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フェイクニュース③ フェイクニュース対策の実例 [政治・社会]

 当ブログでは7月に、「国民の知る権利」シリーズを掲載した。フェイクニュースは、「国民の知る権利」を害し、国民を誤った方向に導く元凶である。

 最後に、その対策の典型例を下記しよう。

 

<<フェイクニュース対策の実例>>

 

フェイクニュース対策の実例

イタリア

義務教育に、フェイクニュースを拡散させないための課程を設けた

ドイツ

フェイクやヘイトの投稿削除をネットメディアに義務付け、違反に対し高額の罰金を課すことにした

ノルウェー

ウエブサイトの記事にコメントする際、記事を読んだら応えられる小テストに回答を求める

チェコ

虚偽情報の鑑定サイトを立ち上げた

米ツイッター社

大統領選に介入した、ロシアメディア「ロシア・トゥデー」「スプートニク」社に対し、広告禁止とした

グーグル

「事実検証フォーラム」と提携し、偽ニュース対策強化。

コピペのような品質の低いサイトは検索順位を下げる

フェースブック

メディアとネット企業が連携し、利用者の通報が一定数を超えた投稿を外部機関が検証し、結果を、元の記事の下に表示

 

 

日本

メディアと大学の研究者が連携し、「ファクトチェック・イニシアティブ」を設立。ガイドライン作成や、ファクトチェック支援システムの構築をめざしている。

 「日本ジャーナリスト教育センター」が中心になって、「フェイクニュース研究会を立ち上げ、実態調査を開始した。

 

コラム ボット(BOT)について

インターネット上の情報収集や自動投稿のため、ロボットのように働いているプログラム。ボットを動かし操作するには専用サーバーが必要である。

  1. インターネット上の情報を収集するボット 

悪質業者がスパムメールを送る目的で、インターネット上でメールアドレスを収集するボット。ウイルスやワームも広義のボットである。

検索エンジンで、リンクをたどってページを収集し、登録するボットもある。

 

2.ツイッターにおけるボット 

プログラムによって自動的につぶやきを発信するアカウントをボットと呼ぶ。人間そっくりのつぶやきをするボットもいて驚かされることもある。

 

3.面白系ボットは広告に利用されるので注意

 運用者が集客用アカウント(複数可)、広告用アカウントを用意し、役割分担させる。

集客用アカウントは、人が面白がる文句や、画像を集めてツイートし、「面白かったらRT」「同意出来たらRT」の要請文を混ぜて、拡散を誘導する。拡散大成功

一方、「広告アカウント」は集客用の言い回しに似せて宣伝文句を書き連ね、広告リンクを貼る。それを集客アカウントがリツイート(拡散先に転送)し、多くの人の目に触れるよう誘導する。表現が面白系ツイートと似ているので、広告と気づかず、クリックしてしまう。広告大成功

 

4.ボットが「フェイク世論」でっち上げ(ロシア疑惑の場合)

ディジタルプロパガンダ用のボットが、米大統領選の世論操作のため、記事を自動作成し、大量に投稿していたことが発覚した。新たな情報戦の始まりとみられている。


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フェイクニュース② フェイクニュースの原因と対策 [政治・社会]

 当ブログでは7月に、「国民の知る権利」シリーズを掲載した。フェイクニュースは、「国民の知る権利」を害し、国民を誤った方向に導く元凶なので、何回かに分けて考えてみよう。

 

1.フェイクニュースが蔓延するわけ

ブログやソーシャルメディアで、フェイクニュースが蔓延するにはいくつか理由がある。

  1. 情報発信、流通コストが低廉で、誰でも簡単に発信できるため、質の悪い情報も流される。

  2. 視聴者が情報を受け取るコストも安価で、時には、ただほど高いものはない現象が起きる。

  3. 膨大な情報量に圧倒されて、リアルタイムの法的規制が事実上不可能である。

  4. 結果、まじめな報道機関が、人材調達難と財政難に苦しみ、質の悪化に拍車がかかる。

 

2.ニュースの信頼度低下、影響、対策

ギャラップ調査によると、ニュースメディアを信頼すると答えた人200550%、201540%、201632と、信頼度が年々低下している。

フェイクニュースの蔓延は、この地球上に、民主主義の棄損、人種差別の助長、社会の分断をもたらしている。

 フェイクニュースに対する最善の防衛策は、結局は、質の高いジャーナリズムである。ジャーナリズムが生き残るには、読者にその価値を分かってもらう必要がある。

  

3.フェイクニュース対策、10のチェックポイント

NY私立大学准教授のバーバラ・グレイ氏が提言した、「フェイクニュース対策 10のチェックポイント」を紹介しよう。筆者が大幅に改定したリストである。

 

<<読む側の7つのポイント>>

 

項目

内容

疑う心

シェアする前に疑ってみて、検証する

事実確認

事実を調べる習慣を作る

情報源確認

誰の発言か、矛盾する情報はないか

信憑性テスト

信じてもよいか確認

情報源開示

元の情報源を挙げているか

潜在意識

信じようとする潜在意識はないか

落とし穴

偏見をあおるためのねつ造に嵌っていないか

 

<<書く側の3つのポイント>>

 

項目

内容

事実確認

ファクトチェックを確実にやる

チェックリスト

信頼できる情報源や、ファクトチェックサイトのリストを用意して置き、いつでも参照できるようにする

署名

記事に書き手の所属を明記し、署名する

 

コラム フィルターバブルとは

 インターネットで、利用者が好ましいと思う情報ばかりが、選択的に提示されてしまう現象。検索エンジンなどの学習機能によって、自身の作り出したフィルターで、泡(バブル)のようにつつまれて、思想的に社会から孤立するさまを表す。(ディジタル大辞泉より)

 

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フェイクニュース① 病理と典型例 [政治・社会]

 当ブログでは7月に、「国民の知る権利」シリーズを掲載した。フェイクニュースは、「国民の知る権利」を害し、国民を誤った方向に導く元凶なので、何回かに分けて考えてみよう。

 

1.フェイクニュースの病理

 インターネットニュース、フェイスブック、ツイッターなどのメディアに投稿されたフェイクニュース(虚偽情報)は、いま、雲霞のごとく世界中に蔓延している。

検証を経ない投稿、真否を確認しないままの拡散(リツート)、安易な引用が元凶である。

信じたいものだけ信じ、自分が好む情報だけを受け取る性向が、社会の分断を生み、多様な意見に心を開く寛容性がむしばまれてきている。

 

2.フェイクニュースの典型的な事例(下表参照) 

 

区分

フェイクニュースの内容

 

 

米大統領選におけるトランプ陣営の虚偽戦略

ローマ法王がトランプ候補支持を表明

クリントン候補が児童買春組織に関係。

(信じた男がレストラン襲撃)  

クリントン候補がISに武器売却

クリントン候補のメール問題を捜査するFBI捜査官が無理心中

クリントン候補が得票率で上回ったのは、数百万票を操作したから

クリントンが講演で「若者は負け犬だ」と発言。

(大手メディア引用)

秘密の世論調査でトランプ候補リード

オバマ大統領がホワイトハウスに自分に銅像を建てた

(偽写真付き)

 

 

社会分断

米警官の黒人射殺事件現場にポケモンGOのプレイを呼びかけ。ロシア関連企業の影。フェイクとは言えないが米社会分断の意図。

Blacktivism(注1)の一例。

千人のシリア人の暴徒が警察を襲撃、ドイツ最古の教会に放火。

(米保守系サイト「ブライトバート」が普通の記事を引用し、悪意の改竄をした。結果、移民の放火事件として、非難のメッセージ多数)

 

 

ビジネス・

金儲け

マケドニアの小さな街「ベレス」で、小遣い稼ぎのFBの政治ネタサイトが繁盛。アクセスがおおく、ネット上の金鉱という。

大手IT企業DENA、記事の間違いが多く指摘された。肩こりに霊が関係している。日焼けにはぬれタオルで冷やすのがいい。

(医療情報サイト「WELQ」が閉鎖された)

アクセスが集まるような、見出しで引っ張る記事を、安価で募集するクラウドソーシング。

 

 

 

愉快犯

海水温の急激な変化は大地震の予兆だ

福岡の陥没事故で出来た穴は、放射能汚染された土で埋めれられた

WHOが大麻は有害だという根拠はないと発表した

日本人の女の子が韓国でレイプされたが裁判で無罪になった

熊本地震で、動物園からライオンが逃げ出した。

(都内の男性10万人のフォロワーに拡散、逮捕、立件見送り釈放)

(動物園への問い合わせ100件)

立憲民主党はフォロワーをカネで買った(証拠はなかった)

  注1 Blacktivism 黒人と社会運動をかけた言葉。警官の黒人暴行事件を批判して、共感を呼んだ。その後の調査で、ロシア関連企業に運営されていたことが判明。米社会分断の意図が見える。

 

コラム 用語の定義:フェイクニュース(インターネットを通じて、事実でないことを発信する偽のニュース)、ファクトチェック(事実の確認) ポスト・トゥルース(脱真実・真実は二の次とし、個人の感情や信念に訴えることを重視)オルタナティブ・ファクト(もう一つの事実・不実の言い訳)


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国難突破③ 高齢化にどう対応するか [政治・社会]

 安倍首相は、北朝鮮の核脅威と並んで、少子高齢化を国難と位置付けた。本稿では、高齢化にどう対応するか考えてみよう。

 

1.高齢化の現状

WHOによると、高齢化率7%超を高齢化社会、14%超を高齢社会、21%を超高齢社会と定義している。日本の総人口は、2016101日現在、12693万人で、65才以上の高齢者は3459万人、総人口に占める割合(高齢化率)は27.3となっている。(内閣府の高齢社会白書) 

高齢者人口のうち「6574才人口」は1768万人、総人口比13.9%、「75才以上人口」は1691万人、総人口比13.3%である。なお、高齢化率増加の原因は長寿命化と少子化とされている。

ちなみに、2016年の生産年齢人口(1564才)は7654万人、60.3%、年少人口(15才未満)は1574万人、12.4%で、年々減少している。

 

2.高齢化の将来像

 将来推計人口でみると、高齢者人口は、2036年に高齢化率33.3%(3人に1人)、2042年に3935万人でピークを迎えるが、2065年には38.4%に達すると推計されている。

 ちなみに、2065年の生産年齢人口は4529万人、年少人口は898万人と推計されているが、賢い政策選択で、劇的に変えることはできると思う。

 

3.高齢化の対策

(1) 少子化対策(前回ブログ参照)が高齢化率の引き下げに役立つ。

(2) 働く意欲のある高齢者を増やし、自立を支援する。下表①、②、③参照

(3) 健康寿命を延ばし、高齢者に関わるコストを削減する。下表④、⑤参照

(4) 少子高齢化や労働人口減少イコール経済衰退ではない。高齢者増=需要増である。

(5) 先端技術投資による生産性向上と経済成長で、日本を元気にしよう。

 

<<高齢社会を活性化する先進的な事業>>

事業名称

事業目的

説明

  りぷりんと

神奈川県川崎市ほか

絵本の読み

聞かせと

世代間交流

シニアボランティアによる絵本の読み聞かせを通じて、世代間交流を進め、豊かなコミュニティーを構築している。高齢者の生きがいづくりになっている。

  葉っぱビジネス

徳島県上勝町

高齢農家が多い過疎の

地方創生

和食に添える「つまもの」を栽培し、パソコンやタブレット端末を駆使して、生産管理し、全国に出荷している。ICT(情報技術)の先進事例である。

  ネクスファ

千葉県柏市

高齢者就労

支援と、

世代間交流

高齢化率40%を超える豊四季団地で、高齢者の生きがい創造に役立つ、就労支援事業。農家、食堂、保育園、介護施設等に就労を斡旋している。

子どもの居場所・学び舎づくりにもなっている。

  ポケット

ドクター

遠隔診療

スマートホンを利用し、医師と患者がビデオ通話で繋がる遠隔診療サービス。高齢社会で医療の便益向上、コスト削減が期待できる。

  見守りサービス

高齢者の安否確認

老親の安全・安心を確保するため、通報機、通話機、ポットセンサー、ドアセンサーなどを使って、安否を確認する仕組み。セコム、ALSOKなどが有名。


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国難突破② 少子化にどう対応するか [政治・社会]

 安倍首相は、北朝鮮の核脅威と並んで、少子高齢化を国難と位置付け、全世代型社会保障を掲げて総選挙に突入した。消費税10%増税による増収の一部を子育て支援に充てるという。

子育て世代へ予算を増やすことについては、多様な国民の希望をくみ取って国会で議論するのが筋で、解散の理由にするのは筋違いである。本稿では、少子化にどう対応するか考えてみよう。

 

1.少子化の現状

2016年の出生数は97.7万人で、1918年以降初めて100万人割りこんだ。1949年の270万人に比べるとすごい減少である。

合計特殊出生率(一人の女性が一生に産む子供の平均数)を見ると、2016年は1.44で、2005年の1.26を底に改善したが、人口維持レベルの2.07には遠く及ばない。

 

2.少子化の原因

少子化の直接的な原因は、下表のとおり、晩婚化の進行、生涯未婚率の増加、婚姻率の低下が考えられる。

テーマ

摘要

晩婚化の進行

 

1980

27.0

24.7

初婚年齢は45才、遅くなっている

2015

31.1

29.4

生涯(50才時)

未婚率の増加

1947

1.5

2.5

50才時の未婚者は、大変多くなっている

2015

23.4

14.1

婚姻率の低下

(未婚化)

1947

12.0

婚姻率は、人口千人当たりの婚姻件数。

2015

5.1

 

少子化の間接的な原因としては、低成長経済、女性の高学歴化、女性の社会進出、住環境、若者世代の実質賃金低下、所得格差の拡大、保育所等子育て環境の不備、将来不安、結婚観の変化、育児費用の高騰などが考えられる。 

なお、育児費用については、22歳までの養育費1640万円、教育費1345万円(うち大学492万円)、合計約3千万円というデータがある。

 

3.少子化対策

 少子化の原因のうち、是正が必要な主な項目について対策を考えてみた。

(1)生産性向上の投資を促進し経済成長達成

 道路や橋梁などの老朽化は待ったなしの状況である。国は、国土強靭化のための公共投資を活発にし、需要を創出する。

 企業は、設備投資、技術開発投資、人材開発投資を活発にする。ロボット、IOT、人工知能など最先端の技術開発を進め、生産性を劇的に向上する。日本のような人口減少社会では、一人当たりの生産性を向上する以外に生きる道はない。

これにより、日本経済を5%程度の成長軌道に乗せ、デフレ経済からサヨナラをする。

 

(2)若者世代の実質賃金の向上

 経済のグローバル化の進展で、多国籍企業がのさばり、世界は過当競争に陥っている。企業は弱い立場の労働者の賃金を意識的、無意識的に抑制している。

 労働分配率を高めて、若者世代の実質賃金を向上するには、「労働分配率公表制度」を採用するのが望ましい。毎年新聞に発表して、業種別に比較できるようにし、是正を促す仕組みである。

 

(3)子育て環境の改善

 05才児のための幼稚園、保育園等の費用負担軽減。

 待機児童解消のため、保育施設拡充、職員待遇改善。

無償化は、国民の声をよく聴き、国会で十二分に議論して決めるべきである。

 

4.まとめ 

(1)少子化や生産年齢人口の減少をチャンスととらえ、一人当たりの生産性向上で乗り切ろう。 若者世代の実質賃金の向上こそ、少子化対策の肝。

(2)少子化や労働人口減少イコール経済衰退ではない。ジョージアなど東欧には、反証事例がたくさんある。

(3)少子化対策はフランスに学ぼう。(夫の産休制度、保育施設充実)

(4)財政再建は、経済成長による税収増で。

 

 

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国難突破① 北朝鮮の核脅威への対応 [政治・社会]

 安倍首相は、緊迫化する北朝鮮の核脅威への自身の対応に対し、「国難突破」と称し、国民の信任を得ると称して解散にうって出た。北朝鮮外交が急迫するこの時期に、1年以上も任期を残して解散する大義があるのか、混乱する野党の足元をすくうための陰謀ではないのか、疑問視する声が多い。

「国難」はナチスも使った手だ。北朝鮮の脅威を煽って、憲法九条改正の民意を作ろうとしているようにも見える。

 

1.安倍首相の北朝鮮外交の評価と注文

 安倍首相は国連演説で、北朝鮮への制裁を一段と強化するよう懸命に訴えた。対話は意味がないと声高の唱え、トランプ大統領と組んで、北朝鮮への圧力を強化している。挑発合戦がエスカレートして、いまにも戦争が始まるのではないかと恐れる人もいる。

 ミサイルが日本の上空を通過した際は、大気圏外にもかかわらず、Jアラートがならされて、住民に避難指示が発令された。いささか大げさな対応に対し、非難の声も聞こえてきた。

 安倍首相の外交は、一貫して対米従属であり、アメリカの軍事力に頼って、力と圧力と制裁のオンパレードである。

安倍首相には、トランプ大統領をけしかけるだけでなく、戦略的な平和外交に向かって条件づくりをやってもらいたい。喫緊の課題は、中国、韓国、ロシアなどとの信頼醸成措置である。それが、日本独自の北朝鮮外交のてこになる。地球を俯瞰する外交は立派だが、東アジアで、まともな外交をさせてもらうために、安倍首相には次のような対応をお願いしたい。

    歴史修正主義的な言動を自制(戦争の加害責任の取り方でドイツに学ぶ

  ②中国を仮想敵とする、日米同盟一辺倒の転換

 ③アジアと共に歩む日本の旗幟を鮮明にすること、など

 

2.北朝鮮とどう向き合うか

 最近北朝鮮は、核とミサイルの実験を繰り返していて、ますます危険な国になった。やけになって、戦争を仕掛けてくるのではないかと危惧される。

 北朝鮮の金正恩政権がいま一番欲しいのは、自身の身の安全と、国の体制の維持に対するアメリカの保証である。すなわち、平和条約あるいわ、不可侵条約の締結である。

 アメリカがやるべきことは、北朝鮮に条件を付けないで、会談をセットすることである。これは、独裁体制や人権侵害を容認することではなく、話し合いの中から時間をかけて氷を溶かすことである。核廃棄を迫って圧力をかけるだけでは、事態を悪化させるだけである。

70年前、多くの日本人が一夜で軍国主義の衣を民主主義の衣に着替えたように、北朝鮮の多くの善良な国民もそれを待っているに違いない。安倍政権は心を込めて、アメリカに進言すべきである。

 

3.まとめ 北朝鮮に向けた戦略的平和外交

 北朝鮮が6回目の核実験を強行した。近隣諸国にとって、ならず者国家に凶悪な兵器を持たせるのは大変心配である。一方、金正恩政権の立場に立ってみれば、核を保有することで、その核抑止力に縋って、政権の延命を図っているわけである。核を「核保有国」で独占するのは不条理と考えているようだ。

筆者は、戦略的平和外交の立場から、下記の北朝鮮政策を提案する。安倍首相に対応をお願いしたい。

①  圧力一本やりの政策を転換すること。「北風より太陽」はいつでも真理である。

② 北朝鮮とアメリカの、条件なしの会談をお膳立てすること。
北朝鮮の核開発政策の変更は会談の前提ではなく、会談の成果として期待すべきである。

③ 6ヶ国協議を再開し、北東アジアの平和構築を進めること。圧力とともに対話の力も信じよう。

④ 政権選択は北朝鮮国民に任せること。北朝鮮を国際場裏に引き出せば、国民は遠からず、目覚めるはずである。イラクをはじめ、アメリカの力による内政干渉で成功した事例はほとんどない。

 

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野党再編⑨ 外交で恒久平和を実現しよう [政治・社会]

 小池東京都知事は、日本ファーストの会をリセットして、「希望の党」を立ち上げ、自ら党首になった。民進党の前原党首と談合して「事実上の合流」を決めたが、その後、「全員を受け入れることはさらさらない」、「排除」すると言い放った。

これに反発したリベラル系の民進党員が、枝野幸男氏を党首に「立憲民主党」を立党した。これにより、政界は、自民+公明、希望の党+維新の党、立憲民主党+共産党+社民党の3極に分かれて闘うことになった。

 

1.「希望の党」は、野望の党

 「希望の党」の「政策協定書」には、寛容な改革保守、安全保障法制による現実的政策、憲法改正支持などの項目が並ぶ。共産党の志位委員長が言うように、安倍自民党のまったくの補完勢力であることが判明した。8月の当ブログ(野党再編③)で、小池新党待望論を述べたが、見込み違いをお詫びする。

ブロガーのmajyoさんが、「小池党首は自分の野望のために政治をしている。希望の党ではなく、野望の党」と述べているが、全くその通り。国民の方は見ておらず、国民は導き、利用すべき対象とみている。

 

2.憲法九条は風前のともし火

 憲法改定に対する各党の公約や発言は下表のとおりである。改憲に熱心な政党は自民、維新、希望の3党である。希望の党が一定の議席を確保すれば、3党合わせて、衆参で憲法改正の発議に必要な2/3を確保し、憲法改正の機運が加速してくるであろう。何とかして、2/3を阻止したいものだ。

 

政党

憲法改定に対する公約や発言

自民党

自衛隊明記、教育無償化、緊急事態条項、参院合区解消

公明党

国民主権、人権尊重、平和主義を堅持 必要なら加憲

共産党

安倍政権による憲法9条の改定に反対

日本維新の会

9条改正、教育無償化、統治機構改革、憲法裁判所設置

希望の党

憲法論議は避けない 「憲法観」で民進党員の公認を選別

立憲民主党

安倍首相の自衛隊加憲論に反対

 

3.立憲民主党を中核に、憲法九条を守ろう

 立憲民主党の結党で、リベラルの人たちの投票先ができ、憲法九条を守る拠点が残って、ひとまずよかったと思う。

日本の平和憲法は、制定経緯はどうあれ、世界初の理想の憲法として、戦争の悲惨さをいやというほど経験した日本人に受け入れられてきた。北極星のように高いところに輝く「究極の理想」の憲法とされてきた。世界に広めていきたいものだ。

 

4.21世紀の日本の外交戦略

安全保障環境が厳しさを増しているとはいえ、悪化には原因がある。現状を安易に追認し、改憲をして軍事力を強化するより、悪化の原因を取り除くため、粘り強く、抑止より安心供与の外交を期待している。

21世紀の日本の針路は、平和大国・国際協調主義のブランドを確立し、日米同盟一辺倒の外交から、アジアの一員として、周辺国と協調する外交に転換することである。道は開ける。

 

コラム 「希望の党」の入党審査手続きの不備

 「希望の党」設立にあたって、小池党首は、民進党員に排除の論理を適用したが、これはやり方が拙劣であった。日本ファーストの会をリセットした以上、日本ファーストの現会員も、民進党からの入党希望者も含めて、入党審査の対象とすれば、これほどの反発やしこりは残さなかったと思う。

 

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野党共闘① 共産党との選挙協力 [政治・社会]

  自由民主党の安倍首相は、928日の臨時国会開会の冒頭に、衆議院を解散した。1010日公示、1022日投開票という。「国難突破解散」と称して、とってつけたような解散理由を述べたが、「モリカケ疑惑隠し」と「民進党つぶし」が本音であろう。

 925日に、小池百合子都知事が、日本ファーストの会をリセットして、「希望の党」を立ち上げ、自ら代表に就任すると発表した。全国に候補者を擁立し、国政政党になるという。

一方、民進党は91日に党首選があり、前原誠司氏が党首に就任した。山尾志桜里氏の不倫騒動のほか、離党者続出で、新党首は厳しい船出を迎えている。

 いま、安倍一強政権の暴走が、目に余る段階にきている現在、自民党に代わり受け皿となる野党が待望されている。

 

1.野党4党の共闘(選挙協力)

 民進党を中核とした、社民党、自由党、共産党の共闘である。ここでは、共産党との共闘について考えてみよう。(希望の党との共闘は次回に述べる)

 共闘において大事なことは政策の一致であり、一致できる政策を確かめ合い、安倍政権打倒を目指して、小選挙区に統一候補を立て、選挙協力することになる。

 

2.共産党との共闘の政策的枠組み

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3.まとめ 野党4党の選挙協力

①憲法九条を守り、安保法に反対する政策の一致があれば、共闘はできる。国民の声をよく聞こう。

②共産党は日米安保条約反対、自衛隊違憲が持論だが、封印すれば、閣外協力はできる。

③北朝鮮の核ミサイルへの脅威をあおって、日本を重武装の国にするのは反対。

対話を大事にする国に、ミサイルを打ち込む国はない。日本は、対話に向け米国を説得しよう。


コラム 日本共産党綱領の概要

 日本が、いま、必要としている変革は、社会主義革命ではなく、対米従属と大企業・財界支配を打破する、民主主義革命である。日本国民の利益を代表する勢力に国の権力を移すことである。主権者たる国民による変革を実現するため、「市民と野党の共闘」を実現し、安倍政治を打倒するとしている。

将来は、資本主義を乗り越え、社会主義・共産主義に向けて、生産手段を社会化し、市場経済の機能を残しながら、搾取も抑圧もない共同社会を実現すると書いている。この将来構想は、結党当時の思想の残滓であり、今となっては、まじめに取り合う必要はないと思う。

 

追伸927日、民進党が「希望の党」と「事実上合流」することになり、本稿は少し古くなってしまった。当ブログ(818日、野党再編③ 参照)で述べたとおりの動きになっている。

 

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野党再編⑧ グローバル化への対応 [政治・社会]

  冷戦終結後、経済面で、貿易、直接投資、労働力移動を通じて、国際的交流が活発になった。これが経済のグローバル化で、多国籍企業が中核となって、世界経済をけん引している。

 経済のグローバル化にはメリットとデメリットがあるが、いまさら、グローバル化を止めるのは現実的ではないので、ここでは、大きなデメリットを取り上げて、その緩和策を考えてみよう。受け皿新党の目玉政策になると思う。

 

テーマ

問題点

受け皿新党の政策

1.
所得

格差対策

厚労省の2015年の調査によると非正規労働者は、1980万人 で、全体の37.4%であった。

 正社員の平均月給32万円に対し、非正規社員21万円で、37%低い。(大企業に限ると、43%低い)

非正規社員を無期雇用に切りかえる企業が最近増えてはいる。

不本意非正規労働者については、正社員に転換する仕組の採用を企業に課すべきである。

超富裕層向け、累進所得課税、資産課税を、国連に提起。

2.子どもの貧困対策

2012年の子どもの相対的貧困率(注1)は16.3%で、1985年の12.0%より高くなっている。

保健サービスの無償化のほか、貧困家庭に一定額の現金を支給。

 教育格差是正のため、幼児教育の無償化、高等教育給付型奨学金を拡充。

3.法人税引き下げの国際的競争の防止

企業誘致を狙って、多国籍企業に対する法人税引き下げ競争が激しく、各国とも財政悪化に苦しんでいる。

国連に問題提起して、法人税の下限を規制するなど、地球規模の問題解決をはかる。

4.租税

回避の防止

多国籍企業が税逃れを狙って、軽課税国に資産や事業を移す動きが絶えない。

最近もパナマ文書が漏洩して、租税回避や、資金洗浄の不正摘発が続いている。

消費者や地域社会の利害を代弁するPKO /NGOによるボイコット運動を、日本が主導して展開。

日本ではタックスヘイブン対策税制として、外国子会社合算税制があるが、もう一段徹底する。

5.構造

改革の推進 

国内産業の衰退を食い止め、競争力を強化するため、規制緩和による構造改革が必要。

農業分野については、担い手の育成や株式会社化などが有効。

旅行産業などはグローバル化と相性が良い。着地型観光や民泊の促進策が望まれる。



(注1) 国民の平均的な可処分所得の半分を下回る家庭で育てられている、18歳未満の子供の割合である。可処分所得の半分は、年122万円。(厚労省の調査)


 

コラム 経済のグローバル化について



経済のグローバル化は、国境を越えてモノ、労働力・資本・知識技術が移動することで、多国籍企業が中核となって進めてきた。


 社会主義圏の崩壊、新自由主義の勃興、情報革命や技術の急激な進歩で、輸送、通信などのコストが大幅に低下したことが、後押しした。

  

グローバル化のメリット:


  1.生産性向上、国際分業、比較優位、生産コスト低減、雇用環境変化


   2.技術や文化の発展、交流増による新しい価値の創造

   3.国際化による、金融、環境問題の地球規模化

 


 グローバル化のデメリット:


  1.産業の空洞化(国内産業衰退、富の移動、所得格差拡大法人税収減


   2.雇用の喪失(失業者増、雇用保険増、子供の貧困化


   3.文化の衝突(地方衰退、伝統の消滅)


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野党再編⑦ 受け皿新党の金融政策 [政治・社会]

 日本は1000兆円、一人当たり800万円の借金を抱えており、財政破たんの可能性があると、まことしやかに語られている。これは国民の納税意識を高め、増税を受け入れさせるための、財務省のプロパガンダである。財務省の本音は、豊富な財源を持って、歳出権を行使することで、大きな顔をして天下りしたいだけである。

借金は、国でも、国民でもなく、政府の負債であり、国民は債権者である。公表されている最新の公表データは2015年度(2016/3/31現在)である。これを使って、本当の負債を算出してみよう。

 

1.政府の負債を資産と対比して見る(下図参照)
負債残高は1,193兆円、資産残高672兆円を差し引くと、純負債は521兆円である。

資産のうち、一部、換金が難しい資産もあるが、破たんに直面すれば、奥に手は出せる。

負債残高1,193兆円(うち国債918兆円)

資産残高672兆円(換金容易365兆円)

純負債521兆円

 

2.政府と独立行政法人等の子会社の連結決算

 負債残高は1,424兆円、資産残高959兆円を差し引くと、純負債は465兆円である。

負債残高1,424兆円(うち国債780兆円)

資産残高959兆円

純負債465兆円

 

3.日本銀行の単独決算(2015年度末現在)

下記の当座預金は市中金融機関の準備金や国債売却高。3兆円は純資産で資本金等。

負債402兆円(うち日銀券発行高95兆円、当座預金275兆円)

3兆円

資産405兆円(うち日銀保有国債349兆円)

 

4.政府と日本銀行の連結決算

 政府は日本銀行に5割以上出資しており、子会社として監督権限を持っている。政府と日銀を合わせて統合政府と呼んでおり、欧米でも使われている考え方である。

日銀保有国債349兆円は、政府の純負債と相殺が可能である。相殺すると、政府純負債は116兆円となる。これは国内総生産(GDP)の22%に過ぎず、大問題ではない。

 

純負債465兆円―日銀保有国債349兆円=政府純負債116兆円

 (日銀の負債である日銀券や当座預金は、無利子で償還期限もなく、純粋の負債ではない。)

 

5.まとめ 政府が財政破綻しない三つの理由

  1. 国債の金利が世界一低い(0.018%)

  2. 国債の最終的な債権者は日本国民

  3. 国債は円建てで、円通貨を発行する日銀を子会社に持つ

以上、三つの理由から、日本政府が発行する国債で、財政破綻を起こす可能性はゼロである。

 

コラム 異次元緩和で国債市場に閑古鳥

 日銀の国債保有残高は、173月末現在430兆円で、発行残高の40%を占める。日銀の買い占めで国債の価額は上がり、長期金利は下がった。一部の国債はマイナス金利になっている。商売にならないとして、三菱東京UFJは国債取引の資格を返上した。異次元緩和から4年で、民間銀行の国債保有率は7%に半減し、取引部署には閑古鳥が鳴いている。

アベノミクス第一の矢で、「2年程度で物価上昇率2%」としたが、達成期限は6度も先送りされた。第三の矢である成長戦略が十分に機能しないこと、消費増税でマッチポンプをやったことが、誤算の原因である。ノーベル賞受賞者が多い日本は、10年もすると中国に抜かれそうである。技術開発投資の重点的投入と、一人当たりの生産性向上のための、思い切った投資が待たれる。

 

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野党再編⑥ 受け皿新党の経済政策 [政治・社会]

 反自民受け皿新党が、過半数の国民の支持を得るために、重要な経済政策について考えてみよう。

 

1デフレ脱却が最優先課題

 

デフレは継続的に物価が下落し、企業収益減少、賃金引き下げ、所得減少、需要縮小、物価下落の悪循環が起こり、日本が発展途上国に戻る現象である。

2016年の消費者物価指数は前年比-1.3%(コアCPI)、2017年は0.5%程度に持ち直している。また、実質成長率は20161.3%で、2014年の-0.5%から見れば持ち直している。

この流れを維持しながら、消費者物価上昇2.0%、実質経済成長(GDP3%程度が定着するまで、景気対策の手を緩めないのが肝心である。

 

2.期待されるデフレ対策

 

政府は1991年のバブル崩壊から今日まで、20数年にわたってデフレと戦ってきたが、少し良くなると、財政再建の声に押されて、デフレ対策の手を緩めてしまい、デフレに逆戻りする政策の失敗を繰り返してきた。

 今後は、国債発行によって、一人当たり生産性向上のための大胆な戦略的投資を行って、需要不足を解消し、経済成長を遂げる日本を取り戻したい。投資対象は、民間投資も含めると、設備投資、人材開発投資、技術開発投資、公共投資の4分野である。

 生産年齢人口が減少する日本では、デフレ期に戦略的投資を行って、数%、経済成長できる体質を創るのが必須である。経済成長の結果、2%程度の物価上昇が認められたら、経済成長の果実(税収増)を財政再建に回すことができる。

 

 国債という借金による財政破綻が喧伝されているが、心配は杞憂である。次回の当ブログで、受け皿新党の金融政策について述べる。

 

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野党再編⑤ 受け皿新党の経済財政政策 [政治・社会]

  反自民受け皿新党が、過半数の国民の支持を得るために、重要な経済財政政策について考えてみよう。

 

1.アベノミクスの評価と対応

アベノミクスは、2012年の第2次安倍内閣において、経済成長を狙った政策で、下表の通り、「三本の矢」からなるとされた。その後、2013年に消費税引き上げに関する第四の矢が追加された。

アベノミクスの評価と、新党としてどう対応するか、経済財政政策を考えてみよう。

 

 


アベノミクス四本の矢

アベノミクスの評価

受け皿新党の代案

1.大胆な金融政策

2%のインフレ目標、無制限の量的緩和、円高是正、日銀法改正。

5年経過しても、2%のインフレ目標は達成されていない。

円安誘導には成功し、株価が上昇したのは成果であるが、他の矢の政策とベクトルが合わず、デフレ脱却に至っていない。

異次元金融緩和政策は当分継続する。

量的緩和を終了する、いわゆる出口戦略の実施時期には細心の注意を払う。

2.機動的な財政政策

大規模な公共投資(国土強靭化)、  日銀引き受け建設国債発行。

財政健全化の声に押されて、公共投資を大幅削減したため、せっかくのデフレ脱却の芽が摘まれてしまった。

日銀引き受け国債は倍以上増えて400兆円に達したが、民間投資は沈滞したままである。

道路や橋梁などの老朽化は待ったなしの状況である。国土強靭化を目指して、計画的に公共投資を実施する。

生産性向上に資する投資もして日本経済の長期低迷を脱しよう。

3.民間投資を喚起する成長戦略

投資の促進、経済のグローバル化、人材の活躍強化、新たな市場の創造

 

有効求人倍率1.52倍、失業率3.1%、だが賃金は上がらない。

実質経済成長率は1.3%(2016年)と低迷している。

法人税は23.4%に引き下げた(2016年)が、企業の設備投資は増えない。

若者・女性の活躍、電力、農業、医療分野の改革は道半ば。

TPPはアメリカの離脱でとん挫、新市場創造は成果なし。

日本のような人口減少社会では、一人当たりの生産性を向上する以外に生きる道はない。 

 国土強靭化、人材開発、技術開発のため、公共投資を先行させ、民間投資を喚起すれば、年5%程度の経済成長は夢ではない。

 AIなど先端技術を駆使し、生産年齢人口の減少を逆手にとって、産業革命を起こそう。

4.消費税引き上げによる財政健全化

経済成長と財政健全化の両立。

財政健全化を目指して、20144月に消費税率を8%に引き上げたが、財政の赤字体質は全く改善されていない。

201910月予定の消費税10%への増税は、急ぐべきではない。延期すべきである。


2.まとめ  受け皿新党の経済財政政策

異次元金融緩和政策は継続するが、終了時期は注視する。

②生産年齢人口の減少をチャンスととらえ、一人当たりの生産性向上に役立つ投資をする。安易に移民に頼ることはしない。

③国土強靭化、人材開発、技術開発投資により、年5%程度、経済成長できる社会にする。

④消費税10%への増税は、当面、延期する。

 

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野党再編④ 受け皿新党のアイデンティティ [政治・社会]

 反自民受け皿新党が、過半数の国民の支持を得るために、核になる考え方、すなわち新党のアイデンティティを考えてみよう

 

1.受け皿新党の安全保障政策

争点はたくさんあるが、最重要争点は安全保障であろう。安全保障に関わるいくつかのテーマについて、受け皿新党のとるべき政策を、安倍政権のそれと比較しながら考えてみよう。

 

最重要争点

自民党・安倍政権

反自民・受け皿新党

1.安全保障は抑止より安心供与

安倍政権は、抑止政策に熱心である。安保法を強引に通し、集団的自衛権を行使できるようにした。すなわち、海外でも武力行使ができる国になり、周辺国の軍拡をあおる結果を招いた。かつての軍事大国回帰路線は最悪である。

憲法九条が許容する、専守防衛を堅持し、抑止より、平和外交による安心供与政策に専念する。すなわち、日本は、平和大国・国際協調主義のブランドを確立し、「人間の安全保障」(注1のフロントランナーになる。

2.日米同盟一辺倒より、アジア外交最優先

安倍政権は、中国、北朝鮮を仮想敵と定め、アメリカの軍事力に縋りついて対抗しようとしている。日米同盟強化一辺倒で、それ以外の選択肢は眼中にない。

力には力の外交姿勢のため、東アジア外交はさせてもらえていない。

日本は近隣諸国の懐に飛び込んで、地域のことは地域で解決するための、地域共同体(注2の創設という大きな目標に向かって外交力を結集する。地域ごとの平和の総和が世界の平和につながるのだと思う。

3.美しい国より、人にやさしい国

安倍首相は、祖父・岸信介元首相を裁いた東京裁判への恨みが強く、ナショナリズムをあおるような、歴史修正主義的な言論が絶えない。アジアの人々から警戒感や不快感を持たれている。

日本は安倍首相流の強くてコワモテの大国になるより、小さくてもカワイイ国、人にやさしい国、世界中から愛される国になりたい。また、アジアで頼りにされる国になりたい。

4.北朝鮮脅威論は捨てる

米国は、核とミサイルの実験を繰り返す北朝鮮に対し、軍事的な威嚇を繰り返している。安倍政権はそんな米国を支持し、圧力の強化を催促している。

核廃棄を迫って武力をちらつかせるだけでは、事態を悪化させるだけである。

最近北朝鮮は、大変危険な国になったが、いま必要なのは米国を説得して、対話を再開することである。これは、独裁体制を容認することではなく、対話の中から時間をかけて氷を溶かすことである。時間稼ぎをされるという心配は当たらない。

 

1「人間の安全保障」 :国家の安全保障を補完する概念で、人間一人ひとりに着目し、人々が恐怖と欠乏から解放され、尊厳ある生命を全うできるような社会づくりを目的とするもの。1994年の国連開発計画で提起された理念である。日本では、故小渕恵三元首相、森喜朗元首相らが、人間の安全保障のための基金や委員会設立に注力した。日本は軍事を捨て、平和大国・中級国家として、この分野で先導すべきである。

注2:「地域共同体」 :近隣諸国が、地域で、信頼、友好、協同、平和な関係を築く枠組みである。当面、経済成長戦略、安全保障、気候変動、防災対策などの相互に関心の高い課題について、共同で問題解決を目指すことになる。対象国は、日、中、韓、東南アジア諸国、オーストラリア、ニュージーランドなどである。将来、インドやロシアなどを含めたアジア連合へつながっていく。

 

2.まとめ 受け皿新党の外交戦略

①日本は国際協調主義をモットーとし、平和大国として、世界から頼りにされる国になる。

②アジアでは、近隣諸国と協調して、地域連合創設の世話役を担う。時間をかけて、対米独立を図る。

③軍事大国への夢は捨て、中級国家として、人にやさしい国、世界から愛される国になる。

④対話を大事にする国に、ミサイルを打ち込む国はない。北朝鮮の脅威をあおるのはやめよう。そして日本は、対話に向け米国を説得しよう。

 

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野党再編③ 反自民の受け皿新党の立ち上げ [政治・社会]

 小池百合子東京都知事に近い、若狭勝衆議院議員が、87日、政治団体・「日本ファーストの会」の設立を発表した。民進党を離党した細野豪志を交えて、年内に国政新党を結成すると思われる。

反自民の受け皿新党を目指している民進党と連携して、政界再編を果たすシナリオを考えてみよう。

 

1.「日本ファーストの会」と民進党の政治信条

反自民の受け皿新党のよって立つ基盤は自由と平和を愛する国民である。リベラルあるいわ中道左派と呼んでもよい。民進党支持者をはじめ無党派層の多くが、この範疇に属すると思われる。

民進党は91日に党首選があり、その後に選択される政策を予想して下表に記載した。日本ファーストの会についても、予想される政策を並べて記載した。

 

主要争点

自由と平和を愛する

選挙民

中道左派

党首選後の民進党

予想される政策は

民進党左派

日本ファーストの会 

予想される政策は

民進党右派

憲法九条改憲

反対:九条の平和主義は絶対守る

反対:急ぐテーマではない

賛成:自衛隊明記。

 

集団的自衛権

(安保法)

反対:専守防衛の精神に反する

反対:憲法違反

賛成:中国・北朝鮮への手当に必要

外交・安全保障

(日米同盟)

国際協調により、平和を維持。日米同盟一辺倒ではだめ。

複数外交カードを持つべきで、対米一辺倒はいけない。

安全保障は現実路線で、日米同盟維持。

核兵器禁止条約

 

加盟:122の加盟国と協調し、核保有国に政策変更を迫る。

加盟:唯一の被爆国として、核兵器廃絶運動の先頭に立つ。

保留:核抑止の考えは捨てられないが、

核廃絶志向はある。

原発ゼロ

賛成:速やかに

賛成:2030年まで

賛成:2030年まで

消費税

増税延期

増税延期

態度は不明

総合評価

戦争は嫌。戦争の種をまく政策はダメ。

無理な要望でも、実現の手当をするのが政治家だ。

左記の選挙民と考えが近い。

 

民進党右派と、小池百合子氏の合同で、保守寄りだが、自民受け皿新党らしく振舞うと思う。

 

2.反自民の受け皿新党立ち上げのシナリオ

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3. 結論 

   小池都知事を新党の党首に担ぎ出せば、自民に勝てると予想する。

     右派の党首でも、反自民なら大丈夫と思う。

 

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野党再編② 民進党党首選と政策課題 [政治・社会]

 民進党は、20169月現在、9つのグループに分かれた、125人の寄り合い世帯であるが、曲がりなりにも野党第一党である。反自民受け皿野党の核になるには、今回の、党首選をスマートにこなさなければならない。

1.党首選立候補者の政治信条

 9月1日に行われる民進党の党首選で、立候補者は、枝野幸男、前原誠司の両氏になる模様である。

民進党のターゲットとなる国民は、中道左派で、下表に記載のとおり、戦争が大嫌いな、平和を愛する選挙民である。国民の6割はこれに該当すると思われる。

両氏の政治信条を言行録から調べて、下表に併記してみた。両氏には左派と右派ほどの差があるが、どちらが党首になっても、選挙民に寄り添い、裏切ることはないと信じる。

 

主要争点

自由と平和を愛する

選挙民(中道左派)

民進党

枝野幸男

民進党

前原誠司

憲法九条改憲

反対:九条の平和主義は絶対守る

反対:急ぐテーマではない

保留:自衛隊明記

が持論だが、緊急ではないと発言

集団的自衛権

(安保法)

反対:専守防衛の精神に反する

反対:憲法違反

賛成:中国・北朝鮮への手当に必要

外交・安全保障

(日米同盟)

国際協調により、平和を維持。日米同盟一辺倒ではだめ。

複数外交カードを持つべきで、対米一辺倒はいけない。

日米同盟をベースに、自立と協調をめざす。

核兵器禁止条約

 

加盟:122の加盟国と協調し、核保有国に核廃絶を迫る。

加盟:訪中時、中国の核実験に抗議し、横断幕出す。

保留:核抑止の考えは捨てられないが、

核廃絶志向はある。

原発ゼロ

賛成:速やかに

賛成:2030年まで

賛成:2030年まで

消費税

増税延期

増税延期

10%に増税し、手厚い生活保障を実現する

総合評価

戦争は嫌。戦争の種をまく政策はダメ。

無理な要望でも、実現の手当をするのが政治家だ。

ハト派の現実主義者。左記の選挙民と考えが近い。

党首には適しているが、カリスマ性が欲しい。

日本会議に所属し、保守二大政党制をめざす。党首になるには、自己主張は封印し、選挙民に向き合うこと。

 

2.反自民受け皿野党のリーダーに望む

①国民(選挙民)の声を、真摯に聞くこと

②国民(支持者)の要望を、必死で実現する手段を考えること

③自分の政治信条を押し付けないこと(優れた技術の製品もニーズに合わなければ売れない)

④固定観念にとらわれないこと(日米同盟一辺倒でなく、複数の外交カードを持つこと)

 

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野党再編① 反自民の受け皿新党 [政治・社会]

 当ブログは、国民の知る権利シリーズを投稿中であり、フェイクニュース、「こんな人たち」と言論の自由などのテーマが残っているが、いったん中断し、いま、旬の野党再編について考えてみよう。

 

ⅰ.主要政党の政策の一致度

安倍一強政権の暴走が、目に余る段階にきている現在、自民党に代わり受け皿となる野党が待望されている。あまりの寄り合い所帯のため、民主党政権は失敗したが、跡を継いだ民進党が中核となって、他の政党と合併や連携(選挙協力)することで、再び力を取り戻すのが不可欠である。

そこで、合併や連携を果たすには、ある程度政策の一致が必要である。下表は、主要政策の一致度を、目で見える化した表である。各党のマニフェストから、大まかに推定してプロットした。教育、環境、働き方など差が少ないテーマは省略してある。

政策一致度の点数は、自民党+20、公明党-9、民進党-6、共産党-20となった。自民は右派、公明、民進は中道左派、共産は左派とみなすことができる。

 

  <<主要政党の政策の一致度診断表>>

 

                 凡例(点数)  ― -2――-1――――+1――――+2――

1.人権尊重:

       人本位主義 ――――――――――― 国家主義

2、憲法九条:

        九条護憲 ―――――――――――― 九条改憲

3.安全保障:

      国際平和主義 ――――――――――― 日米同盟

4.集団的自衛権(安保法):

   集団的自衛権 反対 ―――――――――――――― 推進

5.核兵器:

          廃絶 ―――――――――――― 留保

6.北朝鮮:

          対話 ――――――――――― 制裁

7.原発:

          廃絶 ――――――――――――― 活用

8.消費税:

          5% ―――――――――――― 15

9.経済成長戦略(アベノミクス):

反対 ――――――――――――― 賛成

10.社会保障:

格差是正 ―――――公民―――――――― 成長重視 

 

ⅱ. 民進党を中核とした反自民受け皿新党

 民進党は、蓮舫党首の辞任により、党首選の最中である。解党的出直しで、反自民の受け皿となり、政策で国民に支持される政党に生まれ変わってもらいたい。

自由党や社民党との合併が推奨される。また、将来、小池都知事の都民ファーストと、国政レベルで連携できれば、党勢の急拡大が期待できる。しゅんとしていないで、やる気を見せるのが大事である。

 

ⅲ.受け皿新党と公明党、共産党の選挙協力

上の表で分かるように、民進党は中道左派で、政策は公明党と非常に近い。民進党は、公明党を自民党から引き離す戦略を持とう。共産党とは少し距離があるが、克服できない距離ではない。公明党や共産党との選挙協力を積極的に進めて、政権交代を実現しよう。

 

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国民の知る権利③ 情報公開と説明責任 [政治・社会]

 安倍政権下で、「国民の知る権利」が蔑ろにされている現状は、看過できないところまで来ていて、現に安倍内閣の支持率は30%前後に落ち込んでいる。

国民の知る権利の現状とあるべき姿について、新聞の役割や、情報公開などを題材に、数回に分けて考えてみよう。

 

1.PKOの日報をめぐる経緯(20167月から20177月まで)

 南スーダンのPKOで、「戦闘」と記された日報の開示請求に対し、下記の通り、情報公開と説明責任において、防衛省と稲田大臣の対応に齟齬があった。

日報関連の事実

防衛省と稲田大臣の対応

/12

南スーダンのジュバで、

「戦闘」と日報に記載

 

省内で、日報は1~23日で廃棄可能な文書とされている

9/30

フリージャーナリストが、

上記日報の開示を請求

12/2

 

12/16

日報は廃棄済みとして、防衛省が不開示を決定(大問題

稲田氏、日報の再調査を指示

12/26

統合幕僚監部に、日報の電子データがあることが判明

/27

 

/7

稲田氏に統合幕僚監部での、日報発見を報告

統幕発見の日報を公表

1/

陸自でも日報の電子データを確認(陸自のリークか)

 

(これから後は、稲田氏の虚偽答弁の問題)

2/15

陸自のデータの対応を、幹部会で公文書ではないとして、非公表を決めた。

3/16

稲田氏は、陸自のデータがあったことについて、報告を受けていないと答弁 (虚偽答弁?

3/17

陸自の情報管理に批判あり、稲田氏が特別防衛監察を指示

7/19

指示した稲田氏も監察を受け、「日報があったという報告は受けていない」と繰り返し答弁。

 

2.防衛省の情報公開と説明責任の問題 

防衛省の過去の情報隠ぺい問題は枚挙にいとまがない。安全保障や外交に深くかかわる防衛省では、情報公開について難しい問題があることは認めるが、障害を乗り越えないと国民の信頼は得られない。

防衛省は、いま、①隠蔽体質にどっぷり浸かっており、②シビリアンコントロールが欠如し、求心力が喪失していて、危機的状況である。

防衛省のホームページには、日本の防衛最前線の活動状況が掲載されていて、頼もしく感じているが、 統合幕僚監部の報道発表資料を見ると、南スーダンPKOについては、要員交代や、車両事故などの限られた報告のみで、進んで情報開示する積極性が見られないように思われる。

国民の安全に直結する活動ゆえに、その内容や結果について、利害関係者(国民)に真摯に報告する説明責任がある。

 

3.提案 :防衛省の情報公開と説明責任の在り方

 ①南スーダンのPKOなど、国民の反対の多い活動こそ、丁寧な報道が必要。日報を一か月ごとに月報にまとめて報告するなどの配慮を期待。(すでに撤収したので、次回に期待)

 ②他の自衛隊の活動についても、原則公開として透明性を確保し、国民に考える材料を提供。

 ③シビリアンコントロールが正常に機能するよう、大臣、背広組、制服組の情報伝達を万全に。

 

4.追伸 : 726日から27日にかけて、岡部陸幕長、黒江事務次官、稲田防衛相が相次いで辞任を表明した。28日に特別防衛監察の結果発表があり、情報公開法5条の情報開示違反が指摘された。情報公開と説明責任の重要性が改めて確認された辞任劇であった。


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国民の知る権利② 御用新聞・読売 [政治・社会]

 安倍政権下で、「国民の知る権利」が蔑ろにされている現状は、看過できないところまで来ていて、現に安倍内閣の支持率は30%台に落ち込んでいる。

国民の知る権利の現状とあるべき姿について、新聞の役割や、情報公開などを題材に、数回に分けて考えてみよう。

 

1.読売新聞は、前川個人攻撃に加担(526日)

 

紙名

記事の概要

報道姿勢の問題

読売新聞

 

社会面

 3段抜    

前川・前文部科学次官の発言:

“加計学園の獣医学部新設をめぐり、「総理の意向」が書かれた文書は本物”と明言。

官邸: “政府見解を否定する異例の発言で、「なぜ在職中に言わなかったか」”

官邸に不都合な、「総理の意向」文書の隠蔽工作に加担し、国民の知る権利を奪った。

読売新聞は、官邸の広報誌に成り下がっている。

読売新聞

 社会面

 3段抜

 

上記記事と同頁    

前川・前文部科学次官の「新宿歌舞伎町の出会い系バー通い」の記事: “行ったのは事実と発言。(額の汗を拭く写真掲載)”

店関係者の証言:“2年前から頻繁に通い、値段の交渉をして店外に連れ出したこともあった。”

後に、公明正大な実地調査と判明。

官邸から材料を提供されて、個人攻撃に加担した。

額の汗を拭く写真を掲載して印象操作を図った。(悪質)

ろくに取材もせず、官邸のちょうちん持ちをした。

 

2.読売新聞は、下村元文部科学相の闇献金隠蔽に加担(630日)

 

紙名

記事の概要

報道姿勢の問題

読売新聞

 

社会面

 4段抜    

629日発売の週刊文春の特ダネ記事に反論する下村氏の記者会見:  下村氏「加計から200万円」否定、闇献金報道「告発も検討」

 

取材もせずに記者会見の内容を垂れ流しただけ。

下村元文部科学相の擁護に夢中で、国民の知る権利を奪った。

朝日新聞

 

 社会面

 8段抜

 

    

629日発売の週刊文春の特ダネ記事に反論する記者会見の記事: 加計側持参200万円を認めたが、 提供者とされる11名の詳細は明かさなかった。

(一人20万円以下の寄付は収支報告書に記載しなくてよいが、11名が不確かなら、政治資金規正法違反になる。)

朝日新聞は、上記社会面のほか、14段抜き、総合28段抜き、総合36段抜きの記事を掲載した。

朝日新聞は、多面的な取材により、国民の知る権利を満たし、権力者の腐敗や不正を監視する機能を十分に果たしている。

政治家や右翼から毛嫌いされるのは当然で、逆に名誉なことである。

読売に比べると、朝日の当日の紙面量は5倍になっている。

 

3.まとめ(報道機関と政権の在り方) 

  1. 読売新聞は、官邸からの情報提供で、個人攻撃に加担し、官邸の広報誌に成り下がった。

  2. 読売新聞は、官邸や当事者の隠蔽工作に加担し、国民の知る権利を奪った。

  3. 朝日新聞は、政治家や右翼に嫌われているが、国民からの権力監視の委託に応えている。

  4. 官邸は、情報開示を怠り、真実を隠した。(よらしむべし、知らしむべからず)

  5. 安倍首相は、岩盤規制を壊したと誇らしげに言うが、問題はそこではない。お友達優遇だ。


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国民の知る権利① 表現の自由の構造 [政治・社会]

 安倍政権下で、「国民の知る権利」が蔑ろにされている現状は、看過できないところまで来ていて、現に安倍内閣の支持率は30%台に落ち込んでいる。

国民の知る権利の現状とあるべき姿について、新聞の役割や、情報公開などを題材に、数回に分けて考えてみよう。(下図参照)

 

1.「表現の自由」の構造

日本国憲法には、基本的人権(第11条)と、表現の自由(第21条)が規定されている。これは、日本人が、戦争に負けて、苦難の中から、ようやく手にした貴重な権利である。

 表現の自由は、大変広い概念で、報道の自由、情報公開請求権、言論出版、集会結社の自由などを含んでいる。

日本人一人ひとりにとって重要な「国民の知る権利」は、表現の自由に由来し、報道の自由などによって充足されると思う。権力は必ず腐敗するので、監視が必要である。筆者は、新聞や放送の代金は、権力の監視料、委託料と考えている。御用新聞を買うつもりはない。

 

2、国家権力と国民の権利の相克

 国家は、立法府、司法府、行政府からなり、国民の権利・義務と利害衝突を起こすことがある。特に、行政権との衝突は時々みられる現象である。

外交や安全保障に関しては、国家の統治行為として国民の利益に優先しても、やむを得ない場合がある。一方、検閲行為はいかなる場合も禁止されているが、共謀罪の趣旨を盛り込んだ改正組織犯罪処罰法が施行された現在、一抹の不安がある。

全体的にみて、国民と国家の利害が衝突した場合、最大限、国民の権利が尊重されなければならない。国民は自信をもって権利の主張をすべきである。

 

国民の知る権利3.jpg 

 

 

 


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核兵器禁止条約 ③筆者の提案 [世界平和]

 

 核兵器を法的に禁止する条約の交渉会議が、およそ115か国が参加して、国連本部で開催され、77日までに採択される見込みである。前2回で、禁止条約の概要、日本の対応、賛否の論点整理について述べた。今回は、筆者の提案を述べよう。

 

1.核の傘の上に、新しく大きい傘を作ろう

 国連に、「核安全保障機構」(仮称)を創設し、核保有国を機構に取り込んで、核の一元管理を図る提案である。核の傘の上に、大きな核の傘を被せることで、地球規模の核抑止、戦争抑止の体制ができると思う。国連が、核兵器による安全保障の推進者、管理人、執行者となって、核保有国の核兵器の査察、監視を実行することになる。

 現在、国連の力は弱いがもっと強化できるはずである。この大きな核の傘が機能するようになれば、核兵器の全面的な廃絶が視野に入ってくると思う。

 危険な魔物を退治するには、斬新なアイデアが必要で、これこそ、21世紀の核廃絶戦略である。


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2.核安全保障機構への移行措置

 日本が、アメリカを説得して、まず、土俵を作ってほしい。ロシアが一番の難敵であるが、クリミア半島の帰属を一定期間認める条件で折り合えると思われる。中国を含むその他の核保有国の説得はそれほど難しくはない。国連の制裁を上手に使うべきである。

 

3.提案理由

核保有国の核兵器保有の理屈は、核抑止、テロの脅威、大国の権威の象徴、軍事産業などの既得権益層の保護、近視眼的なナショナリズムの満足の5つである。

テロの脅威については、通常兵器で十分対応できる。ISのようなテロ国家が万一保有した場合、報復攻撃の目標が定かでないため、どちらにしても核兵器は使用できない。

核抑止以外の理屈は、核の害悪の大きさを考えれば、克服は容易である。

要するに、核兵器は、21世紀の現在、人道上使えない兵器である。金食い虫の核兵器を後生大事に保有している理由はもはやなくなっている。

 

コラム 国連安全保障理事会決議1887

 2009年にオバマ大統領が主導してまとめた、「核兵器のない世界」構想で、決議は全会一致で採決された。内容は、核不拡散体制の強化、核実験禁止条約の早期発効、核分裂性物質生産禁止条約の交渉促進、非核地帯構想の推進などであるが、核廃絶には程遠い決議である。

 非核地帯としては、ニュージーランド、オーストリア、フィンランドなどが名乗りを上げている。日本は非核三原則があるが、疑わしく、アメリカの核に依存している。

 

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核兵器禁止条約 ②賛否の論点整理 [平和外交]

核兵器禁止条約 ②賛否の論点整理

核兵器を法的に禁止する条約の交渉会議が、およそ115か国が参加して、国連本部で開催され、77日までに採択される見込みである。前回、禁止条約の概要、日本の対応について述べた。

今回は、禁止条約に対する賛否の論点整理をし、次回、筆者の提案を述べよう。

 

1.核兵器禁止条約に反対する日本政府や国民の主張

●核抑止力は必要

核兵器保有国は核戦争の抑止力として手放せない。

日本にとって、核の傘による拡大抑止力は手放せない

隠れて核兵器や生物兵器を保有しようとする、ならず者国家を利する。

●交渉会議の進め方、タイミングの問題

核保有国と核の傘に入る多くの国が交渉会議に参加していない。

この条約では、保有国と非保有国の対立を深めるだけで、核廃絶にはつながらない

核軍縮策としては現実的でない、国際社会が不安定化する

核実験を禁止しても、コンピューターシミュレーションによる実験の検証は困難

国連の力が弱い現在、軍事産業の発言力を抑えるのは至難。

●反対する日本の一部国民(ネトウヨ含む)の主張

核兵器禁止は日本政府ではなく、米ロ中国や北に言え

日本政府批判はナンセンス、反日マスゴミのねつ造

無知なお花畑の芸能人(渡辺謙さん)はよく勉強してから言え

核の傘がなければ、中国が好き放題をする

泥棒を禁止して、泥棒がいなくなるか

北朝鮮にどう対応するのか、現実をわきまえろ

 

2.核兵器禁止条約に賛成する国や日本国民の主張
●核抑止力は無効

核兵器の破壊力を盾に、国益を守ろうとするのは間違い。

先制不使用の原則があれば、核兵器が戦争に使われることはない。核抑止力は無用になる。

核保有国は先制不使用を宣言すべきだ(意外なことに、中国だけが容認している。)

●核兵器は絶対悪、人道法違反

核兵器は必要悪でなく絶対悪。核では世界を救えない。

核兵器は安全保障の側面より、人類壊滅被害を重視すべきだ。

生物化学兵器、対人地雷、クラスター弾は禁止条約が発効済。核兵器だけに反対は不当。

テロに核兵器がわたるおそれがあり、早急な廃絶が必要。

●賛成する日本国民(被爆者を含む)の主張

被爆者の気持ちを理解できない人が多い。核廃絶国際署名 296万筆。

核を持ちたい、核の傘に縋りたい政治家が多すぎる。

政治家に、北朝鮮の核開発を非難する資格があるか。

交渉会議に参加するなかで、英知を集めた禁止策の構想を待望している。

広島出身の岸田外相は参加派だが、官邸(安倍首相)に屈したようで、残念だ。

コラム 世界の核兵器数 2014年現在9,920

 米4,760、ロシア4,300、英225、仏300、中国250、インド110、パキスタン120、イスラエル80、北朝鮮10未満 (1980年代には世界中で最大64,099あった。)

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核兵器禁止条約 ①日本政府の対応 [平和外交]


 核兵器を法的に禁止する条約の交渉会議が、およそ115か国が参加して、国連本部で開催され、77日までに採択される見込みである。そこで、禁止条約の概要、日本の対応、賛否の論点整理、筆者の提案について、3回に分けて述べよう。


 

1.核兵器禁止条約の概要



草案は、核兵器は国際人道法に違反するとして、核兵器の製造、保管、実験、使用を禁じている。しかし、核保有国や、核の傘に依存する日本や大半のNATO加盟国は、核軍縮策としては現実的でないとして、反対し、交渉に参加していない。一方、北朝鮮は交渉に参加していて、賛成すると思われる。皮肉な結果である。



2.日本政府の立場と反対する理由



 日本政府は、核兵器の非人道性に対する正しい認識を持ち、「核兵器のない世界」を目指しているが、今回の核兵器禁止条約交渉には、核保有国と核の傘に入っている国の参加がなく、この交渉を進めると、核兵器保有国と非保有国の対立を深めるだけで、核廃絶にはつながらないと考えて、条約に反対することになった。唯一の被爆国である日本が、この禁止条約に参加せず、反対するのは残念だ。


 

コラム 核廃絶に向けた、その他の取り組み



 核廃絶に向けた国連の主な取り組みとして、下記がある。


 1.NPT(核拡散防止条約) すでに核を持つ5つの国連常任理事国を核保有国と認めて、誠実な核軍縮を求めるとともに、およそ190の締約国には、核兵器を持たないよう義務づけた条約。条約に加盟していないインド、パキスタンが核実験をし、脱退した北朝鮮が地下核実験を強行するなど、NPTには大きなほころびがある。

2.CTBT(包括的核実験禁止条約) 宇宙空間、大気圏内、水中、地下での核実験を禁止する条約。アメリカ、インド、パキスタンなどで、批准の見通しが立たず、20年以上発効していない。

3.FMCT(核兵器用分裂性物質生産禁止条約) 核兵器用プルトニウム等の生産禁止を求める条約で、まだ交渉が開始されていない。

4.核兵器廃絶決議案  「核兵器のない世界」の実現を目指して、NPT体制の強化や、核戦力の透明性向上などの共同行動を求める決議案。
2016
12月に日本が、アメリカを含む109か国を代表して、国連に提出した。アメリカを引き入れられたのは日本の手柄である。採決結果は賛成167、反対4(中国、北朝鮮、ロシア、シリア)、棄権16であった。

5.IAEA(国際原子力機関)  原子力の平和利用を促進し、軍事転用や、核テロを防止するための国際機関で、加盟国は167か国。

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安倍首相の憲法改正案は不純 [平和外交]

自民党は安倍首相の意向に沿った憲法改正原案の年内取りまとめを決めた。衆参で2/3の議席を持つうちに、遮二無二改憲の実績を残そうとしているようで、動機が大変不純である。

 

1.安倍首相の憲法改正原案と問題点

憲法改正原案の内容

安倍首相の意図(想定)

問題点

憲法九条に第3項を設け、自衛隊の存在を明記する

  個別的自衛権に加えて、集団的自衛権を持つ日本は、強力な武力を持つべきだ

  公明党の加憲の考えにも合致する

  軍拡競争がひどくなる

  九条2項の戦力不保持と自衛隊の不整合が、ますますあぶりだされる

  平和主義の看板を汚し、

  平和外交の芽を摘む

高等教育(大学)を無償化する

 

(国公立私大の授業料無償化で、3.7兆円の財政負担増)

  国民の歓心を買うことで、改憲の賛成票を増やせる     

  維新の党の公約に寄り添うことができる 

  財政負担が過大

  無償化は憲法に書く必要はない(旧民主党は高校無償化をやった)

  無償化するなら、大学より、保育園、幼稚園の無償・全入の方が効果的(費用1.2兆円)

 

2.平和憲法を守ってアジアに平和を

 東アジアの安全保障環境が厳しくなっている現在、自衛隊の存在を憲法に明記し、強力な自衛能力を持ちたい気持ちは理解できる。

しかし、よく考えてみよう。安全保障環境の悪化には原因がある。下記のような平和外交で、悪化の原因を取り除くのが先ではないか。

 

平和憲法を世界に広めよう
日本の平和主義憲法は世界に誇れる理想の憲法である。現状追認の改憲をするより、現状の安全保障環境の方を、粘り強く変える外交努力をしよう。下記の当ブログ参照 
http://gaikou-ni-monomousu.blog.so-net.ne.jp/2016-03-10

 

②対中国外交の正常化
日米同盟一辺倒の外交から、アジアの一員として、周辺国に寄り添う外交に転換し、まず、中国との関係を正常化しよう。
習近平政権も4年目に入り軟化の兆しがある。 下記の当ブログ参照
http://gaikou-ni-monomousu.blog.so-net.ne.jp/2016-04-01



  ③新機軸の対北朝鮮外交
関係国を説得して6ゕ国協議を再開し、北朝鮮と対話して、まず、暴走を止めよう。核放棄は対話の条件にせず、対話の成果にすべきだ。

その後の政治体制転換は国民に任せよう。 下記の当ブログ参照

http://gaikou-ni-monomousu.blog.so-net.ne.jp/2016-04-21

 

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「共謀罪」法案を解剖する [平和外交]

「共謀罪」の趣旨を盛り込んだ、テロ等準備罪を新設する組織犯罪処罰法改正案が、衆院を通過し、参院で審議中である。ここで、いわゆる「共謀罪」法案を解剖してみよう。

 

1.組織犯罪処罰法改正案の内容

●今回の組織犯罪処罰法改正案は、過去3回廃案となった共謀罪と異なり、テロ組織や麻薬密売組織などの「組織的犯罪集団」に適用対象を限定している。

●具体的な「計画の合意」と「準備行為」を処罰の要件としている。

●犯罪の「実行」を処罰の対象としている現行刑法から数歩踏み出した法案である。

 

2.組織犯罪処罰法改正案の論点整理

論点

賛成意見(与党)

反対意見(野党)

条約(注1)締結に必要か

現行法では条約の義務が果たせない

現行法で締結できる

一般人も処罰の対象になるか

一般の人は告発の対象にならない

組織的犯罪集団の要件があいまいで、一般人も対象になりうる

表現の自由の

制約

プライバシーや表現の自由を制約しない

プライバシーや表現の自由を制約する恐れがある

内心の自由の

侵害

準備行為を要件に加えたので、内心の自由を侵さない

準備行為を認定する際に、内心の自由を侵し、監視社会になる恐れがある。

国連人権理事会特別報告者の書簡への対応

人権理事会を代表していない勝手な報告であり、内容にも誤解がある

報告者の懸念はもっともで、解消すべきだ

 

世論の動向

日本商工会議所会頭が、テロ多発の現状から、法案の早期成立を要望

「国際ペン」(注2)が、法案は日本の表現の自由とプライバシーを侵害すると声明

1 国際組織犯罪防止条約  注2 作家、ジャーナリストの国際団体

 

3.安倍首相の真の狙い

特定秘密保護法や、安全保障関連法を強行採決し、今また、組織犯罪処罰法改正案を強引に通し、憲法改正ももくろんでいる。

安倍首相の真の狙いは、戦後レジームから脱却し、天皇中心の伝統に輝く、美しい日本を取り戻すことではないか。

平和外交による安心供与政策をテンからあきらめて、力による抑止政策にうつつを抜かしている。国民を権力に逆らわない羊に育て、いつか来た道に踏み入ろうと、手を尽くしているのではないか。

 

4.筆者の意見と提案

 筆者も、自由と安全の両立のために、国際組織犯罪防止条約の批准は必要と思う。2003年以来、14年も批准ができなかったのは、政府・法務省の不作為であり、明らかな怠慢である。

国連の英文ガイドラインの解釈に疑義があるなら、組織犯罪処罰法案の改正ありきでなく、法案の要件について、国連担当者にただすなり、表現の自由のために国連を動かすなりの努力をすべきである。

 

コラム 国際組織犯罪防止条約について

2000年国連採択、2003年発効、締約国187国。日本は20035月に国会の承認を得たが、国内法の適応要件に疑義があり、14年間も批准していない。

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民主化の段取り➃ 民営化 [平和外交]

 中国の民主化を進めるため、政権側から見た段取りについて、どこから手を付けたらよいか、何回かに分けて考えてみよう。

 

6.国有企業の民営化

民主化の段取りの六番目は、国有企業の民営化である。民営化は民主化と深くつながっていて、避けては通れないテーマである。

 

国有企業民営化の現状

 現在中国には100社強の中央政府管轄の大型国有企業と、地方政府が管轄する15万社以上の中小国有企業がある。

 2013年に混合所有制を導入し、民間株主に株の一部を開放したり、社員持ち株制を採用したりした。また2014年に「国有企業改革深化に関する指導意見」を発出して、合併や海外企業買収などによる、国有企業強大化を目指しているようだ。

中国共産党は、国有企業の管轄権限を手放さず、腐敗が減る気配はなく、根本的な改革には程遠い状態である。

国有企業民営化の今後の施策

日本の国鉄や郵政民営化のように、民間資本を100%導入して、徹底した民営化を断行すべきである(国防などの特殊な産業は除く)。そして、共産党幹部による、経営の支配、監督、指導はやめるべきである。勇気を出そう、恐れることはない。

国有企業民営化の狙い

市場メカニズムを利用した、自由な企業活動により、民間活力の向上、コスト削減、腐敗の撲滅などを目指す。

国有企業民営化による期待効果

 共産党独裁から民主主義社会へのソフトランディング、腐敗の撲滅、国際ルール順守の体制づくりなどができる。そして中国は、世界平和の脅威ではなく、その守護神になることが期待できると思う。

 

コラム 国有企業改革の経緯

中国は改革開放後、市場経済の競争に負けて多くの国営企業が倒産した。所有権と経営権の両方を持つ国営企業を、所有権だけ国に残し、経営権は企業に移して、それを国有企業と呼ぶことにした。

 1990年代後半、朱鎔基首相が20万社あった企業を半分に減らし、3千万人のレイオフを断行した。しかし、1998年に江沢民主席が国有企業の人事に対し、党の関与を強める変更をし、党有企業となったため、腐敗の温床となった。 習近平主席は「虎もハエも叩く」反腐敗運動を断行した。しかし、腐敗を監督する党の指導力を高めるとしたため、市場のメカニズムにゆだねる民営化から遠ざかる結果となっている。

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民主化の段取り③ 憲法改正 [世界平和]

 中国の民主化を進めるため、政権側から見た段取りについて、どこから手を付けたらよいか、何回かに分けて考えてみよう。

3.憲法改正

民主化の段取りで三番目に来るのは、憲法改正である。中国は、人権尊重の立派な憲法を持ちながら、前文の「共産党の領導のもと・・・」の文言により、憲政は全く行われてない。法があるのに守られない、正義がない、国民がすっかり諦めてしまっている社会は健全ではない。

人権活動家の劉暁波が、2008年に303名の連名で、零八憲章(憲法草案)をインターネット上に発表した。アクセス制限されているが、内容は下記の通りとなっている。

国民を代表する憲法起草委員会を設置して、この憲法草案をベースに、新憲法制定を進めたい。「共産党領導」の文言を削除して、国民主権の憲法にすべきである。

 

<<零八憲章の概要>>

1.前書き 中国には、法律はあるが法治はなく、憲法はあるが憲政はない状態が続いている。国民は、自由、平等、人権という人類共通の普遍的価値と、民主、共和、憲政という基本的制度の実現を熱望している。

2.我々の6つの基本理念  自由、人権、平等、共和、民主、憲政

3.我々の基本的な主張

憲法改正、権力の分散とバランス(三権分立の保障)、立法民主(立法機関は直接選挙)、司法の独立、公器の公用(党の人民解放軍の国軍化)、人権保障、公職の選挙(民主的選挙制度)、都市と農村の平等、結社の自由、集会の自由、言論の自由、宗教の自由、国民教育(政治的イデオロギー教育の廃止)、財産保護(私有財産保護制度)、財政税制改革、社会保障、環境保護、連邦共和(中華連邦共和国制)、正義の転換(政治犯の名誉回復と賠償)

4.結び  政治の民主化は先延ばしできない。

 

コラム 国家人権行動計画の実施状況

中国では「国家人権行動計画(20162020)」を実施中である。人を基本とした持続可能な発展を目指し、人権尊重の目標と課題を定めたものである。

行動計画の目標は、経済、社会、文化的権利の保障、公民権利と政治権利の法的保障、 軍隊権利の保障、人権教育の展開、(国連人権理事会の構成国として)国際人権事業への関与となっていて、現在、25の国際人権条約に加入している。

人権と発展のバランスをとり、中国の特色ある社会主義人権事業は新たな段階へ進行中と言われているが、「人権や宗教を利用した内政干渉に断固反対する」としており、中国の特色ある社会主義人権事業の範囲から出ようとはしていない。

 

鎌倉 建長寺の庭園

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民主化の段取り② 公民社会づくり [世界平和]

 中国の民主化を進めるため、政権側から見た段取りについて、どこから手を付けたらよいか、何回かに分けて考えてみよう。

 

2.公民社会づくり

公民社会(日本語の市民社会と同義)とは、自由平等な個人が自立して対等な関係を構成する社会である。通常は、市民革命により、封建的な身分制を打破して成立する場合が多いと言われている。

前回述べた政党活動の自由化によって、国民の意識が向上し、いわゆる公民社会が徐々に育ってくる。政党を通じて民意の政治への反映が促進され、国民主権や立憲主義の土壌ができてこよう。

 中国には悪い人、悪い習慣を持つ人もいるが、良い人、優秀な人はもっと多い。良い人の社会的影響力が増せば、中国は国際社会の中で国際ルールを守り、アジアの平和と世界平和に貢献する国になるはずである。

 

コラム  

ケント・ギルバートの「儒教に支配された中国人と韓国人の悲劇」という本がベストセラーになっている。  

要旨:中国では昔から、儒教の教えに従って、皇帝が世界の中心で、周辺の野蛮な国を守ってやっていると考えてきた。この中華思想は、祖先崇拝の観念から、「公」より「私(家族)」が第一で、道徳心や公共心を育てなかった。プライドが強く、メンツを重んじ、平気で嘘をつく、歴史のねつ造や歪曲は朝飯前で、超ジコチュウの「オレ様国家」となった。

日中が国交正常化した1972年頃に入手した「日本解放工作要綱」なる、発行元不明の文書を紹介し、日中情報戦は進行中であると警告している。

 

筆者の反論:本屋の店頭には嫌中・嫌韓本がたくさん並んでいる。ケントの本はこれらの一種である。右傾化した若者や、ネトウヨと呼ばれるナショナリストが、これを読んで溜飲を下げている姿が浮かぶ。これは一種の病気で、小児病にかかっているように思われる。東西冷戦時代の怪文書を持ち出して、戦争の火種にするのは笑止である。

対中国平和外交を推進する立場から、対策を考えてみた。

  1. 民族の欠点をあげつらっても、得るものはない。中国にも多様な、優れた人材が多い。ヘイトスピーチはやめて、違いを認め、尊重し合うための対話をすべきである。

  2. 戦略的互恵関係を構築するための、提案と交渉を開始しよう。最近、自民党の二階幹事長が、安倍首相の親書を携えて訪中し、対話の糸口を開いたのはよかった。

鎌倉 建長寺の庭園

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民主化の段取り① 政党活動の自由化 [世界平和]

 過去4回の当ブログで、アジアにおける民主化運動の成功事例と、民主化のあるべき姿を見てきた。

中国の民主化は、アジアの平和はもちろん、世界の平和に直結する最重要テーマである。中国国民も民主化を熱望しつつ、どこから手を付けたらよいかわからず、半ばあきらめているテーマである。

 そこで、中国の民主化を進めるため、習近平政権側から見て、どこから手を付けたらよいか、何回かに分けて考えてみよう。

 

 筆者は親中一辺倒ではない。中国の良いところも悪いところも、ありのまま見ているつもりである。安倍首相は、中国の脅威をあおり、ハリネズミのように敵愾心を燃やすより、平和外交に活路を見だしてほしいと思っている。

 

1.政党活動の自由化

 言論の自由と、結社の自由を認め、自由に政党を作らせることから始めよう。共産党はそのうちの一つの政党になり、当面政権政党と認めることになる。これが無血革命の始まりである。

言論の自由を認めることで、テレビ討論などを通じて、喧々諤々の議論が始まり、国民の活力は倍増する。共産党一党独裁に対する不満のガス抜きにもなり、共産党をすぐに倒す運動が始まることはないと思う。

各政党は、中国の政治経済について、20年程度の長期ビジョンと、5年程度の短期ビジョンを、競って作り公表すべきでる。政党間で国の未来を熱く語り、競争することで、国民の意識の向上が期待できる。

 

地元、恩田川、2kmに500本の桜並木

 

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民主化の事例に学ぶ➃ まとめ [平和外交]

 アジアにおける民主化運動の成功事例として、韓国、フィリピン、インドネシアの場合を述べてきた。ここで、民主化の必要、十分条件をまとめてみよう。下図は民主主義国家の標準的な構成要件である。(クリックすると拡大表示できる)

 

国民主権と基本的人権 

 日本国憲法の前文に、「主権は国民に存する」と書かれているように、国民主権は基本的人権尊重と合わせて民主主義にとって必須である。

② 立憲主義
 政府のすべての活動は憲法の規定の範囲内で行われなければならない。アジアには憲法があるが守られていない国がある。

三権分立

  法律を作る立法、法律に基づいて政治を行う行政、法律に基づいて裁判を行う司法が相互に独立していること。上下関係であってはならない。

➃ 文民統制(シビリアンコントロール)

 政治が軍事に優先し、軍人の暴走を防ぐ仕組み。防衛省内の背広組も文民である。

⑤ 地方分権

 地方の政治は、権限も財源も地方自治体に任せること。中央集権の対語。

⑥ 政党活動の自由 一党独裁でなく、複数政党を認めて、活動の自由を保障すること。

⑦ 報道の自由 

報道の自由、情報公開、言論の自由、表現の自由など、みな重要。 

⑧ 議員選挙制度 

主権を持つ国民が、立法をする議員、行政をする首相などを選ぶ仕組み

⑨ 裁判官任命制度

 司法の独立が不完全な国が多く、大きな課題である。日本には最高裁判事の信任不信任を審査する国民審査制度があり、参考になる。

また、日本を含めて憲法裁判所を持たない国が多いが、必要である。

 

(図)民主主義国家の構成要件

 

民主化502.jpg

 


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民主化の事例に学ぶ③ インドネシア [平和外交]

 アジアにおける民主化運動の成功事例として、インドネシアの場合を考察してみよう。

1.スハルト政権の崩壊

スハルト大統領は石油資源を活用して経済開発に成功したが、軍の力を背景に不当な権力行使、暴力支配など恐怖政治を行った。

1997年のルピアの大暴落などによる経済危機を契機に始まった民主化運動によって、985月に、32年間にわたる長期政権を維持したスハルト政権は崩壊した。

 

2.インドネシアの民主化

インドネシアでは、憲法改正はすでの4回行われたが、国民主権、法治国家という大原則は織り込まれており、大統領、副大統領の直接選挙制も採用されていて、進歩的な憲法となっている。地方分権を進め、権力が分散したのも大きい。

大統領の任期制の採用、立法権制限、行政権限縮小、文民統制、弾劾手続きなどによって、大統領への権力集中の再発防止は適度に講じられている。課題は多いものの、インドネシアは民主化の成功事例の一つである。

 

3.少数民族独立運動の弾圧

 東ティモール、アチェ、パプア、西パプアで、独立運動が続いている。インドネシア国軍や警察による、活動家への人権侵害が頻発しており、政権は人権侵害に対しする処罰に冷淡である。

 

4.国軍の不当ビジネス

 インドネシア国軍は維持費を賄うためにビジネス主体となっており、権益拡大のため、しばしば権力の乱用を行っている。政権が見て見ぬふりをしているのも問題である。

 

5.インドネシアの民主化に学ぶ

 ① 大統領、副大統領の直接選挙制はわかりやすくてよい。

 ② 地方分権の推進は民主化成功への一里塚。少数民族にも自由を。
 ③ 国軍は国力にあった適正規模に縮小。ビジネスをやらせるのは不可。
 ➃ 国軍の文民統制の徹底。

 

コラム アジアの民主主義国

権威主義政治体制の崩壊から民主制への移行は、アジアでは、韓国、台湾、シンガポール、マレーシア、フィリピン、インドネシア、タイ、スリランカなどに見られる現象である。


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