防衛軍に一定数の精鋭を派遣する。こちらも、地域防衛を目的とする警察のような軍隊だから、少数精鋭で済む。

 

3.自衛軍(国民国家の軍隊)

 世界共同体を構成する最小単位は国民国家である。国民国家には、自国防衛のための最小限度の軍隊が必要である。

 

4.混迷する地球を救おう 

 超大国の横暴や、民族紛争の激化で地球は危機に瀕している。戦争・紛争防止、テロ対策、海賊対策などが世界共同体の軍事面の課題になる。

 具体的には下記の通り。(詳細は当ブログの該当記事参照)

 

(1)覇権戦争による不安定化を終息させ、大国の火遊びを終わらせよう

   (新冷戦の脅威参照)

(2)核兵器は絶対悪である。廃絶に英知を結集しよう

   (核の傘の上に大きな傘参照)

(3)サイバー、宇宙空間の統制(悪魔が操る悪魔の兵器参照)

(4)独裁政権に起因する紛争予防(民主化の事例に学ぶ参照)

(5)宗教、民族紛争をどう解決するか(宗教対立の解決参照)

(6)フェイクプロパガンダ対処方(フェイクニュース参照)

 

5.コメント(筆者コメント)

 

①国民国家は、国民が、人として自分らしく生きる権利を保障する機関として重要である。グローバル化が行き過ぎて、国境をなくし、人々を地球市民とする構想は、統治上うまくゆかないと思う。

 

②人間は本来、物欲の権化であり、ウソつきであり、感情の奴隷である。個々人がそれを自制する力は、ゼロから100点迄、分布をしていると思う。企業も似たようなもの。だから、法の支配と透明性の確保が不可欠である。

 

③世界政府の官僚機構について、腐敗や横暴を防ぐため、公平性、公開性の原理に基づいた厳格なルールの適用が必要である。

 

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世界共同体⑪ 経済連携⑥ [平和外交]

 世界共同体の創設にあたって、アジア連合各国の経済連携が重要である。前回は、日中経済連携戦略について検討した。今回は、経済連携の輪を日本、中国からアジアに広げて、具体的な経済連携の枠組みについてみてみよう。


1.アジア太平洋の経済連携の枠組み

  アジア太平洋地域の政治課題と経済連携を模索する動きは下図のように要約できる。上段が政治課題、下段が経済連携を協議する機構である。

各機構の概要は次の通り。


 経済連携協定関連図.jpg

 2.東アジア首脳会議(EAS

ASEAN10か国+日中韓印豪NZ16か国の首脳が参加して、200512月に発足。エネルギー、金融、教育、感染症対策、防災などを主要テーマに、2年に一回開催することとなった。2011年から米ロも参加。

 

3.アジア太平洋経済協力(APEC

 1989年に、ASEANのうち6か国、韓国、日本、NZ、豪、米、カナダの計12か国で発足した経済協力機構。その後、中国、香港、台湾、メキシコ、ロシアなどを加えて21か国・地域となった。人口で40%以上、GDP60%弱、貿易額で50%弱の巨大な機構である。

 

4.自由で開かれたアジア太平洋戦略(FOIP)

 日本が提唱し、日米豪印が参加して、民主主義と法の支配を遵守し、二つの大洋における海洋秩序を守るという。中国をけん制する意図が込められている。

 

5.東アジア地域包括的経済連携(RCEP)

 ASEAN10か国+日中韓印豪NZ16か国が参加。2011年にASEANが提唱して始まった。

人口約34億人(世界の半分)、GDP20兆ドル(世界の3割)、貿易総額10兆ドル(世界の3割)を占める、互恵的な広域経済圏が出現する。

 交渉分野は、物品貿易、サービス貿易、金融サービスをはじめ、人の移動、投資、知財、電子取引など広範囲にわたっており、2019年交渉妥結を目指している。 

 

6.環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)

 太平洋を取り巻く国々で、自由で開かれた貿易を実現する協定である。米が離脱したため、現在、日本、カナダ、豪、NZ、メキシコ、ペルー、チリ、マレーシア、ベトナム、シンガポール、ブルネイの11か国で協定成立を目指している。関税が撤廃されて、日本の輸出が増える一方、農家が打撃を受ける可能性がある。また、中国を蚊帳の外に置こうとする意図が見える。

 

7.一帯一路(OBOR:OneBelt,OneRoad)

ユーラシア大陸の東と西を結ぶ「陸と海のシルクロード」と呼ばれる地域に、交通インフラ整備(高速鉄道の建設)などの大規模な投資を実施することによって、地域経済全体の底上げを図るというダイナミックな構想である。

周辺国との経済圏を構築し、友好関係を強めることがねらいだが、同時に、過剰投資に悩む中国国内産業の新たな市場開拓という帝国主義的な思惑も込められている。

 

8.まとめ(筆者コメント)

①RCEP,TPP,OBORは統合して、「アジア太平洋自由貿易連合」とし、平和の象徴にしよう。

②中国は、TPPが目指す自由で開かれた貿易には程遠いが、多国間協議の中で、一歩ずつ変わってくると思う。いや、変えなければならない。

 

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世界共同体⑩ 経済連携⑤ [平和外交]

 世界共同体の創設にあたって、アジア連合各国の経済連携が重要である。前回は、チャイナ・グローバリズムにどう向き合うか検討した。今回は、具体的な日中経済連携戦略について考えてみよう。

 

1.日中経済連携戦略の考え方

 

(1)向こう三軒両隣の精神を取り戻そう

「遠い親戚より近くの他人」は真理。近いゆえに紛争の種が多く、友好には、何倍も努力が必要だが、努力の甲斐はある。民族の欠点をあげつらっても、得るものはない。

中国にも強権的な人ばかりではなく、多様な、優れた人材が多い。味方を敵に変えるのは愚の骨頂である。ヘイトスピーチはやめて、違いを認め、尊重し合うための対話をすべきである。

 

(2)嫌中という小児病を克服しよう

学者や言論人にも、嫌中派は多い。対日敵対工作があったという多くの報道は、プロパガンダである。たとえ工作があったとしてもそれには原因がある。冷静に原因を取り除く対応が必要である。

下に見ていた中国が、強大になり、蔑視と羨望の感情に揺れる気持ちはわかるが、克服する大人の対応が望まれる。人を変えるには、まず、自分が変わることだ。

 

(3)日中経済連携は戦争を防ぐ

 安全保障にとっては、抑止と安心供与が車の両輪である。攻撃には反撃で倍返ししますよと宣言するのが抑止。法治、外交、民力などで暴力は抑制していますよと明示するのが安心供与。

抑止力(軍備強化)偏重は金食い虫で、非効率である。経済連携は安心供与の優れた手段で、互いに儲けながら戦争を防ぐことができる。

戦争ばかりしていた隣国同士の独仏が1952年の欧州石炭鉄鋼共同体加入を契機に友好関係を築いたのが好例である。利益を分かち合う心さえあれば、ウィンウィンの関係、すなわち戦略的互恵関係を構築できると思う。

 

2.日中経済連携の段取り

 

(1)安倍首相は南京慰霊訪問しよう

南京虐殺30万人説は信じないが、慰霊訪問すれば、安倍首相と日本への見方ががらりと変わる。

(2)中国の「一帯一路」構想に参加を表明する

日米で進める「自由で開かれたインド太平洋」に「一帯一路」を統合する、大きい絵を描こう。

(3)AIIB加入とADBとの連携強化を表明する

AIIB中国主導のアジアインフラ投資銀行、

ADBは日米主導のアジア開発銀行

(4)東アジア地域包括的経済連携(RCEP)への関与を強める(次回詳述

(5)アジア地域連合(共同体)のキックオフを中国に向かって宣言する

(6)日米同盟の見直しを表明する

日本は、過去70年間、何回かあった日米同盟見直しのチャンスを逃してきた。安倍政権は、日米同盟に縋りついているが、同盟が完全に機能する保証はない。

この辺で、戦略を練り、勇気を振り絞って、日米同盟見直しの働きかけをすべきである。近隣諸国の、日本を見る目ががらりと変わる。日本が生まれ変わる契機になると思う。

ただし、アメリカと敵対するのではない。困難に直面する米中関係の仲立ちをすると宣言し、アジアにより強くコミットする日本を認めさせるのである。

 

5.まとめ(筆者コメント)

 

①中国崩壊論が良く聞かれる。中国崩壊待望論というべきかもしれないが、品性が透けて見える。ここは、向こう三軒両隣の精神で、おせっかいを焼くべきではないか。虎穴に入って、大きな虎児を調教するくらいの気概を持とう。

 

②新冷戦の勃発で、中国は日本に秋波を送っている。今がアジアを一つにするチャンスである。間違っても、米日対中露が敵対する、一触即発の大冷戦の構図を作ってはいけない。地球が壊れる。


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世界共同体⑨ 経済連携④ [平和外交]

 世界共同体の創設にあたって、アジア連合各国の経済連携が重要である。前回は、安倍内閣の新自由主義に基づくグローバリズムの政策が、日本の未来にどのような害をもたらすか考えてみた。

今回は、チャイナ・グローバリズムにどう向き合うか検討しよう。

 

1.グローバリズムの態様

グローバリズムとは、「モノ」「サービス」「ヒト」「カネ」の国境を越えた移動の自由化を目指す主義で、国家の制御を縮小し、「小さい政府」、さらには「国境の廃止」を指向する。

現在、アメリカなどの帝国主義国家が、多国籍企業を操って、世界の富を吸い上げる戦略を実行している。

 

2.チャイナ・グローバリズムとは何か

チャイナの名を冠した中国のグローバリズムは、「中国製造2025」や「一帯一路」の名のもとに、中国共産党支配下の国有企業等が中心になって実行する覇権的な挑戦である。

輸出相手国には自由貿易を求め、自国市場は関税、補助金、規制で保護するという、言ってみればずるい戦略である。発展途上国ならいざ知らず、経済大国となった今の中国には認められない。

また、投資相手国の土地や企業を自由に購入し、技術移転を強要する。一方、自国では外国人の土地購入を認めていない。

 

外国に自国の労働者を大量に送り込み、相手国の雇用を奪うが、自国には移民を認めていない。すでに、日本にも、いくつかチャイナタウンができている。

スリランカ、マレーシア等では、インフラ整備を受託する事業で、単なる取引を超えて、現地国を借金漬けにし、植民地化のような扱いをする事例も発生している。

 

3.西側諸国の対応

アメリカは、第5世代(5G)移動通信整備事業の開発競争で脅威を感じ、情報漏洩や、先端技術、知的財産権の剽窃、補助金等の不公平貿易慣行を理由に、貿易戦争を仕掛けている。

20187月以降、米国は中国からの半導体、化学品など500億ドル分に25%の関税を発動した。9月には、さらに日用品など2000億ドル分に10%の関税を課すことにした。中国は直ちに報復関税を発表したが、持ち駒は多くない。

 

イタリアは3月、G7のメンバー国として初めて、巨大経済圏構想「一帯一路」に参画する覚書に署名した。中国の巨大市場を利用して、弱体化した国力を強化するつもりであろう。

ドイツとフランスは、一部の国が中国マネーに引き寄せられれば、EUの遠心力になりかねないと警戒している。

 

4.日本の対応

 米中新冷戦を契機に、中国の対日姿勢が変わってきている。日本はこれをチャンスととらえて、新機軸の対中外交を進めたい。覇権的な政策には是正を促し、経済連携すれば、日本の国益になる。

具体的な日中連携戦略については、次回に詳述する。

 

5.まとめ(筆者コメント)

 

①「中国製造2025」に対し、日本は遠くから邪魔をするのではなく、共同開発のパートナーの道を模索しよう。

 

②日本は、小泉政権時代に竹中平蔵氏が中心になって、新自由主義的グローバリズムを是とし、米国・軍産複合体のご機嫌を取り、国益を二の次にして規制緩和・構造改革を実行してきた。

 

③日本が外交力を発揮するには、疲弊した国力の増強が欠かせない。国力増強の処方箋参照)

 

コラム 「中国製造2025」につて

製造業の高度化を目指す中国の国家戦略。次世代情報技術や航空・宇宙など10の重点分野で、製造強国になる計画。2025年、35年、49年(建国100周年)の3段階で達成目標を決定。

米国は中国の技術覇権戦略とみて強く警戒、その阻止に懸命。

 

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世界共同体⑧ 経済連携③ [平和外交]

 世界共同体の創設を目指すにあたって、日本が外交的に主導権を発揮するには、国力の増強が必要である。そこで、前回は国力増強策を考えてみた。

今回は、安倍内閣の新自由主義に基づくグローバリズムの政策が、日本の未来にどのような害をもたらすか検討してみよう。

 

1.新自由主義と構造改革の経緯

 新自由主義は、競争志向の市場原理主義に基づいた、グローバルな資本主義経済体制で、小さな政府を指向する。米のレーガン大統領が採用したレーガノミックスが始まりで、日本では中曽根康弘、小泉純一郎が追随した。

 

 小泉純一郎元首相が「構造改革」の名のもとに、「小さな政府」、「官から民へ」、「中央から地方へ」などのキャッチフレーズを唱え、既得権の排除や、規制緩和により、道路公団や郵政の民営化を断行し、経済再生を目指した。

 「構造改革」の弊害として、国民生活の格差拡大、行き過ぎた市場・競争原理による拝金主義の台頭、社会保障での弱者切り捨てなどが起きた。今、「構造改革」への批判が高まり、見直しの動きが出ている。

 

2.日本を売り渡す構造改革に反対

 

(1)改正水道法(水道民営化)の問題点 

201812月、水道事業を民営化しやすくする「改正水道法」が強行採決で可決された。水道管の老朽化による維持費の高騰、人口減少による料金収入の減少で、自治体の運営に限界があるとして、民間企業の参入でコスト削減を図るとされている。今回は、自治体が施設の所有権を持ったまま、民間企業に運営権を委託するコンセッション方式が導入された。

 

【想定される問題】

●民間企業は営利団体で、利益を優先するあまり、住民サービスは二の次になる

●地方の小さな自治体は見捨てられる。

●グローバルなハゲタカ多国籍企業の餌食になる。

●高額役員報酬が料金に上乗せされる。

●政府は水道料金に上限を設けるというが、利益確保のため、水質が低下する。

 

最近15年間に37か国235都市で公営に戻し、違約金や損害賠償を請求されるという失敗事例が多数発生している。政府は失敗例を3例だけ挙げてお茶を濁した。

 

(2)種子法廃止に反対

1952年に、米、麦、大豆などの種子の安定的な生産と普及を目指す「種子法」が制定され、日本は、食の危機を免れてきた。ところが2018年、政府は「種子法の廃止」を決定した。そのうえ、長年蓄積してきた「種子の開発データ」を無料で民間企業に公開する「農業競争力支援法」を導入した。

 

 すべては、モンサント(現バイエル)など、ハゲタカ巨大企業の市場開放要求に屈した結果である。日本の農家は、遺伝子組み換え種子と、それとセットになった農薬の購入を毎年強いられ、いずれ大量の農薬に汚染された国土を前に立ち尽くすことになる。

 ほくそ笑むのは、おいしいところを攫ってゆくグローバル多国籍企業で、新自由主義に基づくグローバリズムの行き着く先である。

 

(3)その他の「売国」に反対

農業協同組合解体や、土地、教育、福祉、医療などの分野を過度に市場開放し、多国籍企業の餌食になるのに反対する。

(堤未果著「日本が売られる」参照)

 

3.チャイナ・グローバリズムにどう向き合うか(後述)

 

4.まとめ(筆者コメント)

 

①グローバリズムには長短がある。行き過ぎたグローバル化は国民国家の良さを台無しにする。

 

②日本のような災害大国では、国民の命にかかわる水道事業の民営化はやってはいけない。

 

③ハゲタカ多国籍企業は、金にあかせて米政府などを抱き込み、日本を食い物にしている。

 

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世界共同体⑦ 経済連携②  [平和外交]

 世界共同体の創設を目指すにあたって、日本が外交的に主導権を発揮するには、国力の増強が必要である。そこで、前回は、日本の国力の現状はどうなっているか概観した。

今回は、国力増強策を検討してみよう。

 

1.アベノミクスの問題点

アベノミクスは、2012年の第2次安倍内閣において、経済成長を狙った政策で、下表の通り、「三本の矢」からなるとされたが結果は思わしくない。

 

三本の矢

不満足な成果

大胆な

金融政策

5年経過しても、2%のインフレ目標は達成されていない。円安誘導には成功し、株価が上昇したのは成果であるが、他の矢の政策とベクトルが合わず、デフレ脱却に至っていない。

機動的な

財政政策

財政健全化の声に押されて、公共投資を大幅削減したため、せっかくのデフレ脱却の芽が摘まれてしまった。

日銀引き受けの国債は倍以上増えて400兆円に達したが、民間投資は沈滞したままである。

民間投資を喚起する

成長戦略

有効求人倍率は高いが、実質賃金は上がらない。実質経済成長率も低迷している。法人税は23.4%に引き下げた(2016年)が、企業の設備投資は増えない。

 

結局は、財政破綻論や、PB黒字化目標に足を取られて、消費税増税などの緊縮政策にはまり、デフレ脱却と国力増強のチャンスをつぶしてきた。

平成の30年間、デフレ期の財政政策を誤らなければ、今頃、実質GDPは2.5倍、1,250兆円(30年間、年3%成長の場合)になっていたはずである。

 

2.国力増強の処方箋 

 安倍内閣は、いまからでも、下表のとおり正しい経済財政政策を実行し、一流の平和大国として、世界に向かって指導力を発揮できる国にしてほしい。

 

 

政策・施策

実行計画

期待成果

 

 

政  

 

財政拡大

(初年度50兆円)

PB黒字化目標封印

消費税増税凍結

・過度のグローバル化政策の見直し

民間活力誘発

・公共投資によるインフラ整備

・国土強靭化投資による防災対策

・投資効率のチェック体制整備

●デフレを脱却し、物価上昇2%、経済成長35%を継続的に実現

●災害に備え、国民の生命財産を保護する

●少子高齢化を乗り越え、移民に依存せずに労働力を確保する

 

民 

 

・積極経営で、経営革新を図る

安い外国人労働者に依存せず、適正な賃金を払う経営をする

・設備投資増強

・技術開発投資により、IOT,AI,ビッグデータなどを活用する

・人材開発投資により、高度人材を増やす

●一人当たり労働生産性を向上し、実質賃金を上げて、労働分配率を高める

●少子化問題を解決する

GAFAに匹敵するプラットフォーム企業を生み出す

 

3.日本を売り渡す構造改革に反対(後述)

 

4.まとめ(筆者コメント)

 

①日本は一人当たり労働生産性が先進国の中で最低である。労働生産性向上が日本浮揚の鍵である。

 

国土強靭化、人材開発、技術開発投資により、日本は、年5%程度、経済成長できる力がある。

 

③消費税10%への増税は延期する。むしろ5%に戻すくらいの大胆さが欲しい。

 

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世界共同体⑥ 経済連携①  [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、世界政府を構成する「アジア連合」の進め方について述べた。

今回は世界共同体における経済面の連携ついて考えてみよう。(世界の平和①に記載した世界共同体の概念図参照)

 

世界共同体の創設を目指すにあたって、日本が外交的に主導権を発揮するには、国力の増強が必要である。日本の国力の現状と増強策を検討してみよう。

 

1.国内総生産(GDP)の現状

 下図は、主要10ヵ国の名目GDPの経年推移(19802021年)を米ドルに換算し、兆米ドル単位でグラフ。順位は、米中日の順で、日本はGDP1995年の5兆ドルから全く増えていない。

国力の一つの指標は、国内総生産(GDP)であるが、日本はこの20年間ほとんど増えていない。まさに失われた20年である。

 

少子高齢化と人口減少社会では、経済成長は望まず、身の丈に合った暮らしができればよいという意見があるが、間違いであるこのまま縮小経済を続けていけば、発展途上国に戻ってしまい、中国の属国になっても文句は言えない。

この先、政府が正しい政策を実行し続ければ、日本は一流の平和大国として、世界に向かって発言力を強化できると思う。

 

主要国名目GDP.png

 

注)20191月時点、IMFのデータ(予測を含む)をもとに、garbagenews が作成。

 

2.財政破綻論はウソ

日本は1000兆円、一人当たり800万円の借金を抱えており、財政破たんの可能性があると、まことしやかに語られている。これは国民の納税意識を高め、消費税増税を受け入れさせるための、財務省のプロパガンダであり、ウソである。財務省の本音は、徴税権と歳出権を行使することで、大きな顔をして天下りしたいだけである。

借金は、国でも、国民でもなく、政府の負債であり、国民は債権者である。それに、政府は資産を持っているので、資産と負債を相殺すれば、純負債は100兆円程度に過ぎない。心配はない。

 

3.国力増強の処方箋 (後述) 

 

4.まとめ(筆者コメント)

 

①アベノミックスを開始して6年になるが、合格点は上げられない。「2年程度で物価上昇率2%」を目標にしたが、いまだに未達である。

 

②失業率が低く、求人倍率が高いというが、少子高齢化対策や、生産性向上施策の不備によるもの。

 

③安倍首相が就任した2012年から、上図のように、GDPはむしろ減少している。

 

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世界共同体⑤ アジア連合の進め方 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、世界政府を構成する「アジア連合」の在り方について述べた。

今回はアジア連合進め方について考えてみよう。

 

1.アジア連合が目指すもの

日本は、対米従属から脱却し、アジアに正面から向き合う新機軸の外交を進めたい。その第一歩は、アジア連合の推進である。

アジア連合の真の目的と、目指すものは何かを確認してみよう。

 

目的

内容

経済成長

貿易の自由化を通じて、地域の競争力を向上し、豊かさを実現する。21世紀はアジアの時代である。東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の締結を主導して、アジア連合の基礎を築こう。

安全保障

隣国同士が敵対視せず、相互に国益を尊重し、戦略的互恵関係を結べば、戦争のない地域が実現できる。平和を担保するため、アジア連合軍を創設して、透明性のある協働の実力組織を作ろう。

人権尊重

人間は、自己本位で残虐な面を持っている。アジアに人権尊重を根付かせるために、専門の機関を創ろう。チベットやウイグルの人権問題の緩和に役立つ。信教の自由もテーマになる。

環境・防災

地球温暖化もあって、環境・防災の協働は喫緊の課題である。

 

2.対中国のアプローチ

アジア連合の交渉において、難物は中国である。中国と交渉開始の合意ができれば、8割がた、スタートアップは完了である。日本は、中国を仮想敵とせず、交渉の本気度を態度で伝えるべきである。  

いま、中国崩壊論や崩壊待望論がにぎやかである。しかし、「社会主義現代化強国」を目指すという中国は、帝国主義的ではあるが、世界を相手に取引をし、需要を創造する力がある。

財政均衡論に縛られた、下手な民主主義国家よりも、野性的、戦略的で、米中覇権戦争もうまくやり過ごすに違いない。

 東アジア地域包括的経済連携(RCEP)が年内妥結を目指して交渉中である。参加国がアジア連合対象国とほぼ同じであり、中国も前向きである。日本は、早期妥結に向け指導力を発揮してもらいたい。

 

3.アメリカの説得

 日本が、アメリカを排除するのではなく、その支援を得ながら、アジアの平和的発展に、本気でコミットする決意を披露すれば、説得はできると思う。

 アジアのことは日本と中国に任せてもらって、アメリカは、地域連合を束ねる世界政府のような組織の中枢を担ってもらうのがよい。

構想について、アメリカの心ある要人への根回しは必須である。日米同盟に関わる、米の要人は20名程度という。国際情勢は激変している。固定観念を排し、遠慮はやめて、タフな交渉をしよう。

 

4.政府主導のプロジェクト立ち上げ

連合や共同体については、多くの産官学の枠組みで研究され、報告されている。しかし、すでに研究段階は過ぎた。政府が本気で取り組む時期である。

 

5.まとめ(筆者コメント)

 

①人は、向こう三軒両隣と仲良くして、居心地の良い地域環境を作ることが生活の知恵というものである。遠隔地の知人(米)に縋りつかないと安心できないような生活設計は間違っている。

 

現在、日韓関係は最悪だが、中国と未来志向の関係を築くことができれば、韓国はしぶしぶついてくると思う。日米対、中露朝鮮という最悪の新冷戦構造は絶対に避けよう。

 

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世界共同体④ アジア連合の在り方 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、世界政府を構成する「地域連合」の創設について述べた。

今回はアジア連合の在り方と、その進め方について考えてみよう。

 

1.アジアの安全保障環境の現状

安倍政権は中国を仮想敵国とみなした抑止政策に熱心である。アメリカと約束した安全保障法案を、20159月に強引に通し、集団的自衛権を行使できるようにした。日米同盟強化一辺倒の外交で、アジアの安全保障の緊張を逆に高めている。

一方、中国は南シナ海に軍事施設を作り、ミサイルを配備するなど、海洋進出を強化している。中国は、日米同盟を仮想敵と定め、自国を防衛するため、最前線を前に構築したつもりであろう。質は異なるが、日本と同じことをしている。東アジアは軍拡競争の場になりつつあると言わざるを得ない。

 

2.地域連合創設による安心供与の外交

 安全保障は抑止と安心供与が車の両輪である。いま、日中間で必要なことは軍備強化による抑止偏重の外交ではなく、安心供与の外交である。

人は、向こう三軒両隣と仲良くして、居心地の良い地域環境を作ることが生活の知恵というものである。遠隔地の知人に縋りつかないと安心できないような生活設計は間違っている。

日本は近隣諸国の懐に飛び込んで、地域のことは地域で解決するための、地域連合(共同体)の創設という大きな目標に向かって外交力を結集すべきである。地域ごとの平和の総和が世界の平和につながるのだと思う。

 

3.アジア連合の構成国

アジア連合の構成国は、日、中、韓、北朝鮮、東南アジア、南アジア、ロシア、中央アジア、オセアニアとするべきである。

ロシアは中国に向き合う際の、緩衝、バランス・オブ・パワーとして役立つと思う。日本は、中ロという二大荒馬を御する気概を持ちたいものだ。

南アジアに含まれるインドは、将来中国に並ぶ大国になり、アジアの牽引役になると期待される。

 

4.アジア連合の求心力

 共同体や連合への求心力は、共通の価値観であり、加盟動機となるものである。安全保障、経済成長戦略、環境保全、防災対策、人権尊重、信教の自由、文化尊重などが考えられる。

 人権などの価値観で異なる国があっても、取り込んでいくべきで、排除していては何も始まらない。

 

5.アジア連合の進め方(後述)

 

6.まとめ(筆者コメント)

 

①地理的に近い国々は紛争の種を多く抱えているだけに、協同して互恵関係を作る意味は大きい。地域連合(共同体)の成否は、過去の「恨み」の誠実な処理と、「未来志向」の取り組み方にかかっている。

 

②トランプ米大統領の就任は、世界の政治経済システムの変革にとってチャンスである。日本は、心ある国々の指導者と手を組んで、国連改革や地域連合の構築を推進したい。

 

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世界共同体③ 地域連合の在り方 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、世界統治機構の頂点に立つ「世界政府」の在り方について述べた。

各論の第二は、地域連合の創設である。

 

1.地域連合こそ世界平和への処方箋

第一次世界大戦後、地政学的見地から世界を四つの地域連合(総合地域と呼称)に分けて政治の安定を図る提案があった。「遠い親戚より近くの他人」の諺のとおり、近隣諸国の共存共栄をベースにした地域連合の構築こそ平和の要である。

地域連合のモデルである欧州連合(EU)に亀裂が生じているが、修復は可能であり、その優れた理念が悪いわけではない。

 

2.地域連合の構成

筆者が提案する地域連合は、米州連合、アジア連合、欧州連合(EU の三つであり、構成国は前々回のブログに記載した概念図のとおりである。各地域連合は、世界政府の傘下に入って、緩やかに統合されることになる。

各地域連合は世界政府の小型版であるが、三つの地域連合は、それぞれの地域の環境に合わせて、先を急がず、段階を踏んで進化・発展を目指すのが良い。

地域連合(共同体)の発展段階についてはコラム参照

 

3.まとめ(筆者コメント)

 

地域連合のモデルである欧州連合(EU)に亀裂が生じている。先を急ぎすぎた感がある。経済財政について、構成国が、国民国家としての自主性を取り戻せるよう是正が必要。

 

2015年に発足した東南アジア諸国連合は、地域連合(共同体)の好例である。10か国が一体となって、アジア連合に参加するのが良いと思う。

 

 

コラム 地域連合(共同体)の発展段階(バラッサの経済統合論による)

 

NO

発展段階

説明

課題

1

自由貿易

参加国相互間の域内関税を撤廃し、貿易を自由化する。

やむを得ず関税を残す品目があれば、各国間で誠実に交渉し、協定を締結する。粗悪品の流入には要注意。

2

関税同盟

上記に、非加盟国からの輸入品に共通関税をかける。

域外各国と個別の関税交渉ができなくなる。

グローバリゼーションの時代に、非加盟国に対し、排他的な関税政策をとると、軋轢を生む。米国が黙ってはいない。

3

共同市場

上記に、労働力、資本などの生産要素の域内自由移動を保障する。マクロ経済政策を統一して実行する機能も持つ。 

人の自由移動で、難民流入が増え、円で元を支えるリスクなどの不都合が起こり得る。

マクロ経済政策の統一で、各国の主権が侵される。

4

経済同盟

上記に、構成国間の経済政策の調整が、ある程度実施される。通貨の統一もテーマになる。

構成国の実力がそろわず、無理を押し付けると軋轢を生む。

経済財政政策の自由度が減る。

5

完全な

地域統合

経済、財政、金融、通貨が統合されて、一つの国のようになる。

このような地域統合は、まだ存在していない。


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世界共同体② 世界政府の在り方 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、世界統治機構の望ましい仕組みの概念図を示した。

各論の第一は、世界統治機構の頂点に立つ「世界政府」の在り方である。

 

1.国連は大改革が必要

194551か国で発足した国際連合(国連)は、現在193か国が加盟する国際機関となっている。

国連の安全保障理事会は常任理事国(戦勝国)の5か国、非常任理事国(任期2年)の10か国で構成され、日本は過去に11回、非常任理事国を務めた。

議題は9か国以上(60%以上)賛成で採択されるが、常任理事国が拒否権を持っていて、一国でも反対すると否決されてしまう。冷戦後、拒否権の発動は激減したが、常任理事国が「打ち出の小づち」を手放す気配はない。要するに国連は機能停止に陥っている。第二次大戦後70年以上も経過して、戦勝国による戦後体制が続いているのは異常である。

 

2.国連改革の経緯

1963年に非常任理事国が5から10ケ国に増やされたのが最初で最後、国連改革は何も進展していない。非常任理事国の数を15か国に増やす案か検討されているようだが、20年たっても成果はない。

 

3.国連改革・世界政府創設の提案

 国連に、世界政府機能を付加して、恒久的な世界平和を実現する組織機構の創設を提案する。国連行政府は世界政府、国連行政委員長は世界政府の大統領である。現在の安全保障理事会は平和創造理事会と改名し、地球防衛軍ともに、世界平和を担う機関とする。(前回ブログの概念図、参照)

 

4.世界政府創設のための戦略

アジア、EU、米州などの地域連合の上に、これらを管理するための、世界政府機能を創設するが、真の目的と段取りを考えてみよう。

 

(1)世界政府が目指すもの

 自由貿易の推進、地域連合(共同体)の統括、地球市民の人権擁護と安全保障、核兵器廃絶、恒久平和の保障である。米ロ中などの大国の横暴と火遊びを終わらせよう。

 

(2)世界政府創設の準備

 難民流出問題を手掛かりにし、日本が主導して、国連内に難民流出予防検討の仕組みを作り、難民流出の原因分析や対策立案の過程を通して、世界政府創設の準備組織を立ち上げよう。

 

(3)世界憲法の起草

 世界憲法は、国連憲章をなぞるだけでは不十分である。世界政府に必要な機能を新しく想定し、それをもとに草案を作ろう。お手本はたくさんある。

 

(4)世界政府の機能のデザイン

世界政府に必要な諸機能を新しくデザインし、質と量を定義しよう。世界政府、世界行政府、世界政府議会などが対象である。国連組織のうち、使えるものは組み込んで利用するという発想が必要である。

一国主義に向かうアメリカには、世界政府の中核を担ってもらって世界平和に貢献してもらおう。

 

5.まとめ(筆者コメント)

①超大国の横暴や、民族紛争の激化で地球は危機に瀕している。この危機を救うには、人類の勇気と英知を集めて、世界政府を樹立するしかない。

 

②難民流出後の対策より、流出予防が大事。世界政府の適切な対処が望まれる。

 

③グローバリズムの行き過ぎで、世界は様々な障害に見舞われている。1%の富裕層の資産が、貧しい38億人の資産と同額だという。多国籍企業の税逃れを防ぎ、世界的な所得再配分機能を取り戻すには、世界政府の適切な統治機構が必要である。

 

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世界共同体① 世界共同体の創設 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。

前回まで、アジアの平和について検討してきたが、締めくくりに、世界統治機構の望ましい仕組みを考えてみよう。日本は平和国家のブランドを活かして推進役を果たしたい。

下表は世界共同体の概念図である。詳細は後続の記事で述べる。

 

世界政府  (国連改編)

世界総会―世界行政府―世界行政府委員長(大統領)―各地域連合  スタッフ理事会:平和創造、経済社会、人権、軍事、その他

 

    ↓

     ↓

     ↓

地域連合

米州連合

アジア連合

欧州連合

構成国

アメリカ、カナダ、南米

日、中、韓、北朝鮮、

東南アジア、南アジア、オセアニア、

ロシア、中央アジア

EU、中東、

アフリカ

核となる 経済連携

北米自由貿易協定(NAFTA)

東アジア地域包括的経済連携(RCEP)

ヨーロッパ自由貿易連合(EFTA)

地域連合軍

米州連合軍

アジア連合軍

欧州連合軍

(NATO改組)

 

    ↓

     ↓

     ↓

地球防衛軍

国連軍を改組し、

アメリカ軍を中核として、各地域連合軍から精鋭が参加

 

1.世界政府

国連を改組して世界政府を作る。世界政府には行政府、防衛、警察の機能は必須である。世界行政府委員長が大統領である。現在の安全保障理事会は、平和創造理事会と改名し、世界平和の元締めとする。アメリカ第一をとなえる米国を、いかにその気にさせるかが課題である。

 

2.地域連合

地域連合として、米州連合、アジア連合、欧州連合の三つを作り、世界総会の傘下に置く。構成国は表のとおりとし、ロシアはアジアに、アフリカは欧州に含める。

 

3.経済連携

経済連携については、現在各地域の主要な貿易協定をベースに改編し、世界貿易機関(WTOを改編)の傘下に置く。

 

4.地球防衛軍と地域連合軍

軍事に関しては、現在の国連軍を改編して地球防衛軍と改名し、世界の紛争を鎮める役割を担う。

防衛を目的とする警察のような軍隊だから、少数精鋭で、少ない軍事費で済み、部族やISによる紛争を未然に防止して、世界平和に貢献する。

一方、各地域に地域連合軍を置き、地域の防衛を担うほか、地球防衛軍に一定数の精鋭を派遣する。こちらも、地域防衛を目的とする警察のような軍隊だから、少数精鋭で済む。

 

5.コメント(筆者コメント)

 

①国連加盟国は200前後あるが、世界政府の構成国となる際には、国民国家として主権は最大限尊重されなければならない。

 

②トランプ米大統領の言動を見ていると、地域連合創設や、国連改革にとって、チャンス到来である。「米国第一」を逆手に取って、彼の任期中に23歩前進したいものだ。

 

EUやアセアンは先行事例として参考になる。ただし、官僚機構の腐敗や横暴には要注意。

 

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追悼:

majyoさん ありがとう。
立派な生き方をされたあなたを忘れません。

 

majyoさんから、私のブログに
たくさんのコメントをいただきました。

 

ほめていただいた写真を贈ります。

今後も、アジアの平和のために
声を上げてゆきます。

 

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ほめていただいた オクラの花


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アジアの平和 ⑫核廃絶の道程 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、アジア非核兵器地帯構想について述べた。今回は、核廃絶の道筋ついて検討してみよう。下表は核廃絶の道程をまとめた表である。

 

条約名

中距離核戦力全廃条約

核拡散防止条約(NPT

核兵器禁止条約

経緯

1987年、米ロ2か国

1968年、191か国締約

2017年、122か国採択

協議国

国連常任理事国+日独

国連加盟国

国連加盟国

協議事項

●協議構成国拡大

米離脱の翻意を促す

米の核戦略見直し(NPR)の翻意を促す

●新条約で中距離核戦力全廃を協議する

●核軍縮交渉義務付け

保有国に先制不使用宣言を義務付け

非核兵器地帯の拡大

●不平等条約汚名返上

●核実験禁止の徹底

開発、製造、備蓄、移譲、使用、威嚇の禁止

●保有の申告義務付け

核保有国に参加促す

核の傘依存国に参加を促す

目標

中距離核戦力全廃

核不拡散、核軍縮

核兵器廃絶

 

1.中距離核戦力全廃条約(INF

 米ロ2か国の条約で、1987年に成立し核軍縮に大きな役割を果たしてきた。条約の対象は、核弾頭とミサイルで、射程500キロ~550キロである。

最近米国が、ロシアの条約違反と中国の戦力保持を理由に、離脱を宣言した。これから、中距離核戦力の軍拡競争が激しくなるのは必至である。すでに米国は、核戦略見直し(NPR)と称して、核弾頭を小型化して使いやすくする計画に取り組んでいる。

米国は、離脱や改良を考える前に、中国など関係国を広げて、全廃の継続を協議するべきである。協議国は、国連常任理事国+日独が良いと思う。

 

2.核拡散防止条約(NPT

核拡散防止条約は、すでに核を持つ5つの国連常任理事国を核保有国と認めて、誠実な核軍縮を求めるとともに、他の締約国には、核兵器を持たないよう義務づけた条約。条約に加盟していないインド、パキスタンが核実験をし、脱退した北朝鮮が地下核実験をするなど、NPTには大きなほころびがある。

締約国は、核先制不使用と非核兵器地帯拡大を主要テーマにして、再協議すべきである。

 

3.核兵器禁止条約

核兵器禁止条約は2017年に、国連加盟122か国の賛成で採択された。現在、批准19か国、署名67か国である。

核保有国や、核の傘に依存する日本や大半のNATO加盟国は、核軍縮策としては現実的でないとして、反対し、交渉に参加していない。

国連の場で、核保有国や、核の傘に依存する国を交えて、再協議すべきである。前1項、2項の協議の前進が、この3項の成就につながると思う。

 

4.核兵器廃絶に向けた筆者の提案(当ブログ「核兵器禁止条約」参照

 

①国連に、「核安全保障機構」(仮称)を創設し、核保有国を機構に取り込んで、核の一元管理を図るよう提案する。核の傘の上に、大きな核の傘を被せることで、地球規模の核抑止、戦争抑止の体制ができると思う。国連が、核兵器による安全保障の推進者、管理人、執行者となって、核兵器の査察、監視から廃絶の実行を期待する。現在、国連の力は弱いが、取り組み次第でもっと強化できるはずである。

 

②核兵器は必要悪でなく絶対悪。核では世界を救えない。核兵器は安全保障の道具でなく、人類を破滅させる悪魔の兵器である。テロに核兵器がわたるおそれもあり、早急な廃絶が必要。

 

③核兵器は、もはや人道上使えない兵器である。金食い虫の核兵器を後生大事に保有している理由はない。トランプ大統領は、悪魔のような「こわしや」をやめ、「創造者」たれ。

 

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アジアの平和 ⑪非核兵器地帯への道程 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、核抑止力神話の克服について考えてみた。今回は、アジア非核兵器地帯構想について検討してみよう。下図は構想の概念図である。

 

 

アジア非核兵器地帯協議会

 

 

中国、

 

アセ

アン

北東アジア非核兵器地帯協議会

 

インド

 

パキスタン

 

北朝鮮

韓国

日本

 

核ミサイルの

撤去

在韓米軍の

核撤去

非核三原則

堅持

 

核兵器禁止条約加盟、 核先制不使用宣言

 

1.北東アジア非核兵器地帯構想(当ブログ「アジアの平和⑤」参照)

 北東アジア非核兵器地帯協議会は、図の中央に掲載したとおり、三国が協力して自国の非核化措置を協議する仕組みである。2月に予定される米朝協議の成否に関わらず、一刻も早く協議会を発足させるべきである。

 北朝鮮の非核化は米にお任せではいけない。北朝鮮にとって米に強制された非核化より、日韓との合意による非核化達成には大きな価値がある。米国は追認するはずで、日本の外交力が試される時である。

 

2.中国を非核兵器地帯にする戦略(当ブログ「アジアの平和⑥」参照)

前項の北東アジア非核兵器地帯の協議の土俵に中国を乗せよう。米ロが参加しない段階で、中国と合意形成は難しいが、協議開始に意味がある。

アジアから核を排除する協定ができれば、国際社会や国連が放ってはおかない。核大国・米ロも安閑としてはおられまい。

 

3.インド、パキスタンの非核化(当ブログ「アジアの平和⑦」参照)

 インドは、1974年と1998年に核実験を実施し、6番目の核保有国になった。パキスタンは、インドに対抗して、1998年に核実験を実施し、7番目の核保有国となった。

両国の核保有は両国に限定した問題で、宗教対立や領土問題で和解ができれば、核保有の意味はなくなる。日本が斡旋して和解の協議の場を持てば、非核化はできると思う。

 

4.アセアンの参加(当ブログ「アジアの平和⑤」参照)

アセアン(東南アジア諸国連合)10か国は、すでに、1997年に非核兵器地帯条約を締結済みで、非核兵器地帯の先行事例としてよい教材になる。

 

5.非核兵器地帯構想のまとめ(筆者コメント)

①北朝鮮に向き合う際、日本が米国のただの代理人では相手にされない。アジアの隣人として真摯に寄り添う姿勢を示そう。

 

②真摯と言えば、新聞の川柳に「寄り添うの嘘と誠を思いけり」があった。沖縄に言葉で「寄り添う」と言う安倍首相と、行動で寄り添う天皇様のこと。違いは明らか。

 

③いま、中国崩壊論や習近平失脚論が姦しい。日本は「泥舟」に乗るなという。こんな中国敵視論者の品性は下劣である。日本は、アジアの平和のため、中国に友人として向き合い、時に諫言し、戦略的互恵関係を築こう。

 

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アジアの平和 ➉核抑止力神話は本当か [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、平和の大敵である領土問題について考えてみた。今回は、核兵器を保有すれば、他の保有国からの核攻撃を本当に防げるのか。そもそも、核兵器は使い物になるのか検討してみよう。

 

1.核抑止力有用論

 核兵器は相互に防御不能であり、安易に戦争をできなくしたという意味で、戦争を抑止する力があるという考え方である。本当だろうか。テロ集団への移転や、不慮の事故対応、更新・廃棄費用などを考えると、大変な金食い虫と思う。核廃絶の努力のあとをたどってみよう。

 

2.核兵器先制不使用宣言と日本の対応

 オバマ元米大統領は在任中、「核なき世界」の理念を掲げ、核兵器先制不使用の宣言を検討してたが、「核抑止力を損ない、同盟国を動揺させ、中ロを利する」とする反対意見によって断念した経緯がある。

 日本はすぐに、抑止力を損なうとして反対したが、先制不使用が核軍縮、核廃絶という人類の希望につながるものであっただけに、多くの非核保有国の希望を踏みにじる対応であった。

 

3.核兵器禁止条約と日本の対応

 2017年、核兵器禁止条約が国連総会において、122か国の賛成で採択された。「核兵器のない世界」に向けて大きな一歩である。

 日本は「現在の安全保障環境を考えれば、条約の交渉開始は時期尚早」と主張し、反対した。世界唯一の被爆国として誠に残念である。

日本はアメリカの核の傘に入って、その抑止力に頼っているが、核の抑止力は本当に必要であり、効果があるのだろうか。核の抑止力に頼らない、安心供与の平和外交を進めてほしい。

 

4.核抑止力有用論の克服(筆者提案)

 

核先制不使用に賛成する核保有国を増やす運動をしよう。核軍縮、核廃絶への近道である。中国は賛成している。また、機能不全に陥っている国連の活性化策を考えよう。

 

非核兵器地帯条約の締約国は現在、6地域、116か国である。非核兵器地帯の面積を増加する国際的な運動を展開しよう。

 

核兵器禁止条約に日本は棄権したが、核拡大抑止は幻想である。世界唯一の被爆国として、核兵器の非人道性を最も知る国として、条約を率先推進しよう。

 

核廃絶の取り組みに消極的な保有国に対し、不買運動含む市民運動を展開しよう。

 

コラム 核兵器を持つ目的の目的を考えてみよう。

 

下の目的展開表で、「先制攻撃する」 がキーワードである。これを禁止にできれば、核兵器保有の意味はなくなり、核廃絶につながってゆくと思う。

 

       核兵器保有    

         ↓

    核兵器を保有し、破壊力を誇示する

      ↓侵略の場合    ↓自衛の場合

    先制攻撃する   攻撃に対し反撃する

      ↓         ↓

    優位に立つ    侵略を防ぐ

      ↓         ↓

    相手を負かす   損害を防ぐ

      ↓         ↓

    相手を支配する  平和を守る

      ↓         ↓

     利益を得る   平和を保つ


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