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世界の平和② 世界政府の在り方 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、世界統治機構の望ましい仕組みの概念図を示した。

各論の第一は、世界統治機構の頂点に立つ「世界政府」の在り方である。

 

1.国連は大改革が必要

194551か国で発足した国際連合(国連)は、現在193か国が加盟する国際機関となっている。

国連の安全保障理事会は常任理事国(戦勝国)の5か国、非常任理事国(任期2年)の10か国で構成され、日本は過去に11回、非常任理事国を務めた。

議題は9か国以上(60%以上)賛成で採択されるが、常任理事国が拒否権を持っていて、一国でも反対すると否決されてしまう。冷戦後、拒否権の発動は激減したが、常任理事国が「打ち出の小づち」を手放す気配はない。要するに国連は機能停止に陥っている。第二次大戦後70年以上も経過して、戦勝国による戦後体制が続いているのは異常である。

 

2.国連改革の経緯

1963年に非常任理事国が5から10ケ国に増やされたのが最初で最後、国連改革は何も進展していない。非常任理事国の数を15か国に増やす案か検討されているようだが、20年たっても成果はない。

 

3.国連改革・世界政府創設の提案

 国連に、世界政府機能を付加して、恒久的な世界平和を実現する組織機構の創設を提案する。国連行政府は世界政府、国連行政委員長は世界政府の大統領である。現在の安全保障理事会は平和創造理事会と改名し、地球防衛軍ともに、世界平和を担う機関とする。(前回ブログの概念図、参照)

 

4.世界政府創設のための戦略

アジア、EU、米州などの地域連合の上に、これらを管理するための、世界政府機能を創設するが、真の目的と段取りを考えてみよう。

 

(1)世界政府が目指すもの

 自由貿易の推進、地域連合(共同体)の統括、地球市民の人権擁護と安全保障、核兵器廃絶、恒久平和の保障である。米ロ中などの大国の横暴と火遊びを終わらせよう。

 

(2)世界政府創設の準備

 難民流出問題を手掛かりにし、日本が主導して、国連内に難民流出予防検討の仕組みを作り、難民流出の原因分析や対策立案の過程を通して、世界政府創設の準備組織を立ち上げよう。

 

(3)世界憲法の起草

 世界憲法は、国連憲章をなぞるだけでは不十分である。世界政府に必要な機能を新しく想定し、それをもとに草案を作ろう。お手本はたくさんある。

 

(4)世界政府の機能のデザイン

世界政府に必要な諸機能を新しくデザインし、質と量を定義しよう。世界政府、世界行政府、世界政府議会などが対象である。国連組織のうち、使えるものは組み込んで利用するという発想が必要である。

一国主義に向かうアメリカには、世界政府の中核を担ってもらって世界平和に貢献してもらおう。

 

5.まとめ(筆者コメント)

①超大国の横暴や、民族紛争の激化で地球は危機に瀕している。この危機を救うには、人類の勇気と英知を集めて、世界政府を樹立するしかない。

 

②難民流出後の対策より、流出予防が大事。世界政府の適切な対処が望まれる。

 

③グローバリズムの行き過ぎで、世界は様々な障害に見舞われている。1%の富裕層の資産が、貧しい38億人の資産と同額だという。多国籍企業の税逃れを防ぎ、世界的な所得再配分機能を取り戻すには、世界政府の適切な統治機構が必要である。

 

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世界の平和① 世界共同体の創設 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。

前回まで、アジアの平和について検討してきたが、締めくくりに、世界統治機構の望ましい仕組みを考えてみよう。日本は平和国家のブランドを活かして推進役を果たしたい。

下表は世界共同体の概念図である。詳細は後続の記事で述べる。

 

世界政府  (国連改編)

世界総会―世界行政府―世界行政府委員長(大統領)―各地域連合  スタッフ理事会:平和創造、経済社会、人権、軍事、その他

 

    ↓

     ↓

     ↓

地域連合

米州連合

アジア連合

欧州連合

構成国

アメリカ、カナダ、南米

日、中、韓、北朝鮮、

東南アジア、南アジア、

オセアニア、

ロシア、中央アジア

EU、中東、

アフリカ

核となる 経済連携

北米自由貿易協定(NAFTA)

東アジア地域包括的経済連携(RCEP)

ヨーロッパ自由貿易連合(EFTA)

地域連合軍

米州連合軍

アジア連合軍

欧州連合軍

(NATO改組)

 

    ↓

     ↓

     ↓

地球防衛軍

国連軍を改組し、

アメリカ軍を中核として、各地域連合軍から精鋭が参加

 

1.世界政府

国連を改組して世界政府を作る。世界政府には行政府、防衛、警察の機能は必須である。世界行政府委員長が大統領である。現在の安全保障理事会は、平和創造理事会と改名し、世界平和の元締めとする。アメリカ第一をとなえる米国を、いかにその気にさせるかが課題である。

 

2.地域連合

地域連合として、米州連合、アジア連合、欧州連合の三つを作り、世界総会の傘下に置く。構成国は表のとおりとし、ロシアはアジアに、アフリカは欧州に含める。

 

3.経済連携

経済連携については、現在各地域の主要な貿易協定をベースに改編し、世界貿易機関(WTOを改編)の傘下に置く。

 

4.地球防衛軍と地域連合軍

軍事に関しては、現在の国連軍を改編して地球防衛軍と改名し、世界の紛争を鎮める役割を担う。

防衛を目的とする警察のような軍隊だから、少数精鋭で、少ない軍事費で済み、部族やISによる紛争を未然に防止して、世界平和に貢献する。

一方、各地域に地域連合軍を置き、地域の防衛を担うほか、地球防衛軍に一定数の精鋭を派遣する。こちらも、地域防衛を目的とする警察のような軍隊だから、少数精鋭で済む。

 

5.コメント(筆者コメント)

 

①国連加盟国は200前後あるが、世界政府の構成国となる際には、国民国家として主権は最大限尊重されなければならない。

 

②トランプ米大統領の言動を見ていると、地域連合創設や、国連改革にとって、チャンス到来である。「米国第一」を逆手に取って、彼の任期中に23歩前進したいものだ。

 

EUやアセアンは先行事例として参考になる。ただし、官僚機構の腐敗や横暴には要注意。

 

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追悼:

majyoさん ありがとう。
立派な生き方をされたあなたを忘れません。

 

majyoさんから、私のブログに
たくさんのコメントをいただきました。

 

ほめていただいた写真を贈ります。

今後も、アジアの平和のために
声を上げてゆきます。

 

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ほめていただいた オクラの花


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アジアの平和 ⑫核廃絶の道程 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、アジア非核兵器地帯構想について述べた。今回は、核廃絶の道筋ついて検討してみよう。下表は核廃絶の道程をまとめた表である。

 

条約名

中距離核戦力全廃条約

核拡散防止条約(NPT

核兵器禁止条約

経緯

1987年、米ロ2か国

1968年、191か国締約

2017年、122か国採択

協議国

国連常任理事国+日独

国連加盟国

国連加盟国

協議事項

●協議構成国拡大

米離脱の翻意を促す

米の核戦略見直し(NPR)の翻意を促す

●新条約で中距離核戦力全廃を協議する

●核軍縮交渉義務付け

保有国に先制不使用宣言を義務付け

非核兵器地帯の拡大

●不平等条約汚名返上

●核実験禁止の徹底

開発、製造、備蓄、移譲、使用、威嚇の禁止

●保有の申告義務付け

核保有国に参加促す

核の傘依存国に参加を促す

目標

中距離核戦力全廃

核不拡散、核軍縮

核兵器廃絶

 

1.中距離核戦力全廃条約(INF

 米ロ2か国の条約で、1987年に成立し核軍縮に大きな役割を果たしてきた。条約の対象は、核弾頭とミサイルで、射程500キロ~550キロである。

最近米国が、ロシアの条約違反と中国の戦力保持を理由に、離脱を宣言した。これから、中距離核戦力の軍拡競争が激しくなるのは必至である。すでに米国は、核戦略見直し(NPR)と称して、核弾頭を小型化して使いやすくする計画に取り組んでいる。

米国は、離脱や改良を考える前に、中国など関係国を広げて、全廃の継続を協議するべきである。協議国は、国連常任理事国+日独が良いと思う。

 

2.核拡散防止条約(NPT

核拡散防止条約は、すでに核を持つ5つの国連常任理事国を核保有国と認めて、誠実な核軍縮を求めるとともに、他の締約国には、核兵器を持たないよう義務づけた条約。条約に加盟していないインド、パキスタンが核実験をし、脱退した北朝鮮が地下核実験をするなど、NPTには大きなほころびがある。

締約国は、核先制不使用と非核兵器地帯拡大を主要テーマにして、再協議すべきである。

 

3.核兵器禁止条約

核兵器禁止条約は2017年に、国連加盟122か国の賛成で採択された。現在、批准19か国、署名67か国である。

核保有国や、核の傘に依存する日本や大半のNATO加盟国は、核軍縮策としては現実的でないとして、反対し、交渉に参加していない。

国連の場で、核保有国や、核の傘に依存する国を交えて、再協議すべきである。前1項、2項の協議の前進が、この3項の成就につながると思う。

 

4.核兵器廃絶に向けた筆者の提案(当ブログ「核兵器禁止条約」参照

 

①国連に、「核安全保障機構」(仮称)を創設し、核保有国を機構に取り込んで、核の一元管理を図るよう提案する。核の傘の上に、大きな核の傘を被せることで、地球規模の核抑止、戦争抑止の体制ができると思う。国連が、核兵器による安全保障の推進者、管理人、執行者となって、核兵器の査察、監視から廃絶の実行を期待する。現在、国連の力は弱いが、取り組み次第でもっと強化できるはずである。

 

②核兵器は必要悪でなく絶対悪。核では世界を救えない。核兵器は安全保障の道具でなく、人類を破滅させる悪魔の兵器である。テロに核兵器がわたるおそれもあり、早急な廃絶が必要。

 

③核兵器は、もはや人道上使えない兵器である。金食い虫の核兵器を後生大事に保有している理由はない。トランプ大統領は、悪魔のような「こわしや」をやめ、「創造者」たれ。

 

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アジアの平和 ⑪非核兵器地帯への道程 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、核抑止力神話の克服について考えてみた。今回は、アジア非核兵器地帯構想について検討してみよう。下図は構想の概念図である。

 

 

アジア非核兵器地帯協議会

 

 

中国、

 

アセ

アン

北東アジア非核兵器地帯協議会

 

インド

 

パキスタン

 

北朝鮮

韓国

日本

 

核ミサイルの

撤去

在韓米軍の

核撤去

非核三原則

堅持

 

核兵器禁止条約加盟、 核先制不使用宣言

 

1.北東アジア非核兵器地帯構想(当ブログ「アジアの平和⑤」参照)

 北東アジア非核兵器地帯協議会は、図の中央に掲載したとおり、三国が協力して自国の非核化措置を協議する仕組みである。2月に予定される米朝協議の成否に関わらず、一刻も早く協議会を発足させるべきである。

 北朝鮮の非核化は米にお任せではいけない。北朝鮮にとって米に強制された非核化より、日韓との合意による非核化達成には大きな価値がある。米国は追認するはずで、日本の外交力が試される時である。

 

2.中国を非核兵器地帯にする戦略(当ブログ「アジアの平和⑥」参照)

前項の北東アジア非核兵器地帯の協議の土俵に中国を乗せよう。米ロが参加しない段階で、中国と合意形成は難しいが、協議開始に意味がある。

アジアから核を排除する協定ができれば、国際社会や国連が放ってはおかない。核大国・米ロも安閑としてはおられまい。

 

3.インド、パキスタンの非核化(当ブログ「アジアの平和⑦」参照)

 インドは、1974年と1998年に核実験を実施し、6番目の核保有国になった。パキスタンは、インドに対抗して、1998年に核実験を実施し、7番目の核保有国となった。

両国の核保有は両国に限定した問題で、宗教対立や領土問題で和解ができれば、核保有の意味はなくなる。日本が斡旋して和解の協議の場を持てば、非核化はできると思う。

 

4.アセアンの参加(当ブログ「アジアの平和⑤」参照)

アセアン(東南アジア諸国連合)10か国は、すでに、1997年に非核兵器地帯条約を締結済みで、非核兵器地帯の先行事例としてよい教材になる。

 

5.非核兵器地帯構想のまとめ(筆者コメント)

①北朝鮮に向き合う際、日本が米国のただの代理人では相手にされない。アジアの隣人として真摯に寄り添う姿勢を示そう。

 

②真摯と言えば、新聞の川柳に「寄り添うの嘘と誠を思いけり」があった。沖縄に言葉で「寄り添う」と言う安倍首相と、行動で寄り添う天皇様のこと。違いは明らか。

 

③いま、中国崩壊論や習近平失脚論が姦しい。日本は「泥舟」に乗るなという。こんな中国敵視論者の品性は下劣である。日本は、アジアの平和のため、中国に友人として向き合い、時に諫言し、戦略的互恵関係を築こう。

 

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アジアの平和 ➉核抑止力神話は本当か [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、平和の大敵である領土問題について考えてみた。今回は、核兵器を保有すれば、他の保有国からの核攻撃を本当に防げるのか。そもそも、核兵器は使い物になるのか検討してみよう。

 

1.核抑止力有用論

 核兵器は相互に防御不能であり、安易に戦争をできなくしたという意味で、戦争を抑止する力があるという考え方である。本当だろうか。テロ集団への移転や、不慮の事故対応、更新・廃棄費用などを考えると、大変な金食い虫と思う。核廃絶の努力のあとをたどってみよう。

 

2.核兵器先制不使用宣言と日本の対応

 オバマ元米大統領は在任中、「核なき世界」の理念を掲げ、核兵器先制不使用の宣言を検討してたが、「核抑止力を損ない、同盟国を動揺させ、中ロを利する」とする反対意見によって断念した経緯がある。

 日本はすぐに、抑止力を損なうとして反対したが、先制不使用が核軍縮、核廃絶という人類の希望につながるものであっただけに、多くの非核保有国の希望を踏みにじる対応であった。

 

3.核兵器禁止条約と日本の対応

 2017年、核兵器禁止条約が国連総会において、122か国の賛成で採択された。「核兵器のない世界」に向けて大きな一歩である。

 日本は「現在の安全保障環境を考えれば、条約の交渉開始は時期尚早」と主張し、反対した。世界唯一の被爆国として誠に残念である。

日本はアメリカの核の傘に入って、その抑止力に頼っているが、核の抑止力は本当に必要であり、効果があるのだろうか。核の抑止力に頼らない、安心供与の平和外交を進めてほしい。

 

4.核抑止力有用論の克服(筆者提案)

 

核先制不使用に賛成する核保有国を増やす運動をしよう。核軍縮、核廃絶への近道である。中国は賛成している。また、機能不全に陥っている国連の活性化策を考えよう。

 

非核兵器地帯条約の締約国は現在、6地域、116か国である。非核兵器地帯の面積を増加する国際的な運動を展開しよう。

 

核兵器禁止条約に日本は棄権したが、核拡大抑止は幻想である。世界唯一の被爆国として、核兵器の非人道性を最も知る国として、条約を率先推進しよう。

 

核廃絶の取り組みに消極的な保有国に対し、不買運動含む市民運動を展開しよう。

 

コラム 核兵器を持つ目的の目的を考えてみよう。

 

下の目的展開表で、「先制攻撃する」 がキーワードである。これを禁止にできれば、核兵器保有の意味はなくなり、核廃絶につながってゆくと思う。

 

       核兵器保有    

         ↓

    核兵器を保有し、破壊力を誇示する

      ↓侵略の場合    ↓自衛の場合

    先制攻撃する   攻撃に対し反撃する

      ↓         ↓

    優位に立つ    侵略を防ぐ

      ↓         ↓

    相手を負かす   損害を防ぐ

      ↓         ↓

    相手を支配する  平和を守る

      ↓         ↓

     利益を得る   平和を保つ


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アジアの平和 ⑨領土問題をどう解決するか [平和外交]

新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、非核化、安全保障、平和に深くかかわる宗教対立の解決策について考えてみた。今回は、平和の大敵である領土問題について考えてみよう。

 

1.アジアにおける領土問題

 世界の領土紛争地域は40か所以上、数え方によっては120か所以上もあると言われている。アジアのそれは、主なものだけで下記10か所がある。

 

案件

実効支配国

領有権主張国

領土問題

竹島

韓国

日本

李承晩が領有主張し実効支配

北方領土

ロシア

日本

北方4島の返還

尖閣諸島

日本

中国、台湾

調査で石油発見以来、問題化

西沙諸島

中国(1970年~)

ベトナム、台湾

中国が石油発掘、ベトナム反発

南沙諸島

中国(1988年~)

ベトナム、台湾*

係争中に中国が軍事拠点化

アクサイチン

中国

インド

中印パの国境紛争地

カシミール

インド

パキスタン

カシミール国境紛争地

ナゴルノ・カラバフ自治区

アルメニア

アゼルバイ

ジャン

民族紛争地。現在はアルメニアの占領下にある

ゴラン高原

イスラエル

シリア

イスラエルがシリアから奪った

パレスチナ

イスラエル

パレスチナ

ヨルダン川西岸で聖地がある

(*) ブルネイ、フィリッピン、マレーシア

 

2.領土問題を解決した主な事例

 

①中国とロシアの国境線紛争で、1969年には武力衝突もしたが、2005年折半で平和的に解決した。

 

②インド、中国。インド、パキスタンの長年の国境線紛争を2015年、話し合いで平和的に解決した。

 

③シンガポールとインドネシア国境紛争を、2016年、話し合いで解決した。

 

④軍事衝突を繰り返してきたナイジェリアとカメルーンの国境紛争は、2015年、国際司法裁判所の裁定を受け入れて平和解決した。国連事務総長が称賛の声明を出した。(他に10数件解決済み)

 

3.領土問題解決のケースとコスト

 前項の解決事例を参考に、解決のケースとコストの関係は下記になると思う。

 

領土解決の

ケース

 

コスト

話し合い解決

国際司法裁判所提訴

戦争

折半

資源の共同開発

棚上げ

                               

       小

  大

極大

           

 

4.領土問題解決のまとめ(筆者コメント)

 

①領土問題は早い者勝ちの要素があって、帰属先の証明は難しい。国民感情が絡むとさらに解決は困難だが、戦争になってはいけない。

 

1972年の日中国交正常化交渉の際、尖閣棚上げ論があったかどうか議論がある。外務省は否定しているが、周恩来や鄧小平が唱えたとされる棚上げ論は正しいと思う。

 

③地域多国間協力の仕組みである、東アジア共同体の創設に努力しよう。地域の平和の価値に比べれば、目先のちっぽけな領土問題など、雲散霧消し、容易に解決するに違いない。

 

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アジアの平和 ⑧宗教対立をどう解決するか [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回、インド、パキスタンの分離独立の経緯、印パ戦争、核保有の経緯を述べた。インド、パキスタンの非核化戦略を論ずる前に、いったん、インド、パキスタンから離れて、非核化、安全保障、平和に深くかかわる宗教対立の解決策について考えてみよう。

 

1.宗教戦争の主な歴史

 

①十字軍遠征(キリスト教対イスラム教の戦い)

11世紀末から200年間に、ローマ教皇の呼びかけで、キリスト教徒が聖地エルサレムの奪回を目指した、7回にわたる軍事行動。一時は聖地回復に成功したが、結局はイスラム側の反撃で失敗に終わった。

十字軍は回を重ねるごとに、経済、文化の東西交流を通じ14世紀のルネッサンスにつながった。

 

②宗教改革(キリスト教新旧両派の地域紛争)

 1517年、ドイツの修道士ルターが「九十五カ条の論題」を発表したことでローマ・カトリック教会に宗教改革運動が興った。ルターが破門されたことから、同調者がローマ教会とたもとを分かち、プロテスタント教会を作った。その後、プロテスタント(新教)とカトリック(旧教)の対立は激化し、15461609年まで、ヨーロッパで争いが絶えなかった。

 

③三十年戦争(キリスト教新旧両派の国際戦争)

 16181648年まで、ドイツを中心にヨーロッパ各国が、新旧キリスト教をめぐって戦った。この国際的な三十年戦争の結果、ウエストファリャ条約が締結され、宗教戦争は終わった。

 

④イスラム教、スンニ派とシーア派の宗教対立

 スンニ派のサウジアラビアと、シーア派のイランの対立が激しい。世界のイスラム教徒16億人のうち9割がスンニ派で、残りがシーア派。シーア派を国教とするイランは9割以上がシーア派である。

 開祖ムハンマドの後継者争いで、血筋にこだわる派がシーア派、それ以外がスンニ派となった。

宗教心や行事に大差はないのに、対立を引きずっているのはもったいない。

 

2.宗派間の和解の主な動き

 

①協会一致運動

 20世紀をとおして、「ローマ・カトリック教会」と「ルーテル世界連盟」の間で、「カトリックとプロテスタントでは、どこが同じで、どこが違うのか」をテーマに様々な対話が重ねられてきた。

1999年には歴史的な「義認の教理に関する共同宣言」が両派の間で調印された。これにより、「救い」に関する考え方の相違が克服されたと思われる。

 

②宗教改革500年、記念行事

 1517年、ルターが「九十五ヵ条の論題」を発表してから500年を記念して、2017年にカトリック教会とルーテル教会で合同の記念行事を行った。

 

③パウロ2世によるユダヤ教の聖地訪問

聖教皇ヨハネ・パウロ2世は、2000年、ユダヤ教の聖地を訪問し、「ユダヤ教は我々の兄である」と宣言し、迫害の歴史を認め反省を表明した。

 

④米国聖職者、聖地巡礼とピースラリー

 2003年、米国のキリスト教徒イスラム教の聖職者がイスラエルを訪問し、イスラエルのユダヤ教聖職者とともに、3宗教の相互理解を深める試みがなされた。中東問題解決の端緒になると思われる。

 

3.宗教和解の処方箋(筆者提案)

①愛の神を尊び、時代錯誤な古い教え(改宗者は死刑、豚肉食禁止など)はリストラしよう

 

②信教の自由を最優先とし、政教分離を徹底しよう。中国の最近の宗教介入(イスラム教の中国化)は問題。

 

③黄金律(人にしてほしいと思うことの,すべてを人々にせよ)を遵守しよう

 

④宗教対話と宗教教育は和解の近道。特に貧困で出生率に高いイスラム圏では必須。

 

⑤ローマ法王とペレス氏の会談で出された、「宗教版国際連合提案」を具現化しよう。

 

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アジアの平和 ⑦インド、パキスタンの核兵器保有の経緯 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回の、「中国の非核化」に続いて、インド、パキスタンの非核化ついて考えてみよう。

 

1.インド、パキスタン分離独立の経緯

 1947年、多くの植民地を支配した大英帝国のイギリス領インド帝国が瓦解し、インド連邦とパキスタンの二国に分かれて独立した。

インドはヒンドゥー教徒が多く、パキスタンはイスラム教徒が多い国になった(コラム参照)。

両国の取り残された少数派教徒が、強制移動などで1千万人以上が難民化し、暴動、虐殺、報復の連鎖が起きて、死者数は100万人に達したという。非暴力を説いたガンジーが暗殺される事件もあった。

大英帝国の没落を象徴するこの独立は、印パ分断と呼ばれている。後に、パキスタンのうち、飛び地の東パキスタンが、バングラデシュとして独立した。

 

2.インド、パキスタンの戦争

 最後まで帰属先を決めかねていた、カシミールの帰属をめぐって、印パ戦争が1947年、1965年、1971年の3度にわたって戦われ、いまだに解決していない。しかも、両国の対立はインドの核開発と、それに対抗するパキスタンの核開発という、国際政治上重大な結果を招いた。

 

3.インド、パキスタンの核兵器保有

 インドは、1974年と1998年に核実験を実施し、6番目の核保有国になった。パキスタンに対する示威行為であったと言われている。

 パキスタンは、インドに対抗して、1998年に核実験を実施し、7番目の核保有国となった。パキスタンの核開発には、北朝鮮、中国、そして日本企業の関与が疑われている。

 

4.インド、パキスタンの非核化戦略(後述)

 

5. まとめ(筆者コメント)

①欧米の苛烈な植民地支配に苦しむアジア各国に対し、日本は太平洋戦争を通じ、身を呈して独立を支援したと主張する人がいる。結果的に応援になったが、動機は国益の追求であったと思う。

 

②印パ分断の際、ガンジーは「イスラム教徒に寛容」で、「非暴力・不服従」を唱え、これに反対した狂信的なヒンドゥー教徒に暗殺された。インドでは、その後も、暗殺者を崇拝する動きや、不寛容が広がっているようだ。

 

③「非暴力・不服従」を唱え、断食するガンジーは立派だが、今の国際情勢では、自衛権まで放棄すべきではないと思う。自衛権は国際法でも認められた国家の権利である。

 

コラム1 南アジアの宗教信者数(億人)と構成比(%) ・・・ecodb.net 2018

南アジアの宗教

人口(億人)

ヒンドゥー教 

イスラム教

キリスト教

その他

インド

13.3

79.8

14.2

2.3

3.7

パキスタン

2.0

1.5

97.0

1.3

0.2

バングラデシュ

1.6

9.2

89.7

 

1.1

 


コラム2  世界の宗教信者数(億人)と構成比(%) ・・・Yahoo 2016

 

世界の宗教

信者数

構成比

 

世界の宗教

信者数

構成比

キリスト教

22.0

30.1

 

仏教

3.8

5.1

イスラム教

16.0

22.0

 

ユダヤ教

0.2

0.2

ヒンドゥー教

10.0

13.7

 

その他の宗教

6.0

8.5

儒教・道教

4.0

5.4

 

無宗教

11.0

15.0

 

 

 

 

人口合計

73.0

100.0


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アジアの平和 ⑥中国の非核化 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回の、「北東アジア非核兵器地帯構想」に続いて、中国の非核化ついて述べよう。

 

1.中国の核保有の経緯は次の通り

 1955年中ソ原子力協力協定締結、

  1957年ソ連が原子爆弾のサンプルとデータ提供、

1959年中ソ対立で原子力協定破棄・ソ連の専門家が帰国、

1960年中国が原子力自主開発開始、1964年初の核実験実施、

19652度目の核実験実施、

1966年核ミサイル発射実験成功、 1967年水爆実験に成功。

 

 核兵器数は2017年初めの時点で、米6800個、ロ7000個、中国270個、世界合計14,935個。

 

2.核軍縮へ、中国の取り組み

①核兵器先制不使用

1964年、中国は非核保有国及び非核兵器地帯に対し、核兵器の先制使用をしないと公約した。公約し、それを守っている唯一の核保有国であると主張している。

 1994年、中国は核兵器の先制不使用に関する、多国間条約の草案を提出し、核保有国に協議を呼び掛けているが、合意はされていない。

 

②非核兵器地帯の設置

 中国は、非核兵器地帯条約の締約を支持し、議定書に積極的に調印してきた。また、朝鮮半島、南アジア、中東などの非核地帯の設置をも支持している。

 

③核兵器不拡散条約

1984年、国際原子力機関(IAEA)に加盟し、1992年、「核兵器不拡散条約」に正式加盟した。

1998年、核物質の輸出管理を強化するため、「核両用物質及び、関連技術輸出規制条例」を公布した。

 

④核軍縮

中国は、核大国が、核脅威政策を放棄し、膨大な核兵器を保有する国が、大幅にその核兵器を削減することを主張した。また、核保有国が他国の領土に核兵器を配備することに反対し、その配備した核兵器をすべて自国に撤去することを主張している。

 

⑤核軍縮、核全廃への中国の貢献

 前記4項目はどれも核軍縮、核全廃につながる施策である。中国の取り組みは国際的に評価できるものである。

 

3.中国を非核兵器地帯にする戦略

前回の当ブログで、北朝鮮と日韓の三国が集まって、北東アジア非核兵器地帯の協議の場を作る提案をした。北朝鮮の非核化、在韓米軍の核撤去、日本の非核三原則堅持を実現して、北東アジアを非核兵器地帯にする構想である。

 

この北東アジア非核兵器地帯の協議の土俵に中国を乗せよう。米ロを除いた段階で、中国と合意形成は難しいが、協議開始に意味がある。安倍首相を本気にさせるのは困難だが不可能ではないと思う。

さらにその先、インド、パキスタンを巻き込んで、アジアの非核兵器地帯化が見えてくれば、国連が放ってはおかない。米ロも安閑としてはおられまい。

 

5. まとめ(筆者コメント)

①中国にも、強権体質の人、温厚な人など様々な人がいて、一色ではない。中国の脅威をとなえ、敵に仕立て上げる対応は間違っている。

 

②中国の覇権的な振る舞いを緩和するには、日本は米国から距離を置き、アジアの一員として戦略的互恵を目指して知恵を出し合う必要がある。対米従属一辺倒ではいけない。

 

③安倍首相様、米国の「核の傘」から出る勇気を持ってみましょう。別の世界が見えてくる筈です。

 

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アジアの平和 ⑤北東アジアを非核兵器地帯に [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回の「未来志向の対韓国外交」に続いて、北東アジア非核兵器地帯構想について述べよう。

 

1.非核兵器地帯の現状

安全保障を核兵器に依存しないと条約で決めた地域を非核兵器地帯と呼んでいる。現在までに、世界で署名された非核兵器地帯条約の締約国は下記の通り、6地域、116か国となっている。

1969年中南米33か国、1986年南太平洋(13か国地域)、

1997年東南アジア(10か国)、2000年モンゴル(1か国)

2009年中央アジア(5か国)、2009年アフリカ諸国(53か国)。

 条約には、核保有国が、非核兵器地帯への核攻撃や威嚇を禁止する内容も含んでいる。ただし核保有国の署名と批准が条件で、いわゆる「消極的な安全の保証」である。

非核兵器地帯とその締約国が増えてくれば、国連の場で、核兵器による攻撃・威嚇の禁止を勝ち取り、核兵器の抑止力神話をなくすことができると思う。核廃絶の視野が開けて来よう。

 

2.北東アジア非核兵器地帯構想

米朝協議が、一時の期待をよそに停滞している。北朝鮮は、非核化の段階に応じた代償を求めており、一気に進展する見込みはない。北朝鮮の非核化を望まない中国が、裏で糸を引いているという説もある。

こんな時こそ、日本の外交が試される時である。北朝鮮と日韓の三国が集まって、北東アジア非核兵器地帯の協議の場を作ってはどうか。

北朝鮮の非核化、在韓米軍の核撤去、日本の非核三原則堅持(コラム参照)を議題にして合意を目指すのである。米朝協議を待たずに、北東アジアを非核兵器地帯にできれば、前進である。

 

3.中国の非核化(後述)

 

4.インド、パキスタンの非核化(後述)

 

5. まとめ(筆者コメント)

 

①北東アジア非核兵器地帯の実現など、出来る筈がないと言う声が聞こえてきそうだ。だが、はなから諦めてしまうのは敗北主義である。

 

②非核兵器地帯の条約がないのは、米、ロ、EU、中東、アジア(東南アジアを除く)である。最後まで抵抗しそうな米ロに、みんなで圧力をかける体制を早く作ろう。

 

③北東アジア非核兵器地帯の協議の場が持てれば、拉致問題の解決にも、つながると思う。

 

コラム 非核三原則

 

非核三原則とは、日本が核兵器を「持たず、作らず、持ち込ませず」という3つの原則のこと。1967年当時の佐藤栄作総理が沖縄返還交渉時に言及し、翌年の施政方針演説で順守を表明、1972年、沖縄は「核抜き・本土並み」で返還された。これが評価されて、佐藤元総理は1974年にノーベル平和賞を受賞した。以後、非核三原則は日本の基本政策となった。

 しかし実態は、日米安保で、核持ち込み時には事前協議する規定があったが、米国は守らず、日本も黙認してきた。非核三原則の問題点は「持ち込ませず」が形骸化していることである。

 

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アジアの平和 ④未来志向の対韓国外交 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか。前回の「日韓関係の不都合な現状」に続いて、未来志向の対韓国外交を考えてみよう。

 

1.日韓歴史問題への外交姿勢

 日韓は隣国同士であるがために、歴史問題で多くの困難を抱えている。恨みの気持ちを癒すには、大変な努力が必要である。

 慰安婦問題で「合意は1ミリも動かさない」(菅官房長官)とか、徴用工判決は「暴挙だ」(河野外相)と必要以上に激しい言葉をぶつけたのでは、関係はこじれるばかりだ。韓国にもいる良識ある人々が、ものを言えなくなる事態は避けたい。

 一般に、歴史問題については、どこの国民も、事実や当時の状況を知らされていないことが多い。事実は事実として、しっかり広報することは大事である。その上で、言うべき立場の人は、必要最小限のコメントを出し、あとは、静かに待つのが良策である。

 

2.民間外交のすすめ

文在寅大統領は、会合で「過去の問題が未来志向的な日韓関係の足を引っ張るのは望ましくない」と述べた。未来志向的な関係を築くために、日韓は相手をもっと「識る」ことから始めよう。

 

①歴史の共同研究

日本の学校では現代史を習う機会が少なく、韓国では若者が被害の歴史を熱心に教えられ、恨の精神を植え付けられていると聞く。そこで、日韓の有識者間で、日韓と東アジアの歴史を共同研究すべきである。一致できない箇所は両論併記でよい。研究成果は各国の教科書に載せて、正しい歴史認識を持った未来志向のアジア人を育てたい。

 

②訪問客の誘致

 2017年、訪日韓国人は714万人に急増、訪韓日本人は230万人に減少している。両国国民の相互理解を促進するため、観光客やビジネス客をもっと増やす施策が必要である。

 

③民間交流の促進

A:日韓親善協会中央会は1976年に設立され、初代会長は椎名悦三郎氏、現会長は河村建夫氏。韓国側にも同様の組織があり相互交流を行っている。本年10月には、日韓パートナーシップ宣言20周年記念行事が開催された。青少年交流事業は今年で30回目になる。

B:NPO法人・日韓文化交流会は、2004年に設立され、文化交流とボランティア活動を通じて、ワンアジアの理念を目指す文化共同体で、日韓両国の友情と和合を目指している。年間10件以上のイベントを開催し、事務局は札幌と東京にある。

C:公益財団法人・日韓文化交流基金は、1983年に設立され、日韓両国民の相互理解と信頼関係構築のため、人的交流と学術・文化交流を実施している。特に青少年交流事業は活発で、毎年100名単位の相互訪問を実施している。

 

3.東アジア非核兵器地帯構想のすすめ

アジアを非核兵器地帯にする構想については、後述する。

 

4.東アジア共同体の理念共有

 アジアの平和は共同体の創設によってもたらされる。まず、韓国とその理念を共有し、中国を誘い込む手はずを整えよう。詳細は後述する。

 

5. まとめ(筆者コメント)

①文在寅大統領が未来志向を言いながら、言行不一致なのは残念である。

 

②徴用工問題の推移を見ると、「日韓併合は違法」論が根底にあるようだ。併合時代に日本は良いこともたくさんしたが、違法と言われても仕方ないところもあった。

 

③日韓の氷を解かすには、国際世論を味方につけ、民間外交も使って粘り強く説得するしかない。

 

④東アジアを非核兵器地帯にする構想や、東アジア共同体の推進については、後続の当ブログで、考えてみよう。

 

 

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アジアの平和 ③日韓関係の不都合な現状 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか考えてみよう。南シナ海、北朝鮮の次は韓国である。まず、日韓関係の不都合な現状を見てみよう。

 

1.慰安婦問題

朴槿恵政権の201512月、日本と韓国の外相会談で「日韓間の慰安婦問題が最終的かつ不可逆的に解決されることを確認する」と表明した。そして、20167月、日本が10億円を支出して、「和解、癒やし財団」が設立された。また、ソウル在韓日本大使館前の慰安婦像を撤去するよう韓国側が努力すると表明され、一件落着したように見えた。

 ところが、文在寅大統領は20189月、「和解、癒やし財団」の解散を表明、15年末の合意を破棄する可能性があると報道された。

 

2.徴用工問題

 201810月、韓国の大法院(日本の最高裁に相当)は、新日鉄住金の上告を退け、元徴用工4人に4000万円の支払いを命じた。

本件賠償請求訴訟は、2005年から始まり、1,2審は原告が敗訴したが、大法院が「個人請求権は消滅していない」との判断を示した結果、2013年、2審の再審で原告勝訴となった。大法院で5年間たなざらしの後、文在寅政権の催促を受けて、本年になって頭書の判決となった。

文大統領は、昨年、「個人請求権は消滅していない」という司法判断を尊重すると述べることで、大法院の判決に影響を与えた可能性がある。

今回の判決を受け、これから訴訟が乱発される恐れがある。

 

3.竹島領有権問題

 2012年8月、李明博大統領が竹島に上陸し、一時間半滞在した後、島を後にした。日本の歴史問題への不信感に加え、自身の金銭がらみの不祥事をぼかす狙いがあったと言われている。

201811月、韓国の国会議員ら20人余りが、日本政府の抗議を無視して竹島に上陸し、警備隊員を激励したという。それに先立つ10月にも、国会議員ら13人が上陸しており、1か月の間に2回も上陸を敢行したことになる。

 

4.朝鮮半島統一の最悪のシナリオ

 最悪のシナリオは、北朝鮮が核を保有したまま、南北が統一を果たし、朝鮮半島に核保有国家が出現することである。文在寅大統領の前のめりの外交姿勢を見ると、その可能性はあると思う。

 日本は、核弾頭搭載のミサイル攻撃におびえて、「日本核保有論」が沸き起こり、東アジアが核兵器のるつぼにならないか心配である。

 

5.まとめ(筆者コメント)

 

①韓国人は、もともと自民族中心主義者で、「朝鮮民族」のアイデンティティで固まっている。

②韓国人は、日本の植民地支配に対し、「恨」の精神で、恨みを晴らすことを悲願としている。

③日本たたきを画策、実行し、快哉を叫ぶ韓国人が多数を占める事態は、絶対に避けねばならない。

④日本人は、平和を愛する民族に生まれ変わったことを、辛抱強く発信し、ともに未来を創るパートナーになれるよう、努力をしよう。

 

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アジアの平和 ②日朝首脳会談の早期実施 [平和外交]

 新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか考えてみよう。南シナ海の次は、北朝鮮の非核化である。

 

1.北朝鮮非核化の見通し

北朝鮮の核問題をめぐる米朝協議は、停滞している。北朝鮮は2060個の核兵器や弾道ミサイルを保持しているが、これを保持したまま、これ以上生産しないことで米国と合意する公算が高いという。

 このまま、米朝会談の成り行きを見ているだけでは、日本の外交はゼロである。

 

2.日朝首脳会談の早期実施

 

①会談の即時呼びかけ

北朝鮮の核問題について、日本は外交の失敗で孤立し、蚊帳の外に立たされている。米国の陰に隠れて遠吠えしているだけでなく、すぐにでも、日朝首脳会談の開催を呼びかけるべきだ。制裁の強化を叫んで、相手が音を上げるのを待っているだけでは、らちが明かない。

非核化はアメリカに頑張ってもらうとして、日朝交渉のテーマは次の2点であろう。

 

②拉致被害者調査団の派遣

 拉致問題を米国大統領に依存する姿勢はいただけない。拉致被害者の身元調査のため、調査団の派遣を受け入れるよう、北朝鮮に申し入れるべきだ。拉致問題は解決済みという北朝鮮の姿勢を突き崩すには、粘り強い外交努力しかない。

 

③経済協力計画の提示

 朝鮮半島の非核化を実現し、日本が、国交を回復した後の経済協力について、青写真を示して、金正恩氏の食指を動かす策に出よう。

1965年の日韓請求権協定で、日本は、無償3億米ドル、有償2億米ドル、民間融資3億米ドルを投下して、韓国経済を浮揚させた経緯がある。物価上昇を考慮すれば、その倍以上を提示してもよいのではないか。

これは平和のための投資と考えれば安いものである。それに、先手を打つことによって、復興需要の取り込みも期待できる。

 

3. まとめ(筆者コメント)

 

①朝鮮半島の非核化は必須

韓国の文大統領は、朝鮮半島統一に前のめりである。北朝鮮が核を持ったまま南北統一を果たすことは、日本にとって悪夢であり、許容できない。

 

②拉致被害者の帰還は最優先課題

 2002年に拉致被害者5人とその家族が帰還したが、その後は全く進展がない。残りの拉致被害者帰還のため、日本は、国の威信をかけて外交努力をすべきだ。

 

③賠償金による財政赤字増大は心配無用

 日朝平和条約締結の際に、賠償金を支払うのはやむを得ない。賠償金は平和のための投資であり、国の借金が増えるという心配は無用である。(コラム参照)

 

コラム 国の借金で破たんはウソ

 (20179月の当ブログ野党再編⑦ 受け皿新党の金融政策参照)

 

 国の借金は3月末で、1,071兆円、一人当たり850万円というが、政府の借金であって、国や国民の借金ではない。政府には資産もあるうえに、通貨発行権があるから破たんはしない。

 デフレを完全に脱却していない今、デフレの悪循環を防ぐには、政府の財政出動が欠かせない。

 

物価が前年比3%程度上昇する好景気が定着までは、次の施策が必要。

 

①生産性向上のための技術投資の促進 ②減災投資拡大 

③新規と補修のインフラ投資拡大 ④消費税増税凍結 

⑤移民受け入れより、賃金アップで国民の就労意欲アップ。

 

 これで、日本は、生産性が向上し、GDPが増えて国民が豊かになり、税収が増えて基礎的財政収支が均衡する。

 安倍政権のプライマリーバランス黒字化、消費税増税より、参議院議員・山本太郎が叫んでいる、「反緊縮・財政出動」の方が正しい政策である。

 

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アジアの平和 ①南シナ海を平和の海に [平和外交]

 前回まで、「新冷戦の脅威」シリーズで、米中新冷戦の現状を見てきた。新冷戦の脅威を踏まえつつ、アジアひいては世界に平和をもたらすために、日本は何をしたらよいか考えてみよう。

手始めは、アジアの軍縮である。アジアを軍縮の先進地域にしようではないか。

 

1.南シナ海は誰のものか

中国は南シナ海について、遠い昔の漢王朝の記録を根拠に、九段線を勝手に引いて領有権を主張しおり、7つの岩礁を埋め立てて、滑走路やミサイル基地を建設し、軍事基地化を進めている。

もともとこの海域は、何十年も前から、ベトナムや、フィリッピン等が領有権を主張し実効支配しており、その他の海域は公海であって、周辺各国にとって重要なシーレーン(海上交通路)である。

フィリッピンの訴えを受けて、20167月、常設仲裁裁判所が、中国のいわゆる「九段線」に基づく過剰な歴史的権利を否定する判決を出した。力による現状変更は国際法に照らしても認められない。

 

2.南シナ海は新冷戦の震源地

米国は、中国と貿易戦争を戦っているが、もっと深刻なのは、南シナ海問題である。南シナ海の軍事拠点化と「一帯一路」を、中国の覇権奪取のための軍事戦略と見定めて、米国は、あらゆる対抗措置をとると宣言している。

 

3.南シナ海を平和の海に

南シナ海問題を根本的に解決するために、筆者は次の通り提案する。

 

①南シナ海協力機構の立ち上げ

 東南アジア諸国連合(ASESN)、中国、日本が参加して、南シナ海協力機構を立ち上げよう。

南シナ海をアジアのグローバル・コモンズと位置付け、周辺諸国の共有地として、資源や便益を共用するのである。

 最近、中国は、フィリッピンとの間で、資源の共同開発を進めようとしているが、これを東南アジア全体に広げるのが良いと思う。

中国は、「みんなの物は自分のもの、自分のものは自分のもの」と主張し、威嚇と札束で他国を従わせようとする癖がある。正義を大事にするよう真心を込めて説得すれば、わかってくれる人はいると思う。

 この構想は、上海協力機構(コラム参照)の海洋版である。日本は、米中の調停者になったつもりで、海域の平和増進のため機構の立ち上げに邁進したい。

 

②南シナ海行動規範の策定

東南アジア諸国連合(ASESN)と中国は、南シナ海の紛争予防のための仕組みとして、南シナ海行動規範(COC)の策定を進めている。李克強首相は、行動規範を3年以内に策定するとのべたが、法的起拘束力を持った、実効性と透明性のある規範を早急にまとめてもらいたい。

 行動規範は、将来、前項の協力機構の協定の一部に統合されることになると思われる。

 

4. まとめ(筆者コメント)

①南シナ海の軍事基地化は、習近平政権になって急激に進んだと思う。習氏は、中国の夢・中華民族の偉大な復興のために、国家の富強、民族の振興、人民の幸福を実現するという。中華ナショナリズムとどう付き合うか、それは、戦略的互恵関係の構築しかない。

 

②米中貿易戦争は、近々、中国の妥協で終息するが、覇権戦争の方は長く続くと思う。間を取り持つ、日本の外交力が問われる。

 

③東南アジア諸国連合(ASESN10か国も一枚岩ではない。ラオス、カンボジアは中国の子分、フィリッピンは半分子分であるが、ベトナム、マレーシアには骨がある。特に高齢のマハティール首相は、中国の札束支配を押し返そうとしている。

 

コラム 上海協力機構   中国、ロシア、カザフスタン、キルギス、タジキスタン、ウズベキスタン、インド、パキスタンの8か国からなる多国間協力の枠組み。2001年に発足。政治、経済、文化面の協力のほか、軍事同盟の色合いも強い。

 

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新冷戦の脅威 ⑤軍事力競争の動向 [平和外交]

 新冷戦の脅威の一因となっている世界各国の軍事力や軍事費の動向を見てみよう。

 

1.世界軍事力ランキング(2018年版)

軍事力評価機関・Global Firepowerは、毎年、世界136か国の軍事力について、50以上の項目を総合的に評価して、軍事力指数を算出し発表している。2018年版のベスト10は下表のとおりである。陸海空軍の戦力や、保有天然資源も発表されているが、ここでは省略した。

6位までは核保有国であり、3位までと、4位以下には大きな差がある。韓国は日本より上位になっている。

 

国名

軍事力

指数

人口

(万人)

兵士数

(万人)

軍事費

(兆円)

軍事費対GDP比率%

軍事費の

増加倍率

アメリカ

0.0818

32,662

208

64.7

3.15

2.00

ロシア

0.0841

14,225

358

4.7

4.26

4279.54

中国

0.0852

137,930

269

15.1

1.91

22.54

インド

0.1417

128,193

420

4.7

2.49

19.89

フランス

0.1869

6,710

38.8

4.0

2.26

1.41

イギリス

0.1917

6,477

27.9

5.0

1.83

1.58

韓国

0.2001

5,118

582

4.0

2.55

4.90

日本

0.2107

12,645

31

4.4

0.93

1.12

トルコ

0.2216

8,084

71

1.2

5.60

10

ドイツ

0.2461

8,059

20.8

4.52

1.22

1.18

 注1)韓国の兵士数のうち、正規軍は60万人で、残りは予備役。

 注2)軍事費対GDP 比率と、軍事費の増加倍率はガベージニュースより転載。

 注3)軍事費の増加倍率は、1992年から2017年までの25年間。ロシアはルーブル大暴落の影響。

 注4)表にはないが、サウジアラビアの軍事費対GDP 比率はダントツの10.29%。

 

2.大国の軍事費は増えている

 1992年から2017年までの25年間で、アメリカの倍増に対し、中国は22倍、インドは20倍、韓国は5倍に増えている。

ロシアはルーブル大暴落で数値は異常だが、軍事費対GDP 比率が4.26%と非常に高いので、実質では何倍かに増えているに違いない。

日本は1.12倍でほとんど増えていない。

 

3. まとめ(筆者コメント)

 

①トランプ大統領は、同盟国の軍事費を対GDP2%にするよう要請している。これは、世界の軍拡を激化するものである。日本は安請け合いしてはならない。

 

②中国の軍事費は、すでに、15兆ドルに達しており、これからも増える勢いである。軍拡競争を緩和するため、日本はアジアの軍縮を主導する外交をやり、世界の軍縮につなげてもらいたい。

 

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新冷戦の脅威 ④中国の「TPP加入」のススメ [平和外交]

 新冷戦の脅威を緩和する方策を考えてみよう。結論はアジアを一つにすることだと思う。アジアで輝いている日本を見てみたい。手始めは何か。

 

1.TPPの交渉経過とアメリカの離脱

TPPとは、太平洋を取り巻く国々で、関税撤廃を目指し、自由で開かれた貿易を実現するという協定である。2006年に交渉が始まり、201510月に12か国の間で、大筋合意に達した。日本は、農家への打撃を心配しながらも、2013年にアベノミクスの起爆剤にしようと参加した。

 ところが、トランプ大統領の登場を機に、リーダーたるアメリカが2017年にTPPから離脱した。日本は、関係国に働きかけて、アメリカを除くTPP11の2018年末発効にこぎつけた。

 

2.中国のTPP加入の意義

 もともと、TPPは、隠された狙いとして、中国排除があった。「新冷戦の脅威」を克服する戦略として、逆に、TPPに中国を取り込む手があるのではないか。中国のTPP加入について検討してみよう。

 新冷戦の脅威①で述べたように、中国の覇権的挑戦の姿勢は、どれもこれも問題だらけであると思う。日本は、中国に問題点を指摘して改善を促し、TPPの加入資格が得られるレベルになってもらう必要がある。狭い了見で、品性に欠ける中国崩壊待望論は引っ込め、虎穴に入って大きな虎児(中国)を調教するくらいの気概を持ちたい。

 中国のTPP加入の意義は、新冷戦の脅威の軽減であり、アジア経済圏の発展であり、日本の国益と生存領域の拡大である。

 

3.インド太平洋戦略の新しい枠組み

 今、日米で、以前からあったアジア太平洋にインドをプラスした、インド太平洋という概念が提起されている。「自由で開かれたインド太平洋」戦略によって、台頭する中国を抑え込もうとしているようだ。

自由で開かれたという枕詞は、自由と民主主義の価値を重んじる国々がまとまって、共産主義や独裁国家を排除する意図である。しかし、価値観外交や、排除の論理からは何も生まれない。

 インド太平洋構想に中国を取り込んで、インド洋からアラビア海、湾岸、アフリカに至る経済圏を構築したい。この際、枠組みからアメリカを排除するのではない。アドバイザーとして重要な役割をはたしてもらおう。

 

4.中国の「一帯一路構想」との統合

中国の「一帯一路構想」は、ユーラシア大陸の東と西を結ぶ「陸と海のシルクロード」と呼ばれる地域に、交通インフラ整備(高速鉄道の建設)などの大規模な投資を実施することによって、地域経済全体の底上げを図るというダイナミックな構想である。

日本は、2017年に「一帯一路」に関心ありと表明し、参加の準備をしている。そこで、前項で述べたインド太平洋構想と一帯一路構想を統合し、より強力でパフフォーマンスの高い経済圏を構築したらいかがでしょうか。中国と未来の大国インドを、日本が取り持つ形になる。

統合によって、新冷戦の脅威は軽減し、世界の恒久平和に向かって、一歩、近づくことができると確信する。

 

5. まとめ(筆者コメント)

 

①中国はTPP加入の過程で、自国の非関税障壁を改善し、節度ある大国に産まれ代われると思う。

 

②新冷戦の勃発で、中国は日本に秋波を送っている。今がアジアを一つにするチャンスである。

 

③間違っても、米日対中露が敵対する、一触即発の大冷戦の構図を作ってはいけない。地球が壊れる。

 

④「中国はすぐに崩壊する」、「日本は属国にされてしまう」、「政治体制が異なる国同士は交われない」、などの小児病的な俗論がはびこっているが、全くナンセンスである。

 

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新冷戦の脅威 ③悪魔が操る悪魔の兵器 [平和外交]

 米ソ冷戦が終わったと思ったら、また、新しい米中新冷戦が始まった。前回のブログで述べたように、貿易戦争だけでなく、いまや、安全保障に関わる覇権争いの様相を呈してきた。

 

1.悪魔が操る悪魔の兵器

 いま、大国の間で、下表のとおり、新型兵器の開発競争が始まっており、まさに、悪魔が操る悪魔の兵器が続々登場している。

 

種類

性能

開発国

小型核兵器

核兵器の小型化、多弾頭化、長射程化、命中高精度化、戦略・戦術の多様化が進んでいる。

トランプ政権の「核戦略見直し(NPR)」宣言で、一層緊張が高まった。

核保有

5か国、

+北朝鮮

神の杖(宇宙兵器)

ロケットを取り付けた金属棒を軍事衛星からマッハ9.5で地上に突き刺す。貫通力は数百m。破壊力は核弾頭並み。

テイザー・ショックウエーブ

ワイヤー付きの電極針を敵に向けて発射、命中したら高圧電流を流し、相手を無力化

レーザー兵器

指向性エネルギー兵器。赤外線ビームを照射して、標的を破壊。米はすでに、ペルシャ湾の輸送揚陸艦に装備。

/

パワードスーツ

兵士の負担軽減をする動力アシストシステム。神経を流れる電気信号を感知して操作。

電磁パルス砲

(EMP砲)

電磁パルスを放射、電子機器を破壊。

虫型ドローン

カナブンや蚊の形状。偵察機能をもつ。

MQ-9 リーパー

軍用無人航空機(軍事用ドローン)。航続距離6000キロ、速度400キロ/h。

気象兵器

気象を操作する戦術兵器で、他国を弱体化。

//

宇宙兵器

人工衛星を兵器化し、他国の衛星や地上ミサイル基地を攻撃。宇宙戦争の勃発。

//

原子力巡航ミサイル

(ブレヴェストニク)

射程無制限のステルス巡行ミサイル

原子力魚雷

(ポセイドン)

原子力で海中を巡行し、空母や港湾を核攻撃するロボット兵器 レーダー衛星とペア。

殺人ロボット兵器

AIを搭載し、標的を自動探索。形状は人型、ドローン型など。

多数

 

2. まとめ(筆者コメント)

 

①悪魔の兵器を持つと人は使いたくなるもの。ドローンなどを殺人兵器化するのは、何としても避けねばならない。新殺人兵器の制限は、新冷戦の緩和に役立つと思う。

 

②宇宙兵器開発競争が激化しているが、宇宙戦争は決して見たくない。日本は国連で先頭に立って、宇宙兵器禁止条約をまとめてもらいたい。

 

③トランプ大統領は1020日、ロシアと結んだ中距離核戦力(INF)全廃条約を破棄する方針を示した。ロシアが条約に違反しているのが破棄の理由としているが、ロシアは反発しており、軍拡競争が加速する恐れがある。米国は、離脱でなく、条約を盾にロシアの核開発政策の変更を迫るのが筋である。

 

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新冷戦の脅威 ②米中バトル [平和外交]

 米ソ冷戦が終わったと思ったら、また、新しい米中新冷戦が始まった。前回のブログで述べた、中国の覇権的な挑戦に対し、米国から厳しい反撃が開始された。米中バトルの現状を見てみよう。

 

1.米中の貿易バトル

 今年3月、米国は、鉄鋼25%、アルミニューム10%の関税措置を発動した。相手は、中国、日本など、多くの国が対象となった。これとは別に、中国の対米貿易黒字が突出して大きいことから、下記のような米中貿易戦争が行われている。

 

2018

米国の関税措置

/億ドル

中国の対抗措置

/億ドル

76

半導体などに25

340

2回に分けて

報復関税25

 

500

823

化学品など 25

160

924

日用品など 10

2,000

液化天然ガスなど

600

合計

     

2,500

 

1,100

  注)米国は、中国が報復すれば、制裁をさらに2,670億ドル追加するとしている。

 

2.米中の安全保障に関わるバトル

米中の安全保障などに関わる、最近の主な紛争は下表のとおりである。

 

項目

中国の措置

米国の措置

南シナ海

中国の駆逐艦が、米駆逐艦を追跡し、40mに異常接近

ペンス副大統領が抗議声明発表。

航行の自由作戦を続行。

南・東シナ海

米強襲揚陸艦「ワスプ」の香港寄港を拒否

米戦略爆撃機B52、南・東シナ海を飛行

ZTE制裁

ZTE(中興通訊)が製品や技術のイランへの禁輸措置に違反

ZTEとの商取引を7年間禁止

(ZTEは8千億ドル減収)

プロパ

ガンダ

中国メディア企業が、農業州であるアイオアの新聞に下記広告を出した。「米中貿易が相互利益をもたらす」

米国の選挙を操作する意図を持った、プロパガンダ広告と認定。

制裁検討中。

 

3.まとめ(筆者コメント)

①日米首脳会談(925日)の共同声明で、「非市場型の政策や慣行から日米両国の企業と労働者をより良く守るための協力を強化する。」と発表された。

対中貿易戦争に日本も参加せよと要求されたわけで、これからの対応が難しい。

 

②米中バトルで、いま、日本外交にまたとないチャンス到来。米中の調整役を買って出よう。

 

③日中は、何でも言える親友の関係になろう。

 

④日米は、時間をかけて、遠い親戚の叔父さんと甥のような関係を築いていこう。

 

追伸:軽い脳梗塞で、左手が効かなくなり、2週間入院し、今はほぼ回復しました。

投稿のペースダウンをお許しください。

 

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新冷戦の脅威 ①中国の覇権的な挑戦 [平和外交]

 米ソ冷戦が終わったと思ったら、また、新しい米中新冷戦が始まった。世界の歴史を見ると、随所に、愚かな人間の策謀と悪あがきで、多くの人命が損なわれてきた。美しく、かけがえのない地球の滅亡まで、地球週末時計であと3分という。憂慮に耐えない。回避の策はあるのか。

 

1.トゥキディデスの罠

 「新たな覇権国の台頭と、それに対する既存の覇権国の懸念が戦争を不可避にする」。これは、ギリシャの歴史家トゥキディデスが残した言葉で、トゥキディデスの罠と呼ばれている。

過去500年間に、こうしたケースは16回あり、うち12回で大きな戦争になったと言われている。

 台頭する中国は、覇権は狙わないと言いながら、正当性が怪しい自国の権利を強く意識し、覇権を狙う気持ちを内に秘めている。一方、既存の覇権国・米国は新興国・中国の挑戦に直面して、不安になり、相手を蹴落とそうと策を練っている。これが、現在進行中の米中貿易戦争であり、軍事的緊張が高じて、下手をすると本当の戦争になりかねない。

 

2.中国の覇権的な挑戦   

中国の覇権的な挑戦の、主な内容は下記の通りである。発展途上国なら許されても、大国となった中国には許されない。この「チャイナ・グローバリズム」に、世界がどう向き合うか問われている。

 

問題

覇権的な挑戦の内容

不公正な貿易ルール

・高い関税障壁(自動車は、米の10倍)

・知的財産権の侵害(スパイや剽窃による)

外国企業の投資制限

・外国企業に厄介な事業免許要件や出資比率規制を課す

・外国企業の中国進出を許す代わりに技術移転を強要

国内産業保護

・国有企業等に土地や資本を助成(競争優位狙い)

・国内企業に輸出助成や税制優遇

為替介入

・為替介入による人民元の為替調整(人民元安誘導)

軍備拡張

・中国の2018年国防費は、18.4兆円、前年実績比8.1%増。日本の5倍以上。武器装備品の近代化を急速に推進。

南シナ海海洋進出

・南シナ海に人工島を七つ、うち三つには滑走路建設。

軍事基地化を進めている。

イラン制裁違反

ZTE(中興通訊)がイラン禁輸措置に違反

 

3.まとめ(筆者コメント)

①自由貿易は相互主義で成り立つ。輸出相手国には自由貿易を求め、自国市場は関税、補助金、規制で保護するのは通らない。

 

②中国は、投資相手国の土地、企業は自由に購入し、技術移転を強要する。一方、自国では外国人の土地購入を認めていない。日本も、北海道などの水源地を、中国資本に乗っ取られないよう、規制を考えよう。

 

③中国は、外国に自国の労働者を大量に送り込み、相手国の雇用を奪うが、自国には移民を認めていない。日本にも、いくつかチャイナタウンができているが、節度ある移民受け入れが望ましい。

 

④中国崩壊論が良く聞かれる。中国崩壊待望論というべきかもしれないが、品性が透けて見える。ここは、向こう三軒両隣の精神で、おせっかいを焼くべきではないか。虎穴に入って、大きな虎児を調教するくらいの気概を持とう。

 

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21世紀、日本の針路⑰ 本シリーズのまとめ(下) [平和外交]

 「21世紀、日本の針路」シリーズの終わりに当たり、ポイントを二回に分けて述べよう。

 

1.東アジア共同体の構築

日本は、対米従属から脱却し、アジアに正面から向き合う新機軸の外交を進めたい。その第一歩は、東アジア共同体の推進である。東アジア共同体の真の目的と、目指すものは何かを考えてみよう。

(1)東アジア共同体が目指すもの

人、もの、カネの自由化を通じ、地域の競争力向上、豊かさの実現。ひいては、人権と安全が守られる社会と、戦争のない世界を実現する。

(2)政府主導のプロジェクト立ち上げ

当ブログの「東アジア共同体の歩み」で述べたように、共同体は多くの産官学の枠組みで研究され、報告されている。しかし、すでに研究段階は過ぎた。政府が本気で取り組む時期である。

(3)対中国のアプローチ

東アジア共同体の交渉において、難物は中国である。中国と交渉開始の合意ができれば、8割がた、スタートアップは完了である。日本は、中国を仮想敵とせず、交渉の本気度を態度で伝えるべきである。  

(4)ASEAN+3(日中韓)で、まず、交渉しよう

 日本は共同体の交渉で中国の圧力を緩和するため、インド、豪、ニュージーランドの力を借りようとして、ASEAN+6にこだわっていている。戦略ではあるが、日本の弱腰で、交渉の本格スタートを遅らせるだけである。「虎穴に入らずんば虎子を得ず」である。

(5)アメリカの説得

 日本が、アメリカを排除するのではなく、その支援を得ながら、アジアの平和的発展に、本気でコミットする決意を披露すれば、説得はできると思う。

 アジアのことは日本と中国に任せてもらって、アメリカは、地域連合を束ねる世界政府のような組織の中枢を担ってもらうのがよい。構想について、アメリカの心ある要人への根回しは必須である。

 

2.世界政府の構築

アジア、EU、米州などの地域連合の上に、これらを管理するための、世界政府機能の創設を提案する。これは、国連の改革というより、世界政府機能を新しく創設し、国連組織のうち、使えるものは組み込んで利用するという構想である。世界政府の真の目的と、目指すものは何かを考えてみよう。

(1)世界政府が目指すもの

 自由貿易の推進、地域連合(共同体)の統括、地球市民の人権擁護と安全保障、核兵器廃絶、恒久平和の保障である。

(2)世界政府創設の準備

 難民流出問題を手掛かりにし、日本が主導して、国連内に難民流出予防検討の仕組みを作り、難民流出の原因分析や対策立案の過程を通して、世界政府創設の準備組織を立ち上げよう。

(3)世界憲法の起草

 世界憲法は、国連憲章をなぞるだけでは不十分である。世界政府に必要な機能を新しく想定し、それをもとに草案を作ろう。お手本はたくさんある。

(4)世界政府の機能のデザイン

世界政府に必要な諸機能を新しくデザインし、質と量を定義しよう。世界政府、世界行政府、世界政府議会などが対象である。国連組織のうち、使えるものは組み込んで利用するという発想が必要である。

 

3.まとめ(筆者のコメント)

 

①東アジア共同体(ASEAN+日中韓)の輸出依存度は50%強、輸入依存度は60%強である。直接投資依存度も高く、流通コストは劇的に低下している。共同体推進をためらう理由はない。

 

②岡倉天心が「アジアは一つ」と説き、福沢諭吉が「脱亜入欧」と唱えた。今は、「親亜親欧」の時代ではないだろうか。

 

③超大国の横暴や、民族紛争の激化で地球は危機に瀕している。この危機を救うには、人類の勇気と英知を集めて、世界政府を樹立するしかない。

 

④核抑止力有用論は本当だろうか。核兵器は相互に防御不能であり、安価に、戦争をできなくしたというが、本当だろうか。テロ集団への移転や、不慮の事故対応、更新・廃棄費用などを考えると、決して安くはないと思う。代案がある。安心供与・信頼醸成に基づいた世界政府の樹立が答えである。

 

⑤難民流出後の対策より、流出予防が大事。世界政府の適切な対処が望まれる。

 

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21世紀、日本の針路⑯ 本シリーズのまとめ(上) [平和外交]

 「21世紀、日本の針路」シリーズの終わりに当たり、ポイントを二回に分けて述べよう。

 

1.歴史修正主義の清算

安倍首相は、過去に、「侵略の定義は定まっていない」、「植民地で良いこともした」などの発言があった。地球俯瞰外交を自慢しても、衣の下に鎧を隠すような態度では、東アジアでは、外交をさせてもらえない。

安倍首相にとって、歴史清算の象徴的な行動は、南京慰霊訪問である。南京を訪問して頭を下げるだけで、中国はもちろん、アジアの人々の態度がガラッと変わると思う。

 

2.近隣外交の改善

 米中貿易戦争の影響もあって、最近は、日中雪解けムードの気配が感じられるようになった。この機に乗じて、下記施策を実行し、一気に、東アジア共同体構築のキックオフに持ち込もう。

●中国の「一帯一路」構想に参加表明

AIIBアジアインフラ投資銀行)加入の表明

●アジア相互信頼醸成措置会議(CICA)に、正式参加表明

●東アジア地域連合(共同体)のキックオフ宣言

 ここまで信頼醸成ができてくれば、日本の憲法九条2項(戦力不保持、交戦権否認)を削除する憲法改正が可能になろう。九条1項(戦争放棄)さえ堅持すれば、国民からも、アジア各国からも、九条2項削除の賛同は得られると思う。

 

3.日米同盟の見直し

日本は、過去72年間、何回かあった日米同盟見直しのチャンスを逃してきた。安倍政権は、日米同盟に縋りついているが、同盟が完全に機能する保証はない。

この辺で、戦略を練り、勇気を振り絞って、日米同盟見直しの働きかけをすべきである。とりあえず、下記事項から取り組むのが良いと思う。

●対米、自由貿易協定/経済連携協定の維持

●日米地位協定の見直しの提起

●日米同盟の見直しの働きかけ

●米国の国連改革主導を要請

●世界政府における、国際問題解決リーダーへの就任要請

アメリカに敵対するのではない。日本の、東アジアの平和構築に向けた行動に対し、アメリカに支援し、見守ってもらうよう要請するのである。アメリカの、心ある要人への根回しが必須である。

日米同盟の見直しが、緒に就けば、近隣諸国が、日本を見る目ががらりと変り、日本が生まれ変わる契機になると思う。「案ずるより産むがやすし」である。

 

4.まとめ(筆者のコメント)

 

①東京裁判は、裁くべき根拠法がなかったというが、恨み節をうなっていても仕方がない。未来志向で再出発を図ったのは正解。

 

②中国を仮想敵とせず、共同体に本気で取り組めば、歴史認識や靖国問題などは、霧消すると思う。

 

③謝罪談話は、村山、河野、小泉、安倍など何回も繰り返されている。日本は、アメリカに従属し、アジアで、自ら「よそ者」に身をやつしているせいだ。別の道がある。

 

④敵を探してバランス・オブ・パワーで凌ごうとする強権政治が、いま氾濫している。ともに平和を作ってゆく国際協調の道を、真っ先に探そう。

 

⑤日米同盟は敵を作り出している。軍事同盟強化は、仮想敵の軍備を強化させ、敵対関係を増強する悪循環に陥るもので、賢明な選択とは言えない。

 

⑥経済成長期にも、今も、米・軍産複合体の支配は続いているが、そろそろ年貢の納め時である。


⑦破天荒なトランプ大統領の言動を見ていると、アジア連合や、国連改革にとって、チャンス到来に見える。彼の任期中に23歩前進したいものだ。


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21世紀、日本の針路 ⑮アタリの新世界秩序 [平和外交]

 ヨーロッパの知性と称される、ジャック・アタリ氏の近刊本「新世界秩序」を読んだ。副題が、30年後の世界を支配するのは誰か? 日本はどうすべきか? となっている。

 「新世界秩序」は、国連を改革して世界共同体を創設するのがテーマである。当ブログのシリーズで述べた世界政府の創設と重なり、大変参考になるので、シリーズの最後に取り上げる。

 

1.ジャック・アタリ氏の世界共同体

 世界共同体創設の論旨を、下表にまとめてみた。

 

 

名称

機能

備考

S

世界共同体

世界統治、世界法典の遵守

 

A

世界議会

世界共同体の意思決定

三院制

A1

世界市民議会

世界法の評決。首相指名(首相が大臣指名)。予算審議 

議員数1000人、議員任期5

A2

国家代議院

(現国連総会)

現国連総会に近い。領土紛争を管理。法典の起草に参与

各国、人口の大小にかかわらず、一律2人選出

A3

長期企画院

法典の原案提出。世界共同体の長期的(20年)安定、独立性、能力向上。将来世代の代表、地球環境や生物の保護

議員定数は300人。任期10年。

有識者。

B

世界統治機関

世界共同体の行政全般の執行。

 

B1

 首相

世界統治行政の責任者。公務員を採用し、予算案を編成、決定後、執行。

世界市民議会で選任、任期5年。首相が大臣を選任

B2

世界統治

評議会

(現安保理)

現安全保障理事会に近い。米、EU、露、中、印が拒否権保持。日本の他3国に将来拒否権付与。

他に10か国の非常任理事国を置く

すべての大陸の代表で構成。

G20と融合させる。

国連総会に報告義務あり。

国連総会に異議申し立権限付与

B3

7人委員会

世界の利益の代表者。法典遵守監視

三院で各2名選出、互選1名。任期7年、再任不可。議長持ち回り

B4

 世界警察

経済犯罪撲滅、民主主義擁護グローバル・リスク除去。

長官は、世界統治機関が指名、議会が承認。

B5

 防衛軍

世界の紛争の予防と解決

隊員は、長期企画院監督下の選抜試験を経て採用。

C

司法制度

世界法典(憲法含む)の遵守

法典は、世界議会が票決する

C1

 最高法廷

世界司法体系の頂点に立って、これを統括する。各国の裁判所は、世界法典との整合性をチェックされる。

裁判官は、三院によって指名。

D

民主政治制度

世界政党の結成、政策綱領の開発。

必要な予算をつける

世界情報機関を設置し、世論形成、文化交流などを促進する

E

金融システム

世界中央銀行を設けて、世界通貨を発行し、複数の世界投資銀行を通じて、金融の国際的均衡を図る

融資業務と預金運用業務を分離させる。

 

4.まとめ(筆者のコメント)

 

①世界統治評議会で、拒否権の行使が可能だが、これでは、大国の横暴が温存されることになる。議決権にウエイトをつけるなど、採択方法の工夫により、拒否権をなくすべきである。

 

②敵を探してバランス・オブ・パワーで凌ごうとする強権政治が、いま氾濫している。ともに平和を作ってゆく国際協調の道を、真っ先に探そう。

 

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21世紀、日本の針路 ⑭世界政府創設の段取り [平和外交]

 前回の当ブログで述べた、世界政府の理念を実現するための、世界政府創設はどのような段取りになるか考えてみよう。

 

1.世界政府創設の準備組織

 意外かもしれないが、いま世界で一番問題の難民予防を入口のテーマにしよう。難民流出は世界の困難の多くの割合を占めている。

日本が主導して、国連内に難民予防検討の仕組みを作り、難民流出の原因分析や対策立案の過程を通して、世界政府創設の準備組織を立ち上げよう。

 

2.世界憲法の起草

 世界憲法は、国連憲章をなぞるだけでは不十分である。世界政府に必要な機能を新しく想定し、それをもとに草案を作ろう。

コラム1の国連憲章の問題点や、コラム2の世界憲法予備草案などを参考にして、画期的な世界憲法を作りたい。

 

3.世界政府の機能のデザイン

世界政府に必要な諸機能を新しくデザインし、質と量を定義しよう。世界政府、世界行政府、世界政府議会などが対象である。(前回ブログ記載の「世界政府の組織図」参照)国連組織のうち、使えるものは組み込んで利用するという発想が必要である。

 

4.まとめ(筆者のコメント)

 

①英・アクトン卿の格言:「あらゆる権力は腐敗する。絶対権力は絶対に腐敗する。世界帝国(一極覇権国家)による安定した平和は危険。世界政府による不安定な平和はまだまし。」

 

②難民の流出は、アフガニスタン、南スーダン、シリア、ミャンマー、ソマリアなどからが多く、流入先において、社会の分断と紛争引き起こしている。流出を予防する活動が切望される。

 

コラム1 国連憲章の問題点

国連憲章は、前文と111条からなる。目的・原則、加盟国の地位、機関、総会、安保理、紛争の平和的解決、経済的・社会的国際協力などを規定している。

国連は、加盟国から国連軍に兵力提供を受けるための「特別協定」が、米ソ対立で草案の作成に失敗し、いまだに締結されていない。そのため、常備軍の編成の失敗で、国連軍の実態がなく、紛争解決をPKOに頼っているのが実情である。

 加盟国が急増したにもかかわらず、国連は、地球規模の諸問題に適切に対応できていない。拒否権を手放さない安保理常任理事会の改革や、経済・社会理事会の強化など、多くの問題を抱えている。

また、国連憲章には、いまだに敵国条項なるものがあり、日本やドイツがその対象になっている。直ちに削除しなければならない。

 

コラム2 世界憲法予備草案

 「世界連邦運動」の理念を表明したものに、世界憲法予備草案がある。19483月に世界憲法審議委員会によって発表された世界連邦の憲法草案である。

草案は、前文と全47条からなり、戦争防止のための権能と、正義と人権の保障を表明した。また、基本義務及び権利に関する宣言では、下記のような画期的考え方を含んでいた。

①「貧困の束縛からの解放、隷属的・搾取的労働からの解放」、

②「人種的・民族的な征服からの個人・集団の保護」

③「土地・水・空気・エネルギーを人類共通の財産と位置付ける」

 この草案の考え方には、一部批判もあるが、世界憲法の起草の際に、参考になる。


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21世紀、日本の針路 ⑬世界政府とその理念 [平和外交]

 アジア、EU、米州などの地域連合の上に、これらを管理するための、世界政府機能の創設を提案する。これは、国連の改革というより、世界政府機能を新しく創設し、国連組織のうち、使えるものは組み込んで利用するという構想である。世界政府の真の目的と、目指すものは何かを考えてみよう。

 

1.世界政府の目指すもの(下表)

NO

目指すもの

内容

自由貿易の推進

保護貿易主義が蔓延する今、自由貿易は世界平和の要である。WTOを改革し、グローバリゼーションの行き過ぎは制御しよう。

地域連合の管理

米州、アジア、EUなどの地域連合が機能するよう、支援と管理を万全に。

人権擁護と安保

難民や移民などへの人権侵害に対し、元を断つ施策が必須。

軍備増強による安全保障より、紛争予防や、安心供与・信頼醸成による軍縮を。

核兵器廃絶

核抑止力有用論の克服、核先制不使用を宣言する保有国の増加、核兵器による威圧を禁止、非核兵器地帯の面積増加、核兵器保有税の新設、核廃絶市民運動の展開(不買運動含む)

恒久平和の保障

各地域連合から少数精鋭を集め、地球防衛軍を編成して、紛争・戦争予防に当たる。世界憲法の遵守で、恒久平和を実現。

 

2.世界政府の組織

 世界憲法を制定し、これを実現する世界政府の組織は、概略、下図の通りである。

 

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3.まとめ(筆者コメント)

 

①超大国の横暴や、民族紛争の激化で地球は危機に瀕している。この危機を救うには、人類の勇気と英知を集めて、世界政府を樹立するしかない。

 

②核抑止力有用論は本当だろうか。核兵器は相互に防御不能であり、安上がりで、戦争をできなくしたというが、本当だろうか。テロ集団への移転や、不慮の事故対応、更新・廃棄費用などを考えると、決して安くはないと思う。

 代案がある。安心供与・信頼醸成に基づいた世界政府の樹立が答えである。

 

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21世紀、日本の針路 ⑫世界連邦政府推進運動 [平和外交]

1.世界連邦運動の経緯 

2次世界大戦の末期に、「将来の世代を戦争の惨禍から救う」ために、国連が創設されたが、数週間後、広島、長崎に原爆が投下された。平和維持機構としての国連に失望して、1946年、国家を超えた権威と権限を有する世界連邦機構を作りたいという世論が起こった。

 世界連邦運動は、国連の改革と強化を通して世界連邦を実現し、世界連邦政府の法の下で、平和と人権を守ってゆける世界を構築する運動である。

アインシュタイン、チャーチル、湯川秀樹などの著名人が賛同した。

 

2.世界連邦運動の活動方針 

1947年、スイスのモントルーで開かれた第一回世界大会で、世界連邦政府運動の組織や方針を発表した。いわゆるモントルー宣言の内容を要約すると下記である。

①全世界が対象 ②国家の主権の一部を世界政府に移譲 

③世界連邦法は個人を対象に ④各国の軍備を全廃し、世界警察軍を設置 

⑤原子力は世界連邦政府のみ所有し管理 ⑥経費は個人からの税金で賄う

 

世界連邦政府への参加資格は個人単位であり、事実上の「単一世界国家」(ワンワールド)建設である。

 

3.世界連邦運動の日本の活動

終戦直後に、尾崎行雄ら有志議員が「世界連邦建設に関する決議案」を国会に提出。1948年「世界連邦建設同盟」が結成され、尾崎行雄が初代会長になった。第5代会長に湯川秀樹が就任している。

「世界連邦建設同盟」はのちに、「世界連邦運動協会」に名を変えて活動している。

2005年、衆院本会議での「国際平和の構築への貢献決議」を受けて、外務省総合外交政策局に世界連邦運動の窓口を設置した。

日本国内の関係団体として、世界連邦推進日本協議会、世界連邦日本国会委員会、世界連邦宣言自治体全国協議会、世界連邦日本宗教委員会、世界連邦日本仏教徒協議会、世界連邦文化教育推進協議会などがある。

 

4.世界連邦日本大会

 世界連邦運動の最近の事例として、2018/8/18 第34回世界連邦日本大会が亀岡市で開催された。スローガンは「地球に国境はない」で、千玄室(大宗匠)の記念講演があり、テーマは「世界の人とともに―和の心―」。後援:外務省、文部科学省、京都府

 

5.世界連邦政府の実現を求めた著名人の言葉(筆者が要約)

アインシュタイン 世界政府を擁護するのは、他に人類の破滅を避ける方法がない。

湯川秀樹     世界連邦は昨日の夢であり、明日の現実である。

バートランド・ラッセル 大戦争を恒久的に阻止する機関は世界連邦政府しかない。

尾崎行雄     世界の廃藩置県なくして、人類の平和はない。

アーノルド・トインビー 世界政府の「平和と正義」が世界を救うであろう。

賀川豊彦 人類の解放は世界連邦国家しかない。争いはやめ、公儀と親切を伝統とせよ。

ネルー(インド) 世界政府は来るであろう。それ以外に、世界の病気を治せない。

稲盛和夫 EUは世界連邦政府のひな型。為政者はその拡大を考えよ。

梅原猛  EUのような組織を世界各地に作り、その上に、世界連邦政府を作ろう。

千玄室   「普遍的な人類愛」こそ、平和な世界の実現につながる。

アグネス・チャン  平和は砂のようなもの。気を抜くと指の間から零れ落ちる。

 

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21世紀、日本の針路 ⑪国連改革の試み [平和外交]

 東アジア共同体のような地域連合の構築に引き続くテーマは、世界政府の樹立である。アジア、EU、米州などに、それぞれの地域連合体が首尾よく構築された後、それらを束ねる世界政府をどのように作ってゆくかを考えてみよう。日本の安全保障にも革命的な好影響があると思う。

下図は、このシリーズの初回に掲載した図の一部である。国連の表示を、世界政府に変更させていただいた。

 

未来

2018

 

世界政府

(国連)

東アジア共同体

政権

国民

 

1.国連安保理改革の現状

国連改革の最重要課題は、国連安保理改革である。194551か国で発足した国際連合(国連)は、現在193か国が加盟する国際機関となっている。

国連の安全保障理事会は常任理事国(戦勝国)の5か国、非常任理事国(任期2年)の10か国で構成され、日本は過去に11回非常任理事国を務めた。

 国連安保理改革の一つとして、非常任理事国の数を15か国に増やす案や、日本などを常任理事国に格上げする案などが検討されているようだが、73年たっても実現していない。

最大の問題は常任理事国の拒否権である。中国、ロシアがらみの議題は両国の拒否権発動で、採択されることはなない。世界政府機能を持つなどは夢で、国連は機能停止に陥っている。

20167月の当ブログ「国際改革は地域連合から」参照

 

2.世界連邦政府推進運動の経緯(次回詳報)

 世界連邦運動(WFM)は、国際的な非政府組織で、世界のすべての国家を統合した世界連邦の成立を目指している。1946年、国連の戦争抑止能力に失望した世界の有識者が、「世界連邦政府のための世界運動」を起こした。アインシュタイン、チャーチル、湯川秀樹などが賛同した。運動の詳細は、次回の当ブログで述べる。

 

3.国連中心の安全保障

 日本国憲法は1946年に占領軍によって制定され、9条により、戦争を放棄し、軍隊を持たないこととなった。日本はダルマさんになったが、何かあれば国連が守ってくれると期待されていた。

ところが、東西冷戦がはじまり、国連が全くあてにできなくなり、代わりに1952年にアメリカと安全保障条約を締結し、守ってもらうことになった。対米従属の始まりである。

 1989年の冷戦終結を機に、アメリカの代わりに国連に安全保障を委ねるとする提案があった。(加藤典洋氏の「戦後入門」参照)

国連軍を増強して、加盟国の安全保障を担ってもらう構想であるが、現行の安保理体制では、実現は難しいと思われる。

 

4.地域連合と世界政府(筆者の提案)

アジア、EU、米州などの地域連合の上に、これらを管理するための、世界政府機能の創設を提案する。これは、国連の改革というより、世界政府機能を新しく創設し、国連組織のうち、使えるものは利用するという構想である。

詳細は当ブログの後続の記事で述べる。

 

左端は大山、中央に富士山頂(町田市成瀬尾根道から)

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21世紀、日本の針路 ⑤平成不況期の「国のかたち」  [平和外交]

 ⑤の記事が、投稿漏れとなっていたので、遅まきながら投稿する。

バブル崩壊後の不況期と平成時代の30年は、ほぼ重なっている。この時期は、グローバル化の進展で、アメリカの多国籍(無国籍ともいう)企業の隠然たる支配があり、日米安全保障条約による、軍産複合体の日本支配も続いている。日本は、70年以上、体制転換をしようとしなかった。

平成不況期の「国のかたち」は、簡単に表わすと下図の通りになると思う。この図は、前回の当ブログに掲載した図と同じである。 平成不況期の主要な出来事の歴史的な意味を考えてみよう。

 

 

戦後

19452018

 

国体

(米国)

米・軍産複合体(注)

政権

国民

(注)ジャパンハンドラーともいわれ、日本の官僚を従えて、日本を支配している。

  :矢印の向きは国民主権の意味だが、権力の乱用もあって、十分ではなかった。

 

1.湾岸戦争

平成2年(19908月にイラクがクウェートに侵攻したのに対し、アメリカを中心とする55万の多国籍軍をアラビア半島に派遣した戦争。日本はアメリカの要求で130億ドルを支出したが、兵士を送らなかったということで感謝されず、バッシングにあった。

 

2.ソ連崩壊

平成3年(199112月に、ソ連のゴルバチョフ大統領が辞任し、同時に各連邦構成共和国が主権国家として独立したことに伴い、ソビエト連邦が解体され消滅した。アメリカとともに2大超大国として69年間続いたソ連が崩壊し、冷戦時代が終わり、アメリカ一極支配(1G)の時代に入った。

 

3.村山談話

平成7年(1995815日、村山富市元首相は総理官邸で記者会見し、「日本の植民地支配と侵略によって、多くの人々、とくにアジアの諸国の人々に多大な損害と苦痛を与えた」と発表、大東亜戦争を侵略戦争と断定し、「痛切な反省の意を表し、心からお詫びの気持ちを表明いたします」と述べて頭をたれたこの種の謝罪談話は、河野、小泉(演説)、安倍など何回も繰り返されている。

 

4.日米安保共同宣言(平成8年(19964月)

訪日したクリントン米大統領と橋本首相の日米首脳会談で合意された日米安保の共同宣言。冷戦終結に合わせて、中国を念頭に、範囲を極東からアジア太平洋に拡大し、軍事同盟色を強化した。

 

5.新ガイドライン(日米防衛協力のための指針)

①平成8年の日米安保共同宣言を受けて、日本の分担を、極東以外の「周辺事態」に広げ、軍事大国化路線に踏み出した。

②平成27年、中国の海洋進出を念頭に、「切れ目のない対応」と称して、いつでも、どこでも自衛隊が米軍の後方支援をする体制を作った。

 

6.平和安全法制整備法案の強行採決(平成27年(20159月)

平成267月の集団的自衛権行使容認の閣議決定を受けて、11本の法律を作り、議会で強行採決をした。前項の新ガイドラインで約束した内容を法制化したもので、違憲を承知の解釈改憲である。

 

7.まとめ(筆者のコメント)

①平成時代というと、まず今上天皇のお姿が浮かぶ。天皇は国民一人ひとりの「祈り」を集めて祈ってくださるご存在である。平和日本の象徴であり、天皇の政治利用はすべきではない。

②謝罪談話は、村山、河野、小泉、安倍など何回も繰り返されている。日本は、アメリカに従属し、アジアで、自ら「よそ者」に身をやつしているせいだ。別の道がある。

③日米同盟は敵を作り出している。軍事同盟強化は、仮想敵の軍備を強化させ、敵対関係を増強する悪循環に陥るもので、賢明な選択とは言えない。

 冷戦終結から30年近く、いまだに、対米従属から抜け出そうとしない政治が情けない。

 

 

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